SHANK|「楽しそうだな」って思われていたい

「また来たい」と思ってもらえるライブを

──ライブハウスの大きさで気持ちは変わりますか?

松崎 こっち側としては特別視してないですね。やること変わんないし。

庵原 デカイからってバタバタしてもしょうがない感じするよね。

松崎 演奏面で気にしてるところは多少ありますけど、基本的には変わらないですね。

──お客さんとの距離感もまったく感じさせないですよね。今作でも「しゃべることがない」と言って「何かある人?」とお客さんの声を拾っていて。

庵原 長いセットのときは特に、本当にしゃべることないんですよね。正直。

──例えばMCをやらないという選択肢も……。

庵原 休憩したいっすもん。

松崎 昔のBRAHMANじゃないんだから!

庵原 俺らがそれやったら「どうしたの? 怒ってるの?」ってなりますよ。

──確かに(笑)。先ほどから「俺らがやっても」という発言が何度も飛び出しますが、皆さんの中でSHANKはどういうバンドなんですか?

庵原 普通の……愉快な3人組。もうすぐ30歳になるにしてはなかなかファニーなヤツらじゃないですか。

松崎 自分らのバンドがどういうバンドかって考えたこともなかった。

──じゃあ「こういうことは似合わない」という判断はどこから?

松崎兵太(G, Cho)

松崎 純粋に自分らが照れくさい。うーん……なんにも考えてないっていう、それだけなんじゃないですかね。言うことも考えてないし、「こうしないと」っていうのもないし。考えるってことをしないんですよ。

──でもセットリストは会場ごとに変えたりしてますよね?

庵原 やってて飽きないようにっていう理由が一番ですね。あとは観てる人にも飽きられないように。

松崎 「昨日と同じだな」って思われるのは癪なんで。

──それは自分たちが見てきたライブから学んだ?

庵原 そうなんかな。例えば同じバンドと3日連続でツアーを回ったときに、初日ライブ見て「カッコいいな」と思っても、2日目にセットリストも言いよる言葉もまったく一緒やったら「まったく一緒やなあ」ってなるじゃないですか。それを感じられたくないっていう。

松崎 また来たいと思ってもらいたいとは思ってますよ。だからまた来たときに、この間と一緒だったと思われたくはない。それだけは気にする。たまに「言いたいことは曲に全部込めたんで!」とか言うのにMCでめっちゃ長く曲の説明する人とかいるじゃないですか。それってわけわからん。込めきれてないんじゃない?って思うから。

庵原 自分が見ておかしいなと思うことはやらないように、言わないようにしてたら、もう下ネタしか言えなくなった(笑)。

松崎 そのほかに、そのときに言いたいことがあれば言う。それだけっすね。

庵原 みんな正直にやってるだけだと思うんですよ。ライブで言いたいことがある人もない人も。俺は言いたいことがないから「ない」って言ってるだけで。歌詞の内容も人に説教を垂れるようなものでもないし、「日常こんなことがありました」くらいのことなんで。特に説明することもないんですよねえ。そもそも人にどうのこうの言えるような人間でもないので。

松崎 興味あったら歌詞カード読んだりすると思うから、特にこっちから「歌詞を読め」とか言う必要もないかなと。そういう押し付けがましいことはあんまり好きじゃない。

庵原 読んで自分なりに解釈して楽しんでる人もいるだろうし、それでいいんじゃないですかね。

松崎 掘りたい人は言われんでも掘るだろうし。

“いつものSHANK”を捉えた映像作品

──今回の映像作品にはどこまでメンバーの意向が入ってるんですか?

庵原 僕が監督の眞山(広樹)さんと「こういう感じにしたい」という話を事前にして、あとは全部お任せしました。

──どういう感じにしたいと?

庵原 自然な感じでと。それだけっすね。

──確かに自然な姿が映っていました。中でも見どころはどこだと思います?

松崎 まだ観てないので……。

池本 俺も観てないです。

──じゃあ観てるのは庵原さんだけ?

SHANK

庵原 はい。だって3人が確認してたら大変ですよ。

──ドキュメンタリーも観てない?

松崎 観てないです。観ないほうが面白いかなと思って。あと「これ映されたくなかったな」っていう場面があったとしても、もうできてる段階だったらあきらめつくじゃないですか(笑)。撮られた映像の中に、なんとなくそういう映像あると思うから観ないでおこうと。

──では庵原さんの思う見どころを教えてください。

庵原 釣りのシーンじゃないですかね。あとは……フェリーかな。

松崎 フェリーはなんか俺……なんとなく想像つくわ(笑)。

池本 ライブじゃないんだ。

──ライブ映像のほうはどうですか?

