SANDAL TELEPHONE特集|2ndミニアルバムを紐解くメンバーインタビュー+作家陣コメント

SANDAL TELEPHONEの2ndミニアルバム「SHUTDOWN→REBOOT」が2月20日にリリースされる。

“フューチャー×ノスタルジック”をコンセプトに、ダンサブルなポップナンバーを武器に活動するSANDAL TELEPHONEだが、2023年はフィジカル作品の発表はせず、配信でリリースを重ねてきた。そんな中、満を持して発売される「SHUTDOWN→REBOOT」には昨年リリースされた既発曲に加え、ちばけんいちが書き下ろしたダンサブルなタイトル曲「SHUTDOWN→REBOOT」、古川貴浩が作詞および作編曲を手がけたマイナーキーのアッパーチューン「Allegro」、電気グルーヴ「Shangri-La」のカバーが収録される。音楽ナタリーではメンバー3人のインタビューを通して、ミニアルバムの聴きどころと現在のグループのモードに迫った。なお、特集の後半には作家陣による楽曲解説も掲載している。

取材・文 / 近藤隼人撮影 / はぎひさこ

ようやく見えてきたお互いのプライベート

──前回インタビューさせていただいたのが2022年の秋で(参照:SANDAL TELEPHONE「REFLEX」インタビュー)。それから1年以上間が空いたわけですが、この期間グループとしてどういう道を歩んでいたのか、その振り返りから話を聞かせてください。

夏芽ナツ 去年はCDをリリースしなかったんですけど、クラブセットのステージも含めてライブはかなりやって。ライブにおけるパフォーマンスのスキルが上がったと思います。

小町まい 大きな波はなかったけど、2024年に向けてライブを積み重ねた1年でした。

──クラブセットはSANDAL TELEPHONEのワンマンで定番になっていますね。ファンからの反響が大きいんでしょうか?

藤井エリカ はい。ダルフォンと言えばクラブセットというイメージが浸透してきていると思います。私たちもクラブセットのライブをやるのが好きなんです。ライブ映像を観ると、例えば「ワンダーランド」のときにお客さん全員がジャンプしていて。そういうライブができているのがすごいなって我ながら思いました。

──メンバーとしてもクラブセットのライブは、通常のステージやバンドセットのライブとは違う感覚がある?

夏芽 そうですね。レーザーの照明とか演出がクラブ仕様になるし、音がズンズン来る感じで音圧がいつもとは違うんですよ。ファンの人もノりやすいみたいで、決まった楽しみ方をしてないというか。踊ってる人もいれば、声を出してる人やペンライトを振ってる人もいる。みんなバラバラの楽しみ方をしてるのが好きですね。

──パフォーマンススキル以外の面で、グループ内に変化はありましたか?

夏芽 メンバーの距離感に変化があったと思います。ライブが増えた分、MCや煽りについてメンバーと話し合うようになって。ライブでのグループ内のコミュニケーション、役割分担が上手にできるようになりました。

藤井 こういうインタビューとかも前よりも雰囲気がよくなりました(笑)。前は本当にガチガチで話すのが苦手だったんですけど、ライブでMCの経験を積んだことで緊張しなくなりました。

──前回のインタビューでは「前はロボットだったけど、人間味があるグループになった」と話していました。

夏芽 さらに人間らしくなりました(笑)。前回インタビューしていただいたときは、グループ内に緊張感みたいなものがまだあって。メンバー同士でぶつかることも、お互いに遠慮したり気を使ったりすることもあったんです。2023年はメンバーみんなのプライドがいい意味でなくなった1年だったと思います。本音で話をするようになって、自分自身の人間味が表に出てきたと同時に「あ、こう思ってたんだな」とほかのメンバーの人間味を感じ始めました。

夏芽ナツ

夏芽ナツ

夏芽ナツ

夏芽ナツ

小町 以前は3人で遊ぶことも全然なかったんですけど、最近は一緒に遊びに行くようになって、お互いのことをいろいろと知りました(笑)。アイドル活動と全然関係ないような話もいっぱいして。

夏芽 お互いのプライベートが見えた(笑)。

藤井 それまでなんにも知らなかったよね。

──ようやくビジネスの関係性じゃなくなったと(笑)。以前はプライベートで一緒に遊びに行くことはまったくなかったんですか?

