シド|「会いたい」気持ちを音に乗せて……約束の「Star Forest」に向けて明かすファンへの思い

せめて俺たちといるひとときだけでも楽しんで

──この楽曲を1年前にレコーディングした当時と今で、楽曲自体の存在意義は変わりましたか?

マオ 当時は単純にライブに向けて作った曲でしたからね。待ち合わせから始まる歌が、結果的にファンのみんなとこんなに長い待ち合わせになるなんて思っていなかった。当時のレコーディングしたものを、そのままパッケージして詰め込んでいるので、1年前のシドを最新で聴けるのはファンのみんなにとっても今までにないことで。ある意味、新しい経験になったのかなと思います。

──改めて5月のライブに向けて今はどんなお気持ちですか?

マオ ひさしぶりにファンのみんなの顔が見られるのが本当に楽しみなのと、今回はいろんな理由で参加できない子も多いので、その子たちの分までしっかり楽しむ気持ちを忘れずにやりたいですね。俺たちもそうですけど、みんなもガイドラインを守ったうえで思いっきり、その日を楽しむ。今、日常生活で嫌なことばっかりだと思うんですよね。悲しいことや不安なこと、ニュースだって嫌な内容ばかりが流れてる。せめて俺たちといるひとときだけでも、そうした気持ちを忘れて楽しんで帰ってもらえればと思います。

Shinji 配信ライブを経て、ようやくお客さんの前でやるのって興奮しそうですよね。やっぱりパワーというか、アドレナリンみたいなものって目の前にお客さんがいたほうが出る気がするんですよね。

明希 シドにとってもお客さんにとっても、すごく重要な2DAYSになると思います。ここまでして来てくれた人に何を見せるのかっていう責任もあるし。自分たちの全力を尽くして、すべての意味でいいライブにしたいと思います。

──これまで数え切れないほどのライブを経験してきた中で、今回のライブはほかと気概が違いますか。

明希 そうですね。この時期にライブをやる意味合いが大きい。音楽ってみんなにとっても僕たちにとっても必要なものだよねって、ちゃんと提示して感じてもらえるような、意義のあるステージにしなきゃいけない。そういった部分で、ちゃんと成功させなければいけない公演だと思いますね。

──「ちゃんと成功させる」という言葉は、今ライブを開催するうえでの覚悟を感じます。

ゆうや こういうご時世というのもあって、会場へ足を運ぶのはすごく勇気のいることだと思うんですよね。決断するまでに葛藤もあるだろうし、後ろめたさなのか、いろんな感情があると思うんですよ。きっと周りから「え、ライブに行くの?」と言われることもあると思う。僕らもその中でライブの開催を決断したので、しっかりガイドラインに沿ったうえでやれることを表現したいです。

──お互いが安全に楽しいライブを意識すると。

ゆうや そうですね。海外旅行へ行ったときの感覚じゃないですけど、楽しすぎて灰になる感じってあるじゃないですか。あの感覚になってもらうというか……なると思うんですよね。僕らも多分そんな気がしてて。忘れるじゃないですけど、夢の中にいるような2日間を体感してもらいたいし、自分たちもしたい。

忘れてほしくない“シドが一番”という気持ち

──確かに、ライブって現実からのエスケープ行為でもありますよね。

ゆうや いいと思うんですよね。その感覚を来てくれた方に感じてもらえたらいいですね。

──先ほどお話させていただいた「逃げたくなったらシドがいる」というマオさんのMCとつながりますね。

マオ そうですね。世の中的に音楽は娯楽のカテゴリーに分けられるじゃないですか。コロナの感染拡大によって「ライブやイベントを開催するな」ということになって、もちろんみんなで生き残っていくために自粛は必要なことだと思うんですけど。ただ、俺も忘れたくないし、みんなにも忘れてほしくないのは“シドが一番”という気持ち。それは全然アリというかね。そこまでブレさせる必要はない。シドが一番で、シドのライブが一番で、それを生き甲斐に生きている子もいるし、その子たちにとって「シドが一番」という思いはブレなくていいんだよ、と提示するためにも俺たちは活動を続けていく。やっぱりブレ始めると思うんですよね。

──今回のライブを無事に成功させることで、シドファンにとっては報われた気持ちになるでしょうね。

マオ 価値観なんて人それぞれだしね。だからライブが好きな人が肩身の狭い思いをしなくていい。「やっとこの日が来た」と足を運んでくれたらって思います。

──今回のライブを無事に成功させることで、シドファンにとっては報われた気持ちになるでしょうね。

マオ うんうん。

──最後に2021年後半の動きとしては、どのようなことを考えてますか?

マオ 常に話し合いをしていますけど、こういう世の中なので1年先とか2年先の予定を決めることが難しくなっているのは事実です。微調整しながら日々を歩いている感じはあるので、まだなんともではあります。

──どうしても世間の様子を見つつではありますからね。

マオ そうですね。結局「ライブをやるよ」と言えば、記事を読んだファンのみんなは喜んでくれるけど、状況が悪くなって「延期」「中止」となればガクンと落ち込む。去年からそういうケースが多いじゃないですか。気持ちが上がった分、落ちたときはすごくかわいそうなので、そういう思いを減らしてあげるのが1つの優しさだと思う。ただ、4人とも未来に向かって“みんなで楽しめるシド”を頭の中で意識しています。そっちへ向かっていくのが決まっているんですけど、向かい方だったり、どのタイミングで行くのかはこれから考えていきます。


2021年5月15日更新