SIX LOUNGE「キタカゼ」インタビュー|最高の追い風を受けて、新たな戦いへ (2/2)

ずっと“骨”をテーマにしたラブソングを書きたかった

──シングルのカップリング曲「骨」についても聞かせてください。「キタカゼ」とタイプは違いますが、これもまたSIX LOUNGEらしさの詰まった、いい曲ですよね。

ヤマグチ ありがとうございます。

──「キタカゼ」のカップリングになることを意識して作ったところもあるのでしょうか?

ヤマグチ というよりは、アニメソングのカップリングだからこそ聴いてもらえる機会が多いと思ったんですよ。だからストックの中から俺らが一番いいと思うものを入れようという話をして、これになりました。

──タイトルでもあり、歌詞のテーマでもある「骨」というのはどこから?

ナガマツ ずっと、“骨”をテーマにしたラブソングを書きたいと思っていて。これまでも何度か書こうとはしていたんですけど、完成までは至らなかったんです。それが今回、カップリングをこの曲にすると決まって、歌詞を考えていたときに「これなら“骨”がうまくハマりそうだぞ」と。

──そもそも“骨”をテーマにラブソングを書きたいと思っていたのはどうしてだったんですか?

ナガマツ なんでだろう……骨をモチーフにしたラブソングを聴いたことがなかったからかな。骨をテーマにしながら「生まれ変わってもあなたのことが好きです」という、究極のラブソングを書いてみたいなと思っていたんです。

──アコースティックギター1本の弾き語りから始まるのも印象的です。コロナ禍の2020年にリリースされたアコースティックCDに手応えを感じたからではと推測したのですが、そのあたりはいかがですか?

ヤマグチ あー、たぶん関係なくはないですね。この曲に直接関係しているかはわからないですが、アコギを使って曲を作る楽しさが、そこで生まれたとは思います。あと俺が、ロックバンドの曲でアコギが入っているものが好きだというのもあります。この曲、歌のレコーディングにめっちゃ時間かかったんですよ。レコード会社の人に「ちょっとコーラスを試してみよう」って言われて。俺はコーラスなしでいきたいと思っていたから、ちょっと険悪なムードになりながらも試してみたら……めっちゃよかった(笑)。コーラスを入れたことでキラッとした感じがします。何事もやってみることが大事だなと。

──イワオさんはこの曲についてどういう印象を持っていますか?

イワオ メロがいい。それがロマンチックな歌詞にバチっとハマってると思います。

イワオリク(B, Cho)

イワオリク(B, Cho)

──この曲はベースもメロディアスだなという印象を受けました。

イワオ 本当っすか? この曲に関しては、なんならベースはなくてもいいくらいかもしれないと思っていました(笑)。そのくらい歌詞と歌の力が強い曲だなと思ってたので。

──確かに全編弾き語りでも聴いてみたいです。

ヤマグチ タイミングが合えばやりたいですね。アコースティックライブによさそうな曲なので。

これで戦いに行ける

──2曲の対比が楽しめるシングルですが、バンドにとってどんな作品になりましたか?

ナガマツ SIX LOUNGEはロックバンドらしい疾走感のあるサウンドが強みだけど、バラードを聴かせられるバンドでもあるんだぞということも伝えられる。どっちの曲でも自信のある部分を出せた、めちゃくちゃいいシングルになったと思います。

イワオ 今までの俺らに磨きがかかった曲と、新たな武器と。うん、対照的な曲が入ったシングルですね。「これで戦いに行けるな」というCDができたと思います。

──昨年バンド結成10周年を迎えたSIX LOUNGEにとって、まさに新たな挑戦の1枚になったのではないかと思います。ここ最近、SIX LOUNGEはレーベルを移籍したり、タイアップ曲に挑戦したり、新しい境地へと踏み出していますが、それによってバンド活動に対するモチベーションに変化はありましたか?