夏芽 休みの日に集まるなんてありえなかったです。ライブで遠征してもホテルの部屋にそれぞれこもってました(笑)。今はLINEで「コンビニ行かない?」とか「どっか食べに行かない?」って連絡を取り合うんですけど。

夏芽 ライブ終わりに一緒にごはんに行くようになったし、映画もみんなで観に行きました。

藤井 3人でユニバ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)にも行ったんです。大阪のライブのあとに、自分たちでホテルを取って連泊して。

夏芽 ディズニーにも行きました!

小町 かわいいうちら(笑)。

小町まい

小町まい

小町まい

小町まい

──こういう話って結成2年目くらいのグループからよく聞くイメージがありますが(笑)、ダルフォンは今年で結成5周年を迎えるわけで、かなりのスローペースで絆を深めてきたんですね。

夏芽 ようやく(笑)。まいちゃんは意外と弱い部分があったり、寂しがり屋だったりして、「あ、私たちと遊びたいんだ」と感じることがあります(笑)。一匹狼みたいな感じで1人でいるのが好きなんだろうなと思ってたけど、私が発言したことを一言一句覚えてたり、いい意味で妹感みたいなものが見えてきてかわいいです。エリカは逆で、「エリもうできない~」とか言ってることが多かったんですけど、ちゃんと自分の考えを持っていることがわかってきました。

藤井 でも、ナツのイメージは変わらないよね。

小町 考え方がポジティブで、自分とは正反対です。

藤井 自分が悩んでることを相談すると、全然違う考えの言葉が返ってきて「あ、そう考えればいいんだな」って楽になります。

夏芽 ポジティブというより楽観的なんだと思います。物事を重く捉えない。だから、2人の話を聞いてると「え、そんなに考えて悩むことなの!?」とびっくりすることが多いです。

藤井 まいちゃんと私は逆に物事を重く捉えちゃうタイプなんです。

──それぞれ性格に違いがある中、お互いに悩みを相談できるようになったのはグループとして大きいですね。

夏芽 いろいろと弱音も吐けるようになりました。今まではみんな嫌なことを胸にしまって、家に持って帰ってたんですよ。それを表に出せるようになったのは大きいですね。去年は活動が慌ただしくなかったから、心に余裕が生まれたのかもしれません。

ダルフォンの新たなイメージ

──2023年は健康的なペースで活動を重ねたようですが、そんな中でも新規のファンがライブに来たり、グループが外に広がっていることを感じる場面もありました?

夏芽 そうですね。新曲はコンスタントに出していましたし、新たな方向性の楽曲に挑戦してきたので、SANDAL TELEPHONEに興味を持ってくれる人が増えた実感はあります。これまでは歌謡曲チックな要素に惹かれてファンになってくれることが多かったんですけど、今の流行りの曲を好む人にも届くようになったのかなって。それこそクラブセットのライブをやるようになって、スタイリッシュなグループというイメージが広がったと思います。衣装も前はかわいらしい感じでしたし。

──かなり大人びたグループになりましたよね。

夏芽 見た目から入りました(笑)。衣装が変わったことで大人っぽくてカッコいい表現を意識するようになりましたし、ファンの方から「大人っぽいね!」「セクシーだね」と言われることも増えました。前はそう言われることに戸惑いもあったんですけど(笑)。

小町 まだ若いのに!って(笑)。そういう年齢になったことを自覚しました。

藤井 ほかのアイドルさんにも同じようなことをよく言われるんですよね。お姉さん扱いというか。

藤井エリカ

藤井エリカ

藤井エリカ

藤井エリカ

──ダルフォンは、ほかのグループとの横のつながりは多いんですか?

藤井 岐阜のイベントに出たとき、出演者のアイドルみんなでごはんに行ったらすごく楽しくて。そこでいろんなアイドルさんとしゃべって、対バンで一緒になるたびに話すようになりました。

夏芽 それ以外にも、去年はほかのアイドルさんとごはんに行く機会がちょいちょいありました。

藤井 でも、「SANDAL TELEPHONEは話しかけづらい」ってほかのアイドルさんからよく言われるんです。

小町 「怖い」ってね(笑)。

夏芽 3人で固まってるからそう思われるのかもしれないけど、全然ウェルカムです!