Shohei Takagi Parallela Botanica|cero髙城晶平が初のソロ作品で突き詰めたローファイ的感覚

Message to Shohei Takagi Parallela Botanica

折坂悠太
折坂悠太

子供の頃、就寝前。
絶対安全浮遊物体に乗っていると想像するのが習慣だった。
退屈な布団の上が途端に日常から浮上し、静けさに包まれる。
近隣、近郊、行きたくない学校、雲の下。僕は守られる。
パラボタの音楽は、あの時通り過ぎて行った地上のネオン。
絶対安全浮遊物体にあしらわれた黄金。
大人になったしわかる。それは海まで行ったんだ。

profile
1989年鳥取県出身のシンガーソングライター。2013年にギターの弾き語りでライブ活動を開始する。2014年に自主製作のミニアルバム「あけぼの」を発表。2016年に1stアルバム「たむけ」をリリースした。2019年7月クールのフジテレビ系ドラマ「監察医 朝顔」主題歌に書き下ろし楽曲「朝顔」を提供し話題を呼ぶ。2020年4月1日にシングル「トーチ」を配信リリース。
こだま
こだま

髙城晶平さんの生み出す世界は繊細で壮大だ。遠い国の文学作品に触れているような静かな気持ちになる。一篇、一冊と数えたくなるような世界観がそこにある。愛は男女のものに限らない。人と人、または自然や歴史をも含む、もっと奥深いものだと教えてくれる。都会的なのに、ずっと前から知っていたように懐かしい。空の色や湿度を感じる。「Triptych」は、そんな新しさと郷愁の入り混じる作品だった。髙城さんとの縁はceroのシングル「Orphans」。私の書いた私小説の「別の世界では兄妹だったのかもしれない」という一節をモチーフのひとつにしてくださった。これからも髙城さんは私たちを見たことのない「別の世界」へ連れ出してくれるに違いない。

profile
主婦。2014年に同人誌即売会「文学フリマ」に参加し、「なし水」に寄稿した短編「夫のちんぽが入らない」が話題を集める。2015年、同じく「文学フリマ」で領布したブログ本「塩で揉む」は異例の大行列を生んだ。2017年に初の著書「夫のちんぽが入らない」を上梓。2018年に発表したエッセイ集「ここは、おしまいの地」で第34回講談社エッセイ賞を受賞した。
中村佳穂
中村佳穂

湯気が立ち上がり、消えていく
それを終始みている人がいて
「音楽に変えてみた」
というなら「Triptych」になりそう。
一瞬ごとに変わりゆく形の
パース、パースを確実に捉えていく。
出来上がった頃に、もうそこに
同じ形は残っていなくとも
誰もが知っている一つの事実の塊になる。
本でも、音楽でも、そういう塊が街に沢山潜んでる。
とても繊細で、強く、丁寧で、綺麗な!
春にまたひとつそれがうまれて
聴かせてもらえた、嬉しいな、そんな気持ちです。
発売おめでとうございます。

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1992年、京都府出身のシンガーソングライター。20歳の頃から本格的な音楽活動をスタートさせ、2018年11月にリリースしたアルバム「AINOU」で一躍脚光を浴びる。2019年12月には東京・新木場STUDIO COASTでのワンマンライブ「うたのげんざいち 2019」を成功させた。ソロ、デュオ、バンド、さまざまな形態で、その音楽性を拡張し続けている。
BIM
BIM

僕の本名も木の方の「高木」なのでお会いする前から勝手に親近を覚えてました。
今、Uber Eatsで頼んだハンバーガーを食べ終わって一曲目から聴かせていただいてます。
天気の良い、休みの日。狭いベランダで吸うタバコが昨日より美味しく感じます。
ありがとうございます。
今日はいい日になりそう。おめでとうございます!

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1993年生まれ。THE OTOGIBANASHI'S、CreativeDrugStoreの中心人物として活動する。グループとして2012年に「TOY BOX」、2015年に「BUSINESS CLASS」という2枚のアルバムをリリース。2017年に本格的にソロ活動をスタート。2018年7月、初のソロアルバム「The Beam」を発表した。2020年2月にミニアルバム「NOT BUSY」をリリース。7月には同タイトルのワンマンツアーを開催する。
細野晴臣
細野晴臣

プリオシーヌ 髙城晶平版を聞いて・・

30年も前の自分の曲が蘇り、起き忘れた物と出会った気持ちです。去年のライブでプリオシーヌをカバーされてましたね。自分では一度もライブで歌ったことがないので、その選曲に驚かされました。そしてこのレコーディング版を聞き、久しぶりにゾクゾクしました。生演奏が瑞々しいです。

※「PLEOCENE」はShohei Takagi Parallela Botanicaのアナログ7inchシングル「ミッドナイト・ランデヴー / PLEOCENE」に収録。

profile
1947年、東京都出身。エイプリル・フール、はっぴいえんどのメンバーを経て1973年にソロ活動開始。1978年に髙橋幸宏、坂本龍一とイエロー・マジック・オーケストラを結成し、1983年のYMO“散開”後も多岐にわたり活動した。2019年に音楽活動50周年を迎え、同年3月に1stソロアルバム「HOSONO HOUSE」を再構築したアルバム「HOCHONO HOUSE」を発表した。
山下敦弘
山下敦弘

バッキバキの4Kの映像じゃなく、粒子の荒いフィルムの映像
キラキラした快晴の海じゃなく、空と水平線の境目が曖昧なグレーな海
安定したチェーン店のハンバーガーじゃなく、誰かと食べるドライブインにある自販機のハンバーガー
綿密に計画した旅行ではなく、気付いたら辿り着いた場所、
その場所で汗ばんだ彼女が瓶のビールを片手にこのアルバムを聴きながら嬉しそうに体を揺らしている…。
何が言いたいかというと、最近忘れかけていた自分の好きな情感がこのアルバムには漂っていて、ポコポコといろんな情景が浮かび上がって来た。だから「Triptych」は今の自分にとって、とても必要なアルバムだと思った。素敵な音楽をありがとう。

profile
1976年、愛知県出身の映画監督。1999年に大阪芸術大学芸術学部の卒業制作として手がけた「どんてん生活」が高い評価を得る。2005年の「リンダ リンダ リンダ」がヒットし、2007年の「天然コケッコー」では報知映画賞最優秀監督賞を最年少で受賞。ほか代表作に「マイ・バック・ページ」「苦役列車」「もらとりあむタマ子」「味園ユニバース」など。近作に「ハード・コア」、最新作に野木亜紀子脚本の連続ドラマ「コタキ兄弟と四苦八苦」。
髙城晶平

Shohei Takagi Parallela Botanica ライブ情報

Shohei Takagi Parallela Botanica "Triptych" Release Party
  • 2020年4月17日(金) 大阪府 Shangri-La <出演者> Shohei Takagi Parallela Botanica / ゲスト:角銅真実
  • 2020年4月25日(土) 東京都 WWW X <出演者> Shohei Takagi Parallela Botanica / ゲスト:角銅真実

※本公演は新型コロナウイルス感染拡大防止のため日本政府より発表された自粛要請に従い延期となります。振替公演の日程、払い戻しに関しては後日正式に発表。


2020年4月10日更新