ヤマグチ コロナ禍でライブが楽しめなかったり、レーベルを移籍したことで今までとは環境も変わったりして、ただバンド活動が楽しいだけじゃなくなって。でも一方で「がんばろう」という気持ちはデカくなったかもしれないです。

SIX LOUNGE

SIX LOUNGE

──楽しいだけじゃなくなったときに、それでもがんばろうと思えたのはどうしてですか?

ヤマグチ もう1回楽しい気持ちを味わいたかったからですかね。僕たちはすでにバンドをやる楽しさを知っていたので。今はライブも楽しいし、曲作りも苦じゃなくやれているので、よかったです。苦になるくらいがんばります!(笑)

──ざっくり言うと「売れたい」という気持ちが、最近は前面に出てきたような気がするんです。「ジュネス」では流行りの曲を研究していましたし。

ヤマグチ それって「今まではそう見えていなかった」ってことですよね? 確かに、今までも「めっちゃいい曲いっぱいあるのに、なんでもっと聴いてもらえんのやろ」とはずっと思っていたけど、それがだんだん具体的に「売れたい」に変わっていったのかもしれないです。

──その点で言うと、今作は多くの人に聴いてもらえる絶好のタイミングですね。

ヤマグチ ね。最高の“追い風”ですよね。

──この追い風に乗って、この先どんなところへ行きたいですか?

ヤマグチ 大きいハコでも小さいハコでも、いろんなところでライブをやりたいですね。あと、いい曲を作りたい。その曲を流しながらずっと飲めるくらいの曲を。

──今までの楽曲ではまだ飲めない?

ヤマグチ 飲みながら聴くとなると、そのときに好きな音楽を聴いちゃうし。完成したてのときは聴きますけど、リリースしたあとはあんまり聴かないですね。自ら引っ張り出してでも聴きたくなるような曲を作りたいです。

イワオ 俺は海外でライブをやってみたいです。「キタカゼ」がじわじわ世界にも広がっているのを感じるので。

ナガマツ 昔よりも変わることが怖くなくなっているので、俺はこのまま自分たちがカッコいいと思うことを、変化を恐れずにやっていけたらいいなと思っています。

──変わることが怖くなくなったのはなぜですか?

ナガマツ なんですかね? 経験とか年齢とかですかね。理由はわからないですけど、「絶対にこれしかやらない」みたいな凝り固まった考えがだんだんなくなってきて、もっと柔らかく物事を捉えられるようになってきました。だから今は、そのときそのときにカッコいいと思えることをやっていきたいです。

SIX LOUNGE

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ツアー情報

SIX LOUNGE TOUR 2023「SUPER EXPLOSION」

  • 2023年6月18日(日)東京都 Zepp Shinjuku(TOKYO)
  • 2023年6月20日(火)宮城県 Rensa
  • 2023年6月22日(木)愛知県 DIAMOND HALL
  • 2023年6月28日(水)福岡県 UNITEDLAB
  • 2023年7月21日(金)大阪府 GORILLA HALL OSAKA

プロフィール

SIX LOUNGE(シックスラウンジ)

ヤマグチユウモリ(G, Vo)、ナガマツシンタロウ(Dr, Cho)を中心に、2012年に大分県で結成されたロックバンド。2015年にイワオリク(B, Cho)が加入し、現体制になった。大分・T.O.P.S Bitts HALLを拠点に活動を続け、11月にタワーレコードおよびindiesmusic.com限定でシングル「メリールー」を発売。2016年3月に1stアルバム「東雲」をTHE NINTH APOLLOよりリリースした。2022年にソニー・ミュージックレーベルズへの移籍を発表。10月に移籍後初のEPとなる「ジュネス」をリリースし、ライブツアー「SIX LOUNGE TOUR 2022 “ジュネス”」を開催した。2023年3月にはテレビアニメ「僕のヒーローアカデミア」6期の第2クールのエンディングテーマ「キタカゼ」をシングルとして発表。6月より対バンツアー「SIX LOUNGE TOUR 2023『SUPER EXPLOSION』」を開催する。