RYUCHELL「SUPER CANDY BOY」 PR

RYUCHELL|男の子でも女の子でもない僕の1stアルバム

RYUCHELLが4月10日にデビューアルバム「SUPER CANDY BOY」をリリースした。

「Hands up!! If you're Awesome」「Link」「Diversity Guys!」「今すぐKiss Me」と、これまでに配信のみで楽曲を発表してきたRYUCHELL。彼にとって念願のCDパッケージとなる1stアルバムでは、性別にとらわれないRYUCHELLならではの世界観が表現されている。収録曲は全7曲で、配信リリースされた4曲のほか、ライブを意識して制作された表題曲、自身初のラブソング「You are my Love」、岡嶋かな多と歌詞を共作した「Beautiful Dreamer」の新曲3曲がラインナップされた。

音楽ナタリーでは、アーティストとしての存在感を確立するRYUCHELLにインタビューを実施。アルバムの制作秘話はもちろん、自身の支えとなっている愛する妻・ぺこや長男・リンクへの思い、音楽のルーツについて語ってもらった。

取材・文 / 秦野邦彦 撮影 / 前田立

アーティスト“RYUCHELL”の名刺ができた!

──デビュー曲「Hands up!! If you're Awesome」から1年2カ月、初のCDアルバム「SUPER CANDY BOY」が発売されました。アルバムのリリースはRYUCHELLさんにとって1つの夢でもあったのではないでしょうか。

RYUCHELL

そうなんです! いつか出せたらいいなと思っていましたし、今までの楽曲はすべて配信だったので、今回初めて手に取れるものになってとてもうれしいです。この1年で4曲も出させてもらったことがしっかりと経験になって、こういう曲があるから新曲はこんな感じにしたいとか、バランスを見ながらアルバムを完成することができて、僕の名刺がようやくできた! みたいな。このアルバムには「自分の色を大切に」や「ダイバーシティのある世界に」という僕のメッセージが込められていて、聴いていただいた人がキラキラ輝けるような作品に仕上がったんじゃないかなと思います。

──昨年10月には「Yasutaka Nakata presents OTONOKO[オトノコ]2018」で大規模な音楽フェスも初体験されて。たくさんのお客さんの前で歌われていかがでしたか?

ライブに関しては、ただの発表会になっちゃった感じがすごくしていて。それまで自分の世界観を伝えるために服やメイクを意識してたんけど、ライブでみんなと一緒に楽しむっていうのは全然考えてなかったんですね。誰に何を言われたわけでもないんですけど、観ている人がRYUCHELLってバラエティのイメージだったけど歌って踊るんだ、だけで終わっちゃった感じがして。みんなと一緒に楽しむことが全然できなかったので、ライブのための曲を作らなきゃと思いました。これを流せば一瞬で僕の雰囲気に変えられるようなノリのいい曲。それが今回のアルバム1曲目の「SUPER CANDY BOY」なんです。ライブで普段会えない皆さんに会いに行くのは自分の中でもずっと続けていきたいことだから、この曲でみんなと盛り上がりたいなって。

──アーティストとしての意識がまた一段階上がったんですね。

そうですね。それこそ「Hands up!! If you're Awesome」を出したときは、自分が伝えたいメッセージや世界観にこだわりすぎてサブカルっぽく思われて、みんなが入りにくいジャンルだったのかもしれないなと、あとから気付いたんです。そこから「Link」では大好きなニュージャックスイングの世界観と嘘偽りない自分の気持ち、「Diversity Guys!」ではメッセージと楽曲のバランスが感覚的につかめて、アーティストとしてのRYUCHELL像がどんどん見えてきました。そうした中でのアルバム作りだったので、とても順調にできたかなと思います。

──今年2月に配信リリースされた「今すぐKiss Me」は初めてのカバーでした。1990年にリリースされたLINDBERGの大ヒット曲で、当時高視聴率となったフジテレビ系月9ドラマ「世界で一番君が好き!」主題歌でもありました。

僕が生まれる前の曲ですね。「今すぐKiss Me」だけじゃなくLINDBERGさんの曲は、以前からぺこりんとカラオケでよく歌ってたんです。1980~1990年代の音楽が大好きで、当時皆さんから愛された曲をいつか歌うことができたらなと思っていたことが、こうして現実になって。しかもTikTokともコラボできて、僕バージョンではあるんですけれども、今の若い子にもこの曲を知ってもらえてとてもうれしいです。

ハッピーになれる“ザ・RYUCHELL”な曲

──「今すぐKiss Me」の発表時点でアルバムの制作も始まっていたんですか?

RYUCHELL

始まってました。そこからアルバム用の新曲として「SUPER CANDY BOY」と「Beautiful Dreamer」、ミュージックビデオを撮影した「You are my Love」の3曲をレコーディングしました。

──では、その新曲について聞かせてください。まずは先ほどお話にも上がった1曲目「SUPER CANDY BOY」から。

「SUPER CANDY BOY」はライブのときに盛り上がる素敵な曲が欲しいと思ってヒャダインさんにお願いしたんですけど、どストライクな曲が完成しちゃって! ユーロビートの要素もバンバンに入れつつ、ちょっとニュージャックな感じだったり。1990年代の要素をめちゃくちゃ取り入れた、とってもかわいい曲になりました。これを流せば一瞬でその場所がハッピーになれる“ザ・RYUCHELL”な曲。これはずっと歌い続けていきたいと思います。

──タイトルは“ CANDY(女の子っぽいもの)”と“BOY(男の子っぽいもの)”という2つの単語を組み合わせて、性別にとらわれないRYUCHELさんならではの世界観を表現したそうですね。

