マジシャンになって、気になる女性にアプローチ
──ここからは作品のことについてお話を聞かせてください。まず前作「悩めるヒーロー」はTBS系アニメ「トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド 機動救急警察」のエンディングテーマとして使用されましたが、ファン層は広がりましたか?
タイキ 家族連れの方が増えたよね。この間のイベントでも「『悩めるヒーロー』を聴きに来ました」っていうご家族がいらっしゃって。
シュート うれしかったよね。
諭吉 僕たちの中で、1つの目標だったんです。アニメに携わることが。
タイキ ヒーローもののアニメに、まさか元女子の僕たちが歌うテーマソングが使われるなんて夢にも思わなかったと言うか。
諭吉 「え、朝からいいんですか?」ってね(笑)。
タイキ そう。僕らはどうしてもそこまで考えちゃうんですけど……でも聴き手はそんなこと関係なしに入って来てくれたから。うれしかったよね。
諭吉 “IKENIEキッズ”ちゃんが増えたし、それにも増してママのほうが熱狂的に応援してくれたりもして。だからいつも言っちゃうんです。「お母さんのほうがハマってくれてたりしてー!」って(笑)。
一同 あはははは!(笑)
──「TRANS MAGICIAN」はそんな前作から約半年ぶりに発表になるシングルですが、がらりと趣が変わりましたね。ミステリアスな曲調で。
タイキ そうですね。だいぶ違います(笑)。
シュート 「TRANS MAGICIAN」はマジックと恋愛をかけた曲で。僕らがマジシャンになって、気になる女性にアプローチするっていう内容なんです。
タイキ 「TRANS MAGICIAN」と言うタイトル通り、僕らにしかできないアプローチの仕方をテーマにしてるよね。
──それは具体的に言うと、どんなアプローチ方法なんですか?
タイキ 具体的にですか? ええ、みんなどんな技使うの?(笑) こんな話、メンバー内ではしないじゃん!
諭吉 好きな子を喜ばせたいがために、その子が好きなものを盛りだくさんにあげたりしないの?
シュート 俺はカッコつけるよ、やっぱり。欲しいものを手に入れるためにはカッコつける。
諭吉 じゃあ例えばシュート様はハトが嫌いだけど、女の子に「フランス料理のハトが食べたい」って言われたら食べるの?
シュート ええと……。
諭吉 なんで悩むのよ!(笑)
タイキ でも、シュート様は我慢すると思う。
シュート うん、するかな。食べる。
諭吉 あなたはそうよね。ハトレースだって行くよね。
シュート 誰かのために何かをすることが苦じゃないんです。
諭吉 でもそれは僕らに対してもそうだよね。
タイキ ドーナツ作ってきてくれたりするんですよ。
諭吉 でもあれは喉詰まるかと思ったー!
シュート ねえ、完全なプライベートの話はしないで!(笑)
諭吉 話を戻すと(笑)、僕たちはIKENIEちゃんに対して「こうしたら喜んでくれるんじゃないか」ってことを常に考えながら活動しているので、この曲ってIKENIEちゃんに向けて歌う歌でもあるんですよ。
ボックスステップ踏むんですよ?
──曲の中で気に入っているポイントはありますか?
諭吉 ミステリアスな感じで始まるのに、サビになると曲調にも歌詞にも“お花畑感”が出ちゃうところが最高に好きです。「お前は恋に恋してるんだよ」っていう、この曲の主人公のバカさ加減を表現していると言うか。
タイキ わかるー。
シュート Aメロ、Bメロ、サビと、曲のテイストがすごく変わるから歌っていると気持ちが忙しいんです。サビでは明るく転換して「俺はバカだなあ、アハハ!」って感じの表現になる。その切り替えはすごく気持ちいいから、僕も曲調がコロコロ変化するところはすごく好きですね。
タイキ 2サビではボックスステップ踏むんですよ? すごいよね、あれ(笑)。
諭吉 ホント、バカだよねー。
──曲が進むごとに主人公のダメ男っぷりが露呈していきますよね。
シュート 勘違い野郎なんですよ。全体的にはSぶってるのに、「帰る!」っていうセリフパートでフラれたあとに「ここまで来て帰っちゃうの?」って急にM感が出るところとかもそう。
諭吉 「お願い!帰らないで!」ってね。
シュート でもなんか、かわいいよね。
え、電気消した?