庵原 ちゃんと観てないんですけど、ありのままだと思います。なんも修正してないし。

──フロアもたくさん写っているのが印象的でした。フロアも含めてSHANKのライブということなんだろうなと。

庵原 お! そうだと思います。

初めて行ったライブは

──ドキュメンタリーで松崎さんが「昔はお客さんがもっと自由にやってたと思う」ということをおっしゃっていたシーンも印象的でした。

松崎 そんなこと言ってましたか。

──そうか、観てないんですもんね。おっしゃってましたよ。そのほかに10年以上ライブハウスでライブをし続けてきて感じた変化はありますか?

松崎 THE NINTH APOLLOのTシャツ増えたなーくらい?

庵原 あんま酒飲まんよね、みんな。まあ未成年の人が増えたのかな。

松崎 あと飲酒運転に対して厳しくなったとかもあるんでしょうけどね。それと、みんなライブハウスに友達が多いですよね。SNSの影響ですかね。昔は全然知らんヤツとぶつかって「なんやこいつ」とかなってたのに、最近は初めて行くライブでも最初から友達がいるみたいな感じがします。

池本雄季(Dr, Cho)

池本 ライブの前にみんなで居酒屋で飲んでから来る人たちもいますもん。

──SHANKのお客さんの変化は?

松崎 昔より年齢層広くなったよね。

庵原 そうね。おっちゃん増えた。あとたまに「子供産まれました」って言われる。

松崎 そうやね。お客さん同士で結婚して子供産まれたとかたまにあるよね。

──ちなみに皆さんが初めて行ったライブはなんですか?

庵原 POTSHOTだったかな。

松崎 僕、175Rですね。で、その次に行ったライブがPOTSHOTで、将平と一緒に行きました。

池本 俺はそのあとにみんなで行った10-FEET。

──初めてのライブで、どんなことを思ったか覚えてますか?

松崎 テレビとかでライブの映像を観てたから……「本物だ」みたいな。

庵原 これか!みたいな感じだったよね。「人の上に人乗っとるわ」みたいな。

──そのあと皆さん、ライブに行くようになって。ダイブとかもするようになるんですよね?

庵原 してました、してました。

池本 3人共してました。

松崎 迷惑の極みだったと思いますよ。

庵原 退場になったりしてたよね。

松崎 なったなった。怒られてもやってましたね。

SHANK「Honesty Tour 2017」
2018年1月10日発売 / BAiTFiSH RECORDS
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SHANK「Honesty Tour 2017」DVD2枚組

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4536円 / CTBD-20084~5

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収録内容

Honesty Tour 2017 -Final Series- 2017.9.19@AKASAKA BLITZ

  1. Surface
  2. Mighty Clash
  3. Good Night Darling
  4. Life is...
  5. Cigar Store
  6. Hope
  7. Take Me Back
  8. Time is...
  9. Frustration
  10. Wall Ride
  11. Movie
  12. 620
  13. Departure
  14. Two sweet coffees a day
  15. Weather is Beautiful
  16. From tiny square room
  17. Keep on Walking
  18. Restart
  19. TOP WATER
  20. My sweet universe
  21. Love and Hate
  22. It's not a game
  23. Set the fire
  24. Honesty
  25. submarine
  26. Long for the Blue moon
  27. Lamp
  28. BASIC
  29. Stop the crap

Honesty Tour 2017 Documentary Film

Music Video

  • Hope
  • First Light Anthem
  • Honesty
  • Mighty Clash
  • Life is...

ライブ情報

The Heavy Clash
  • 2018年1月13日(土)大阪府 なんばHatch
  • 2018年1月16日(火)東京都 新木場STUDIO COAST
SHANK(シャンク)
SHANK
長崎在住の庵原将平(Vo, B)、松崎兵太(G, Cho)、池本雄季(Dr, Cho)からなるスリーピースバンド。スカの要素を多く取り入れたメロディックパンクサウンドで人気を集めている。2014年には「FUJI ROCK FESTIVAL '14」「COUNTDOWN JAPAN 14/15」など大型フェスティバルに出演。その名をさらに広めた。2015年、それまで所属していたインディーズレーベル・THE NINTH APOLLOから離れ、エイベックス内に自主レーベル・BAiTFiSH RECORDSを設立する。9月には同レーベルより3rdミニアルバム「SHANK OF THE MORNING」、DVD「11 YEARS IN THE LIVE HOUSE」を同時リリース。10月には自主企画イベント「BLAZE UP NAGASAKI 2015」を長崎・長崎市神の島公園特設ステージにて開催した。2017年1月に4thフルアルバム「Honesty」をリリース。2月から45公演におよぶレコ発ツアーを実施した。同ツアーの東京・赤坂BLITZ公演の模様を収めた映像作品「Honesty Tour 2017」を2018年1月に発売。発売後に大阪・なんばHatchと東京・新木場STUDIO COASTでワンマンライブを実施する。