skillkills|“KING OF BEATS”として挑み続ける姿勢

落ち着こうと思ったら
暗くなっちゃった

──2015年発表の4thアルバム「Ill Connection」リリース前には、skillkills結成時からのメンバーだったヒカルさんが脱退し、現在の3人体制となりました(参照:skillkillsからヒカルレンズが脱退)。この作品は暗い作風になっていて、ヒカルさんの脱退が影響していたのかなと考えていたのですが、制作自体は3人で行っていたんでしょうか?

4thアルバム「Ill Connection」
2015年1月28日発売
収録曲
4thアルバム「Ill Connection」
  1. Ill Subliminal ☆
  2. Get Thug
  3. Rally
  4. Escape Syndrome
  5. What Wonderful Water
  6. Suspicion
  7. Right Now Boogie Down ☆
  8. Uber
  9. Go Home
※☆は「THE BEST」収録

リズム アルバム制作はヒカルも一緒にやりましたね。

マナブ で、新曲のライブお披露目の直前で抜けたんだった。

リズム 作風が暗いのはマナブの声のトーンが低いからかも。

マナブ 落ち着こうと思ったら暗くなっちゃったんだよ(笑)。

スグル あと、曲作りのツールがiPadからAbleton LiveっていうDAWソフトに変わったのもあるかな。「Ill Connection」の楽曲のビートはカクカクしてて、ロック寄りなサウンドとは決別できるよう意識したんです。

──そんな中2015年発表の4曲入りCD「DOPE THIS WAY」からは再び作風が明るくなりました。

4曲入りCD「DOPE THIS WAY」
2015年11月25日発売
収録曲
  1. Neo Cyber Madness
  2. Dope This Way ☆
  3. Munchy
  4. Busy Timer ☆
※☆は「THE BEST」収録

スグル 初めて3人体制で作った作品ですね。これはバンドにとってもターニングポイントになりました。「Ill Connection」は4人で演奏することを想定した作品だったから、ライブでは同期を入れて無理やり演奏してたんです。それがしっくりこなくて。

リズム それまでは演奏中わざとテンポを変えたり、遊びで全然違うフレーズを叩いたりできたんですけど、クリックに合わせないといけなくなって。それにけっこう手こずってました。

──ライブで手応えをつかめたのはいつ頃だったんでしょうか?

スグル 「DOPE THIS WAY」の楽曲が完成してからですね。今は俺たちのライブ、さとし(リズムキルス)がクリックを聴きながらドラムを叩いているんですけど、それをほかの人に話すと「クリックに合わせてるの!?」ってビックリされるんです。そのぐらいのレベルまでいけましたね。

──「DOPE THIS WAY」の収録曲「Neo Cyber Madness」はアニメ「ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン」のエンディング曲に選ばれたり(参照:skillkills新作はデザイン選べるトッピング方式&レコ発に鎮座、peepowら)、株式会社おくりバントによるカルト映画風のミュージックビデオが作られたり、コラボやタイアップを実現したナンバーとなりました。この楽曲は「ニンジャスレイヤー」用に書き下ろしたのでしょうか?

スグル そうですね。新曲を作らないといけないって勘違いしてたんだけど、別に既発曲でもよかったみたいね。

リズム エンディング曲の参加アーティストの中では、一番「ニンジャスレイヤー」と向き合ったんじゃないかな(笑)。

スグル この楽曲のおかげでバンドのサウンドも明るくなったのかも。

──さらにこの作品はジャケットを数種類から選べる“トッピング形式”が取られたり、インスト盤も用意されたり、ユニークな方法で販売が行われましたね。

スグル 2013年にカニエ・ウェストが「Yeezus」って作品を発表したんですけど、そのCDパッケージは透明なケースにディスクが入ってるだけなんですよ。トッピング形式はそこから思いつきました。インスト盤は俺が楽曲を作るときにskillkillsの曲をサンプリングすることもあるんで、そのときに便利かなと思って。もし使いたい人がいたらぜひ(笑)。

向井秀徳とK-BOMBを会わせられるのは俺らしかいない

──「DOPE THIS WAY」発表前、スグルさんはGuruConnect名義で「BEAT CALENDAR」という作品を制作しています。およそ半年かけて6作、計60曲を作るという相当ハードなリリースでしたが……。

スグル 地獄でしたよ(笑)。

マナブ こんなリリース設定した時点でヤバいってわかるでしょ(笑)。

──このような過酷なリリースに挑んだのはなぜ?

スグル この時期子供が生まれるタイミングで、自分の作風が変わっちゃうかなと思って。それで作り続けてみたんですけど……全然変わらんかったね(笑)。

──さらに「DOPE THIS WAY」発表後、リズムさんもビートさとし名義で「BUZZ」というソロ作品を発表しました(参照:skillkillsリズムキルス、「ビートさとし」になる)。

リズム 「俺もなんかやりたい!」って気持ちになったんでしょうね。でもリリースしたあと、結局なんもやってないっすね……。ライブも2、3回ぐらいやっただけかな。

──2017年発表の「The Shape of Dope to Come」はBLACK SMOKER RECORDSに戻ってのリリースとなりました。向井秀徳さん、K-BOMBさんがフィーチャリングゲストとして参加した表題曲が話題を集めましたが、お二人の参加はどういった経緯で実現したんでしょうか?

5thアルバム「The Shape of Dope to Come」
2017年2月15日発売
収録曲
5thアルバム「The Shape of Dope to Come」
  1. Here We Dope ☆
  2. Powwow ☆
  3. Lonely Man (skit)
  4. The Shape of Dope to Come feat. 向井秀徳、K-BOMB ☆
  5. Wishy-Washy
  6. Mush (skit)
  7. I’m Come In ☆
  8. Peace (skit)
  9. Tres Bien Bohemian
  10. Never Ending Nice Night
※☆は「THE BEST」収録

スグル せっかくBLACK SMOKER RECORDSからリリースするから、レーベルを設立したKさん(K-BOMB)にはすぐにお願いしてOKをもらったんです。向井さんはZAZEN BOYSとよく対バンしてたからつながりがあって。

マナブ 「BLACK MUTANT」を発表したあたりからだよね? 昔から向井さん、俺たちのこと気にしてくれてたんです。この2人を会わせられるの、絶対俺らだけっすね。