──ストーリー性があって面白い曲ですが、表現するうえで気を付けていることは?
諭吉 やっぱり切り替えだよね。
シュート そうだね。
タイキ 顔の作り方、声色、振付……目まぐるしく変わっていくので。
シュート あと個人的には「あぁ… あぁ…」と言う吐息のパートはすごい気合い入れてます。
諭吉 そこね! レコーディングでシュート様が歌っているの聴いて、「これ、まだいけんな?」って思って。「いつものやつお願いしまーす」って注文したんです。そうしたら2回目のテイクでバッチリの吐息が出ました。
──諭吉さんの指導があったんですね(笑)。
シュート イメージとしては、普段はあまり聞かないような吐息というか……。
諭吉 え、電気消した?
シュート 電気!? そうだね、消したかも(笑)。暗い部屋をイメージして、どれだけセクシーな声を出せるかを意識して出した渾身の声なので。
──なるほど、それは聴きどころですね。ではダンスについてはどうですか? イントロなんかは、かなり細かい振りが付いている印象でした。
タイキ ダンスはホントに……はい、大変でした。
諭吉 さっき「泣かない」って言ったけど、振り入れ中は心の中で泣いてました! 初めての先生で、いつもと違う動きだったりがすごく難しくて。だけどそろったら絶対カッコいいから「そろえる!」って、その思いでなんとかやりきったという感じです。
タイキ 身体の軸から開くような動作が多いんですけど、この動作って自分を等身大よりも大きく見せてくれるんです。これも“マジック”の1つなんですよね。だから気持ちも大きくなるというか、踊っていて気持ちがいいですね。
諭吉 練習するときはいつもタイキちゃんが僕らを引っ張ってニュアンスや細かいところを注意してくれるから、僕もなんとか付いていけてます!
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私が何発か叩いてあげたらよかった
- SECRET GUYZ「TRANS MAGICIAN」
- 2017年11月8日発売 / SDR
-
FUSION盤 [CD]
1000円 / ZXRC-1123 -
SMILE盤 [CD]
1000円 / ZXRC-1124 -
LET'S GO盤 [CD]
1000円 / ZXRC-1125
- FUSION盤収録曲
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- TRANS MAGICIAN
- ∞~My future~
- SMILE盤収録曲
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- TRANS MAGICIAN
- 吠えろ!E☆O!
- LET'S GO盤収録曲
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- TRANS MAGICIAN
- 壱・弐・秘密的男人体操(イーアールシークレットタイソウ)
SECRET GUYZ presents ONEMAN LIVE 2017「TRANS MAGIC SHOW」
- 2017年11月19日(日)東京都 東京キネマ倶楽部
- 2017年11月23日(木・祝)兵庫県 クラブ月世界
- SECRET GUYZ(シークレットガイズ)
- LGBTの理解をもっと世間に広めるべく“新時代アイドル”として活動中の、FtM(元女性)の3人からなるトランスジェンダーグループ。吉原シュート(裸の王子様担当)、池田タイキ(やんちゃ担当)、諭吉(キャワイイ担当)の3人で構成されている。2013年にシングル「HUG×HUG」でデビュー。2014年に2ndシングル「My Monster Lovely」を発表する。2017年5月に初の東名阪ファンミーティングツアーを開催。同じく5月にTBS系アニメ「トミカハイパーレスキュー ドライブヘッド 機動救急警察」のエンディングテーマを表題曲とする7thシングル「悩めるヒーロー」をリリースした。11月には8枚目のシングル「TRANS MAGICIAN」を発表。同じく11月に東阪でワンマンライブ「SECRET GUYZ presents ONEMAN LIVE 2017『TRANS MAGIC SHOW』」を実施する。