戦う相手が自分に
──自分たちの音楽が認められない悔しさや「何くそ」という気持ちが、SiMの音楽の根源の1つだと思っているのですが、ある程度認められている今、「何くそ」という気持ちはまだありますか?
ありますよ。「この会場をソールドアウトさせたら、次はここを埋めたいよね」っていう気持ちは永遠になくならないし。ただ「何くそ」の向かう先が変化したって感じかな。今までは例えば「フェスでトリをやるぞ」と思っていて、敵と言うとアレですけど、そのために越えていくべきバンドだったり存在がいたんですけど、トリをやらせてもらえるようになった今は「あれ? 敵がいない」ってなっちゃって。元を正せば、メインストリームな音楽というものが敵だったのに、今自分はメジャーレーベルに所属して、テレビとかにも出てる。そうなってくると最終的に自分との戦いになってきちゃうんですよね。今までは第三者と戦ってきていたけど、今は油断したら腐っちゃうっていう自分と戦ってる。今までは「若い若い」と言われてきたけど、勢いのある後輩もたくさん出てきて、気を引き締めさせてもらってて。いい状況っちゃいい状況なのかな。なるべくしてなってるのかも。
──MAHさんがご結婚されたことも(参照:SiMのボーカルMAH、ダーブロウ有紗との結婚を報告)かなり大きな変化だと思うのですが、歌う内容や気持ちに変化はありますか?
絶対に何かが変わってはいると思うんですけど、自分では何がどう変わったかというのはわからないですね。人から「丸くなった」と表現されるのがそれかなとは思いますけど。ただ「嫁を守ろう」と言うよりは、「バンドを守ろう」という気持ちにすごくなってて。俺だけじゃなくて、ほかのメンバーも同じように歳を取っていってるわけだから誰も食いっぱぐれないように、メンバーもメンバーの家族も全員で生きていられるようにしようと。だからといってやりたくないことはやりたくないし、急に「家族は大事」みたいなことは歌わないと思いますけどね。でも嘘はつけないから、私生活が充実してるのに無理やりトゲは出せない。トゲがなくなったんじゃなくて、トゲを出すタイミングを考えるようになったって感じですかね。
「あのう、桐生に僕の服着せたいんですけど……」
──シングルの話に戻りますが、ジャケットでも「龍が如く」とコラボしていますね。MAHさんのライブ衣装を着た桐生一馬が描かれています。
いろいろ考えてたんですよ、桐生一馬がドーンと出ているものがいいのか、それとも今までのSiMの作品の流れを汲んだものがいいのか。でもせっかくだからコラボしたいなと思って。「東京ゲームショウ」でゲームの総監督である名越(稔洋)さんに会ったので、コソっと言ってみたんです。「あのう、桐生に僕の服着せたいんですけど……」って。そしたら「どうなるかわかんないけど、やってみるよ」と言ってくれて、これが完成したという感じです。実際に俺が着てるポロシャツの写真を送ったりして、ディテールにもこだわってるんですよ。
──すごいですよね。
ね! ゲームに自分が出演してみたいとか、ゲームのキャラがSiMを知ってくれたらいいなとずっと思ってたのでうれしいですね。俺、サッカーゲームをよくやるんですけど、サッカーゲームって実在するサッカー選手が実名で出てくるんですよね。それをもしその人本人が操作したらどういう気持ちなんだろうと思っていて。今回それが、擬似的にですけど叶ったような気がします。
──「『龍が如く』の世界の中にSiMがいる」みたいなことですもんね。
ですよね。光栄の極みです!
──初回限定盤にはMAHさんと“素人同然”のGODRi(Dr)さんが「龍が如く」で熱いバトルを繰り広げる映像「『SiMが如く』MAH vs GODRi 炎の3番勝負!」も収録されますが、最後に、この見所を教えてください。
見所かー。俺が圧倒的に強いので、ゲームの対決自体は面白くもなんともないんですが(笑)、ゲームの中に用意されている、グラビア撮影をするというミニゲームをやらせてもらっていて。それはセリフを選んで女の子を喜ばせると、さらに(服を)脱いでくれるというゲームで。俺とGODRiの女の子の扱いの違いがわかるのは面白いかも。すげーくだらないですけど(笑)。
- SiM「A / The Sound Of Breath」
- 2017年12月6日発売 / EMI RECORDS
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初回限定盤 [CD+DVD]
1674円 / UPCH-89373 -
通常盤 [CD]
1188円 / UPCH-80486
- CD収録曲
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- A
- The Sound Of Breath
- 初回限定盤DVD収録内容
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SiM LIVE at "DEAD POP FESTiVAL 2017"
-DAY1-
- Blah Blah Blah
- TxHxC
- paint sky blue
- Rum
- KiLLiNG ME
-DAY2-
- GUNSHOTS
- PSYCHO
- Dance In The Dark
- f.a.i.t.h
-EXTRA-「SiMが如く」MAH vs GODRi 炎の3番勝負!
- 「A / The Sound Of Breath」発売記念特別ライヴ ~ONE MAN SHOWS~
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- 2018年3月1日(木)東京都 新木場STUDIO COAST
- 2018年3月9日(金)大阪府 Zepp Osaka Bayside
- SiM(シム)
- MAH(Vo)、SHOW-HATE(G)、SIN(B)、GODRi(Dr)の4人からなる湘南で結成されたレゲエパンクバンド。2004年11月に結成され、数度のメンバーチェンジを経て2009年に現編成となる。パンク、ハードコア、スクリーモをベースとする轟音サウンドにスカやレゲエのエッセンスを取り込んだ“レゲエパンクサウンド”で頭角を現す。ライブハウスシーンを中心に活動し、2011年「KiLLiNG ME」のMUSIC VIDEOの視聴回数がインディーズバンドとしては異例の再生回数を記録(現在1600万回以上再生)。同曲を収録したアルバム「SEEDS OF HOPE」もスマッシュヒットを記録した。メジャー10社以上が獲得に乗り出す中、ユニバーサル・ミュージックをパートナーに選び、2013年4月に4thシングル「EViLS」、10月に3rdフルアルバム「PANDORA」を発売。その後も着実にリリースを重ね、2015年11月には日本武道館公演も完売させた。2016年4月には4thフルアルバム「THE BEAUTiFUL PEOPLE」を発売。同アルバムのリリースツアーでは全国26公演すべてがソールドアウトとなる。野外開催2年目となる自身主催イベント「DEAD POP FESTiVAL」を大成功に収め、10月にツアーのグランドファイナルとして行った神奈川・横浜アリーナでのワンマンライブも即日の完売となった。2017年3月から4月にかけて実施したワンマンツアー「THE BEAUTiFUL PEOPLE TOUR -season II- "ONEMAN SHOWS 2017”」では全国10カ所で28000人以上を動員した。7月に「DEAD POP FESTiVAL 2017」を主催。9月には兵庫・ワールド記念ホールで対バン企画「THE EYEWALL NiGHT vol.1」を実施した。12月にPlayStation4専用ソフトウェア「龍が如く 極2」のテーマ曲およびエンディング曲を収めた両A面シングル「A / The Sound Of Breath」を発表。