湘南乃風 RED RICE×SHOCK EYE|充電期間を経て戻る場所 2年間の答えと「四方戦風」

2年間の答え、湘南乃風は生きがい

──湘南乃風の使命感はファンにとってすごく頼もしいものだと思います。ただ、活動を停止するくらいの思いが4人の中にあり、そこを解決しないまま再始動したとしても、ファンは手放しに喜べないような気もするんですよ。無理をしているんじゃないかと心配になる人たちもいるでしょうし。

SHOCK EYE

SHOCK EYE ううん、そこは大丈夫。なぜなら僕らもファンのみんなからたくさんのものを受け取っているから。自分たちもみんなからの応援がなかったら苦しいですからね。自分たちを求めてくださる方々の存在の大きさ、かけがえのなさをこの充電期間で改めて感じたので、前と同じことにはならないと思います。

──なるほど。そこには対等の関係性があると。そう聞いてホッとしました。

SHOCK EYE ソロ活動を経て湘南乃風の現場に帰ると、そこはやっぱりホッとする場所なんですよ。メンバーも、スタッフも、そしてお客さんもみんながホッとさせてくれる。逆に言えば、そこは「もっとがんばらなきゃ」と思わせてくれる場所でもある。湘南乃風は自分にとっての生きがいみたいなものかもしれないです。

RED RICE 僕はこの2年間に湘南乃風をやりたいのか、やりたくないのか、ということをすごく考えたんですよ。そこでやっぱりやりたいと思えたし、やりたいこともまだまだいっぱいあるということが明確になったんです。自分の中にはまだ火がちゃんと残っていることを感じたというか。で、その火をさらに大きくするための燃料をくべてくれるのが、応援してくれる人たちの存在なんですよね。だからこうやって戻る場所をちゃんと守ってくれていたファンのみんなには本当に感謝の気持ちしかないです。その気持ちに応えるために今回のアルバムを作ったし、今後は早くライブもしたいなって思う。この2年間の気持ちを早くみんなに届けたいです。

SHOCK EYE そうだね。こうやってまた動き出せることが、この2年間で手に入れた1つの答えだと思うし、そこでの気付きは今後の湘南乃風の作品やパフォーマンスに絶対生きてくるだろうしね。

──「一番歌」を作り終えたあと、アルバムの制作にはすぐ取りかかったんですか?

SHOCK EYE はい。自然とそういう流れになったかな。やっぱり「一番歌」での作業が4人共楽しかったんだと思うし、リリースしたものをみんなが喜んで受け取ってくれたこともすごいうれしかったんですよ。そもそも誰かが無理にやらせようとしても、そんなの通用するメンバーじゃないですから(笑)。そこはみんな意思疎通できているというか、以心伝心みたいな部分があるんじゃないかな。認めたくないメンバーもいるかもしんないけど(笑)。

──個性の異なる4人だけれども、湘南乃風においては言葉を交わさずとも同じ方向を向けるということなんでしょうね。

SHOCK EYE 最近はお互いを尊重し合って、それぞれの考えの答え合わせをすることはないんだけど、みんなウソをつかずに自分らしく生きてる人たちだから。そこにあるミュージシャンとしての美学みたいなものはどれも正解だし、理解し合えてると思う。そんな四者四様の風がぶつかり合うことで起きるつむじ風こそが湘南乃風にとってのパワーであり、人を巻き込んでいく魅力なんじゃないかなって思ったんで、今回のアルバムには「四方戦風」というタイトルをつけたんです。

今回の制作はぶつかり合い

──本作に収録される全14曲は、新たな決意がにじむ力強いナンバーから、テンションがぶち上がるサマーチューン、聴き手の心に寄り添う優しさにあふれた楽曲まで、湘南乃風らしいスタイルで描き出されたものばかりだと思います。

RED RICE

RED RICE 間違いなく今までで一番クオリティの高いアルバムになったんじゃないかなと。各自、ソロで音楽と向き合ってきただけあって、みんないい歌詞を書いてるしね。言ったら、それぞれがこの2年間で何をしてきたかの見せ合いみたいな感覚があったんですよ、今回の制作では。まさにそのぶつかり合いでもあったし。ものすごく有意義な時間だったと思う。できあがったものは早くファンの人に届けたいという思いだけど、制作中は自分の作ったものを早くメンバーに聴かせたいという気持ちがすごく強かったからね。それがどう届いてるのかは実際わからないけど(笑)。僕としては自分なりの球をちゃんと投げられたと思うから一切の悔いはない。そういう意味でも、大きな1つのターニングポイントになるアルバムになったと思いますね。

SHOCK EYE この2年間REDは、リリースとか関係なくたくさん曲を作ったり、今まであまりしてこなかったクラブでのライブをやったり。それを見て改めて、「皆そうあるべきだよな」ってすごく思ったから、すごく刺激をもらった。だからこそREDがその中から選りすぐった「自由自在」とか、めちゃめちゃいい曲になったんだと思う。

──各メンバーが手ぶらで帰ってきたわけじゃないということですね。

SHOCK EYE そうそう。若旦那がギター1本で全国を回っている姿とか、あんなにテレビが苦手だったHAN-KUNがソロで歌番組に出ている姿なんかにも僕は勇気付けられたし。言ったらここが僕らの新たなスタートで、だからこそデコボコなアルバムになったのかもしれないんだけど、でもここで一歩踏み出せたことは確実に大きな意味があったと思う。このアルバムって、1stアルバムの「湘南乃風 ~REAL RIDERS~」みたいになるんじゃないかなって思ってたところもあって。そうしたらREDが「Still Real Riders」ってタイトルの曲を持ってきたりもして。そこで「すげえいいじゃん」と、そこにある“Still”の意味を考えるきっかけにもなった。手に取ってくださる方がそこにある思いをどこまで感じてくれるかはわからないけど、僕らにとってはすごく貴重な作品になったのかなと思いますね。