湘南乃風 RED RICE×SHOCK EYE|充電期間を経て戻る場所 2年間の答えと「四方戦風」

本当の意味で第2章の始まり

──冒頭の2曲、「不死鳥」と「四方戦風」は湘南乃風の復活を高らかに宣言する楽曲です。ファンとしては、ここで2年間の不安が一瞬で吹き飛ぶ感じがありますよね。

SHOCK EYE 制作の最初の段階ではもうちょっとこの2年間の思いを掘り下げた曲もあったんです。でも結局それは入れないことにした。4人で具体的な話をしたわけではないんだけど、それぞれがそれぞれの時間を過ごした2年の間に、いろんなことが解決したということなんだと思うんですよね。だからこそ変にやきもきした表情を見せることなく、初っ端から「僕らの伝家の宝刀を抜いて振り回すしかないっしょ」っていうモードになっていたんだと思う。

RED RICE そうだね。当然その中にはさらにスキルアップした今のメンバーの個性がしっかりと詰め込まれているし。それぞれが書いた歌詞を見ていると、「ああ、ここは自分のこと言ってんのかな」とか感じたりするところもあったんです。HAN-KUNのソロ(「未来図」)では「みんな仲よくして、一丸となろうぜ」って言ってくれているんじゃないかなと感じたりもしたし。

SHOCK EYE

SHOCK EYE そうなんだ。本人は全然考えずに書いたと思うけどね(笑)。

RED RICE たぶんそうなんだけど、今回はけっこうそんなふうにも受け取れちゃったっていうかね(笑)。11曲目の「アリとキリギリス」は、もともと僕とSHOCKの2人の曲で。大昔にジャマイカにトラックを制作しに行った頃に作ったものなんですよ。それを今回SHOCKが「今回のアルバムにはこういう曲も必要だと思うんだよね」って引っ張り出してきくれて。さっきの「Still Real Riders」もそうだけど、今回はほんとに初心に戻る瞬間が多かったし、本当の意味で第2章の始まりを実感できたんですよね。

SHOCK EYE REDはちょっとノスタルジックな感じになっていたんだね(笑)。僕はあまりそういう意識はなかったんだけど、単純に各メンバーの書くものがすごくいいなってずっと思ってた。「一番歌」とか「四方戦風」の旦那のバースとか特にいいんだよね。昔に比べると旦那はキャラ変したとか思われてますけど(笑)、でもやっぱ変わらず不良なんですよ。そういう部分が僕はすごく好きだし、頼もしいなって。まあ、たまに奇想天外なことをする人でもあるんだけど(笑)。

RED RICE あはははは(笑)。

SHOCK EYE あとはHAN-KUNの歌唱ね。コーラスの編成の仕方も含めて、やっぱすげえ頼もしいなって思った。ほんとに1人ひとりが湘南乃風じゃないと出せない個性を持ってるから、当たり前に感動しちゃうんですよ。「キタキタキタ!」って。その喜びも今回の制作ではめっちゃ感じたなあ。

──いい関係の4人ですよね。各自が湘南乃風を愛し、お互いを認め合ってるからこそ、本気でぶつかり合えるところもあるという。

SHOCK EYE そうですね。仕事となるとみんなの意見がぶつかり合うシーンは増えるんだけど、打ち上げとか酒の席になればめちゃめちゃ仲よく飲めるし。すごく不思議な関係の4人ではあるけど、まあそれが湘南乃風なのかなって最近は思いますね。

初っ端で泣いちゃうかもしれない

RED RICE

──最高のアルバムが完成したわけですから、ライブも期待したいですよね(インタビュー後、全国ツアー「風伝説 TOUR 2020 四方戦風 ~ぶっ飛べ クソアツい 粋な祭り 頂け一番~」の延期が決定)。

RED RICE 今回のアルバムはライブをイメージして作った曲がほんとに多いので、ライブをしないと完成した気がしないというか。手応えのある曲ばかりなので、ライブはめっちゃやりたいです。

SHOCK EYE 「Summers」とか、ライブでやったら絶対盛り上がるだろうしね。

RED RICE うん。早くみんなにありがとうを伝えたいし。

──ファンがいてくれたからこそ再始動したわけですもんね。

SHOCK EYE はい。僕らの生き方を含めて理解してくれるファンの方々がいる限り、カッコつけてる僕らも、カッコ悪い僕らもしっかり見せ続けていきたいです。僕らのライブってほかのグループに比べると熱いMCも多いし、ステージ上で泣く回数も多いんですよ。それが僕らだから、もうしょうがないっていうか(笑)。やっぱ感動できないライブじゃ満足できないんですよ。声が枯れてピッチが悪くなったとしても、感動できることが何より大事。それが大切な思い出になっていくから。前回、15周年のライブのときはREDも泣いたもんね? 案外、珍しいんですけど。

RED RICE そうだね(笑)。あのときは、ツアー後の予定が何も決まってない状況だったから、「ああ、これで最後かもな」という思いもあったから。「みんなの前でライブできることが当たり前じゃねえ」という気持ちが自分の中に大きく響いてたし、「15周年、終わってほしくねえな」って気持ちもあったから、最終的に泣いちゃったっていう。

SHOCK EYE そっか。そういう気持ちだったのか。

RED RICE うん。悔しさとか、いろんな感情が入り混じってた。ただ、その後の2年間をしっかり乗り越えられたし、今こうやって最高のアルバムを作ることができたわけだから、自分のマインドはいい方向に向いていると思う。だからライブは楽しみしかないんだけど、もしかすると今度は再始動できたことへの思いが強すぎて、初っ端で泣いちゃうかもしれないな(笑)。

SHOCK EYE あははは(笑)。まあでも、ライブは絶対やるので、みんなに会えるのを楽しみにしています。

左からRED RICE、SHOCK EYE。