耐えるSiMに共鳴する「A」
──普段のSiMの曲では、曲の中の主人公にある程度MAHさんの人格を持たせつつストーリーが描かれていると思うのですが、今回の2曲にはMAHさんの人格や思いは入っているんですか?
入れるつもりはなかったんですけど、曲を作り終わってから改めて聴いたら、自分の思いが出ちゃってるなと思いました。
──どういうところに表れていると思います?
今のSiMはブースト期間が終わったなという感じがしていて。「SEEDS OF HOPE」(2011年10月リリースの2ndアルバム)あたりから自分たちの想像を超える勢いで駆け上がっていって、1年前くらいからそのスピードが緩くなってきた感じがしているんです。それは「もうすぐバンドが止まりそう」とかそういうことではなくて、今まで時速120km出てたところが従来の80kmに戻ったくらいのことなんですけど。とにかく耐える期間だなと思ってるんです。それが歌詞に出ちゃったかなと。そうじゃないと「何もする気起きない」なんて歌詞が最初に出てこないと思う。ちょっと倦怠期と言うか……「もうちょっと刺激があったらいいのにな」って思ってる自分がいるんだろうなと。
──やる気が起きない自分がいる?
うーん、やる気が起きないと言うか……今までは「やる」しか頭の中になかったんですけど「やらなくてもいいかな」って思っちゃう日もあるという、それくらいの迷い。でも自分の中ではそんなことを思う自分がいることはデカい変化で。気が緩んじゃってるのかなと。前は聴いてくれる人をどうやったら喜ばせられるかということをひたすら考えてたんですけど、最近は「何をやっても喜んでくれるんじゃないか」って思っちゃうことがあって、そんな悪い自分と戦ってる感じがするんです。ここで失敗したら「A」の歌詞の人間みたいになっちゃうんだろうなって感じかな。
──「嗚呼 何もする気起きない」と。
そう。とは言え曲の主人公になってる堂島大吾もカッコいい男なんですよ! 全然ダメなヤツじゃないんで! 堂島大吾のためにもこれは言っておきます!(笑)
今のSiMに必要なのは「耐えて 変えて 前へ」
──「The Sound Of Breath」はラブストーリーを想像して書いたとのことですが、こちらにもご自身の気持ちは出てます?
はい。最後に日本語で「今を耐えて 変えて 前へ」という歌詞があるんですけど、これはまさに今のSiMに必要なことだなと。「韻を踏みつつ、なるべく少ない文字数で一番強い言葉を」と考えて出てきた言葉で、結果的に自分たちに必要なことを歌ってたという。もちろん耐えるだけじゃなくて、できることはやって一歩でも前に進もうとはしているんですけど。
──「失速してしまった」と言ったのは、いろんなものを手に入れたからですか? 日本武道館公演をやって、野外フェスを主催して、横浜アリーナ公演をやりきって……次の目標を見失っていると言うか。
今の俺らでできることをある程度やってしまって、ひと段落してしまったという感じですかね。俺はマイナス思考だから「何かを手に入れたら、何かを手放さないといけない」と思っていて。そういう意味で、今「いろいろ手に入れちゃってどうしよう」っていう状態なんですよね。
──手放すものが見つからない?
そう。SiMを好きだと言ってくれる人をもっと増やしたいと思ってるけど、じゃあそのために今日家に帰って何をすべきかがわからなくなってしまっているというのが最近かなあ。具体的に話をすると、武道館でやって、横浜アリーナでやったので、次は全国のアリーナでライブをしたいなと。じゃあアリーナツアーという次のデカい目標を叶えるために、今何をすべきか?と考えたときに、その答えが出ていないという感じです。でも別にそれを悪いことだとは思ってなくて。迷えるだけ先があるなと。あとメンバー全員が同じ危機感を持ってるのでそこは安心と言うか。「一歩間違えたらヤバいね」という感覚は共有できてるから、大丈夫だなと思っています。
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戦う相手が自分に
- SiM「A / The Sound Of Breath」
- 2017年12月6日発売 / EMI RECORDS
-
初回限定盤 [CD+DVD]
1674円 / UPCH-89373 -
通常盤 [CD]
1188円 / UPCH-80486
- CD収録曲
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- A
- The Sound Of Breath
- 初回限定盤DVD収録内容
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SiM LIVE at "DEAD POP FESTiVAL 2017"
-DAY1-
- Blah Blah Blah
- TxHxC
- paint sky blue
- Rum
- KiLLiNG ME
-DAY2-
- GUNSHOTS
- PSYCHO
- Dance In The Dark
- f.a.i.t.h
-EXTRA-「SiMが如く」MAH vs GODRi 炎の3番勝負!
- 「A / The Sound Of Breath」発売記念特別ライヴ ~ONE MAN SHOWS~
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- 2018年3月1日(木)東京都 新木場STUDIO COAST
- 2018年3月9日(金)大阪府 Zepp Osaka Bayside
- SiM(シム)
- MAH(Vo)、SHOW-HATE(G)、SIN(B)、GODRi(Dr)の4人からなる湘南で結成されたレゲエパンクバンド。2004年11月に結成され、数度のメンバーチェンジを経て2009年に現編成となる。パンク、ハードコア、スクリーモをベースとする轟音サウンドにスカやレゲエのエッセンスを取り込んだ“レゲエパンクサウンド”で頭角を現す。ライブハウスシーンを中心に活動し、2011年「KiLLiNG ME」のMUSIC VIDEOの視聴回数がインディーズバンドとしては異例の再生回数を記録(現在1600万回以上再生)。同曲を収録したアルバム「SEEDS OF HOPE」もスマッシュヒットを記録した。メジャー10社以上が獲得に乗り出す中、ユニバーサル・ミュージックをパートナーに選び、2013年4月に4thシングル「EViLS」、10月に3rdフルアルバム「PANDORA」を発売。その後も着実にリリースを重ね、2015年11月には日本武道館公演も完売させた。2016年4月には4thフルアルバム「THE BEAUTiFUL PEOPLE」を発売。同アルバムのリリースツアーでは全国26公演すべてがソールドアウトとなる。野外開催2年目となる自身主催イベント「DEAD POP FESTiVAL」を大成功に収め、10月にツアーのグランドファイナルとして行った神奈川・横浜アリーナでのワンマンライブも即日の完売となった。2017年3月から4月にかけて実施したワンマンツアー「THE BEAUTiFUL PEOPLE TOUR -season II- "ONEMAN SHOWS 2017”」では全国10カ所で28000人以上を動員した。7月に「DEAD POP FESTiVAL 2017」を主催。9月には兵庫・ワールド記念ホールで対バン企画「THE EYEWALL NiGHT vol.1」を実施した。12月にPlayStation4専用ソフトウェア「龍が如く 極2」のテーマ曲およびエンディング曲を収めた両A面シングル「A / The Sound Of Breath」を発表。