どんなジャンルも池田が歌えばポップスに

──「SHUFFLE!! E.P.」の話に戻りますが、「Juuuump!!」はロックンロールナンバーで、こちらもShiggy Jr.にとっては新しい感じの1曲かなと思います。

原田　歌謡ロックの「僕は雨のなか」、80'sディスコチューンの「誘惑のパーティー」が入ることが決まっていたので、違うジャンルの曲を入れたいなと思って作ったのが洋楽から影響を受けたロックンロールナンバーの「Juuuump!!」です。

森　僕は大得意のジャンルだったのでめちゃくちゃ楽しくレコーディングできました。この作品の中では“池田が歌えばShiggy Jr.のポップスだ”っていうのを証明している曲だなと思います。と言うか、池田が歌えばロックでも、ディスコでも、ファンクでも、全部がポップスになり得る。それがわかりやすく出た1曲になったと思います。

諸石　僕自身はハードロックの血が流れているので、「Juuuump!!」にはそういうエッセンスをうまく散りばめられたなと思っています。気付く人はついニヤリと笑ってしまうようなオマージュも入っていて。ドラムテックに三原（重夫）さんに入ってもらって「もっとキックをLed Zeppelinのジョン・ボーナムみたいにしようよ」とか話しながら音を作っていきました。ちゃんと“時代感”のあるドラムになってよかったです。こんなにいい環境でハードロックっぽいドラムを、ましてやシギーで録るとは思ってなかったし、バンドにとっても可能性を広げる1曲になったんじゃないかなと。

──「二人のストーリー」は原田さんと池田さんの掛け合いが印象的なナンバーです。音源としては「サンキュー」（2013年発売のミニアルバム「Shiggy Jr. is not a child.」収録）ぶりに原田さんのボーカルを聴くことができて感激しました。

原田　「SHUFFLE!! E.P.」の曲が出そろってきた中で、僕のストックの中から引っ張ってきた曲です。まさかこのタイミングで自分が歌うことになるとは……（笑）。

池田　「サンキュー」もある意味掛け合いではあるんですけど、こういう明確な形でAメロ、Bメロと順番に歌ってサビでハモるっていうのは今までなかったから面白かったです。掛け合うことで物語性を強く印象付けられるんだなって思いましたね。今後もシゲくんの歌に期待しています。

原田　まあ機会があれば……（笑）。

──最後に入っている「約束」は活動初期からあった曲なんですよね。この曲はなぜ今回収録することになったんでしょうか？

諸石　「約束」は俺がシギーに入るきっかけになった曲なんです。シギーのSoundCloudアカウントにこの曲が上がっているのを聴いてシギーに興味を持って、そしたらオファーがあって加入することになったっていう経緯があって。思い出の曲だし、ちゃんと音源化したいと思っていたんですけど、なかなか今までタイミングがなくて。

池田　リアレンジもしてるしね。

森　そうだね。一発録りで全員で録ったから人間味のあるあったかいアレンジになったよね。

──4人の始まりの歌を移籍第1弾の作品に入れることで、再出発することへの思いが込められているなと思いました。

原田　そういう意味合いで入れたのでそう思ってもらえたならうれしいです。

広い視野で捉えた“いい曲”を届けたい

──12月には東京・LIQUIDROOMで結成5周年を記念したワンマンライブ「High 5 Anniversary」を控えています。移籍タイミングかつ、5周年というバンドにとって節目のライブになるかと思いますがどんな内容になりそうですか？

池田　リリース後の大きなライブなので「SHUFFLE!! E.P.」の曲はもちろんやるつもりです。あと5周年ということもあるので最初の頃から応援してくれた方も来てくれると思うし、普段のライブではなかなかできない懐かしい曲もセットリストの中に盛り込もうと思っています。

──最後に聞きたいんですが、バンドの状況はいかがですか？

池田　すごく新鮮な気持ちで1つひとつに向き合えているし、リリースの期間が空いたことで改めてシギーがやりたい音楽に向き合うことができて、いい雰囲気です。いろんなジャンルを詰め合わせたポップスをやっていきたいというスタンスを表す「SHUFFLE!! E.P.」というタイトルの作品をこのタイミングで出せるのは本当にうれしい。いつどんなときに、どんな状況で、どんな音楽が好きな人が聴いてもフィットする作品ができたと満足しています。これからもそういったものを作っていきたいです。

原田　今後何をやるかはまだはっきりは見えていないけど、今までやってきたJ-POP的なものと、これから先のシギーの音楽との橋渡し的な作品を今作れてよかったです。これからはもっと国内の音楽も海外の音楽も全部ひっくるめて、もっと広い視野で捉えた“いい曲”を届けていきたいですね。

池田　うん。そしてもっともっとShiggy Jr.をみんなに知ってもらいたいという思いが全員の中にあるので、これからも一生懸命がんばります！