男の子でも女の子でもない僕は“CANDY BOY”なのって言えるくらい、何にも属さずに自分で好きなジャンルを作っちゃっていいんだよ、という思いから制作しました。それをずっと言い続けたら当たり前になってくると思うんですね。例えば、桃太郎という名前。昔話としてあるから自然に入ってくるけど、もし昔話がなかったら今の時代たぶん“キラキラネーム”って言われていたんじゃないかと思うんです。桃ってかわいらしくてハート型で女の子っぽいよねって。何事もずっと言い続けていたら当たり前になっていくと思うんです。

RYUCHELL
RYUCHELL

愛するぺこりん、リンクの存在

──そして「Beautiful Dreamer」。これはケンモチヒデフミ(水曜日のカンパネラ)さんとタッグを組んだ「Hands up!! If you're Awesome」と同様にユーロビート路線の曲ですね。

実は「Beautiful Dreamer」はそもそも「Hands up!! If you're Awesome」の次に出そうと思っていた曲なんです。長男のリンクが生まれたあと、スタッフさんがヒャダインさんを紹介してくれて、次は「Link」を出しましょうという話になって、「ええーっ!?」みたいな(笑)。以前もお話ししたと思うんですけど、子供のことを歌にするのはなんだか仕事に巻き込む気がして、最初すごく嫌だったんですね。でも、ヒャダインさんから届いた曲を聴いたとき、これなら僕たちの家族だけの話じゃなく、みんなも大切な人を思いながら聴けるような曲だから出す意味があるなと思いました。なので「Beautiful Dreamer」は今回ようやく皆さんにお届けできる曲なんです。歌詞にある通り、バービー人形で遊んでるだけでからかわれたり、みんなとちょっと違うことをしただけで変な人と決めつけられる世の中っておかしいよねというメッセージを込めて。

RYUCHELL

──「Beautiful Dreamer」の歌詞はRYUCHELLさん、岡嶋かな多さんによる共作、作曲は岡嶋さん、Carlos K.さんが手がけてます。

音楽活動を始めてから、いろんな人とご一緒させてもらうことができました。それまでは僕の中で好き嫌いがすごくはっきりしていたんですけど、こういうジャンルは嫌い、やりたくないと思っていたことでも好きになるかもしれないと思うようになって。いろんな自分を見せられると思うと、どんな出会いがあるかすごく興味があります。食わず嫌いはしないでおこうというのは「Link」のときに思ったんです。自分の中であまり決めつけず、決めすぎず、物事を柔軟に考えていこうって。これからもいろんな人といっぱいお仕事をしたいですね。特にヒャダインさんはめちゃくちゃ僕の好きな世界観をわかってくださるので、すごくいい人と巡り会えたなと思います。

──そして「You are my Love」もヒャダインさんの曲です。以前インタビューでいつかレゲエにも挑戦してみたいとおっしゃっていましたが、ついに夢が叶いましたね。

そうなんです。覚えていてくださってありがとうございます。初めてラブソングに挑戦したんですけど、僕の大好きなユーロビートとかニュージャックスイングではしっくり来なくて。柔らかく、かわいく、おしゃれで涼しい感じの曲調、レゲエでやりたいと思って。それも1980~1990年代のレゲエがすごく好きなので、手紙に書いてヒャダインさんにお渡ししたら完璧にわかってくださって、1回のやりとりで曲ができました。

──ヒャダインさんと楽曲を作るときは、毎回手紙をお渡ししてテーマを伝えているそうですね。今回は初のラブソングということでどういった思いを曲に込めましたか?

今までは「自分の色を大切に」「ダイバーシティのある世界に」というテーマを基盤に歌ってきたんですけど、どうしてこんなに自分を貫けるかっていうと、やっぱりぺこりん、リンクの存在が大きいです。居場所があること、愛する人がいて愛されることが幸せだってわかっているから誰に何を言われても怖くないと思えたので、大切な人の歌を歌いたいなって。それこそ、ぺこりんと出会うまでは恋愛について決めつけてた自分もいたんです。誰しも恋愛ってこうだ、女性、男性はこうあるべきだって決めつけてしまいがちだと思うんですけど、そういう自分の概念を、ぺこりんがすべて覆してくれて。こういう女性もいるんだ、こういう考え方もあるんだって。周りからのいろんな意見もあったけど、家族になろうと思ったし、家族になったあともいろんなことを言われたりもしたけど、ぺこりん、リンクさえいてくれればいいやって気持ちはしっかり残しておきたいと思ったので、その気持ちをヒャダインさんへの手紙に書いたんです。完成した曲も自分のことだけじゃなく、みんなが大切な人を思って聴ける曲になったので、出す意味があるなと思いました。

──居場所があることって大事ですね。

SNSでもそういう自分のメッセージを伝えるようにはしてるんですけど、歌にはパワーがあるじゃないですか。文章だけでは伝わらなくても、“ありがとう”とか“がんばって”っていうメッセージが歌だとまっすぐ伝わったり。だから愛する人への感謝の気持ちは歌でも残しておきたいなと改めて思いました。

──SNSでの発信を止めて、音楽だけで表現しようと思っていた時期もあったとおっしゃってましたね。

「Hands up!! If you're Awesome」を出した時期ですね。バラエティ番組の自分と、SNSの自分と、アーティストとして始まっていく自分。バラエティでのりゅうちぇるはたくさんの人に愛してもらえて、みんなが元気ないときに僕を見てハッピーになってもらえたらなと思っているから、これからもがんばりたいです。SNSでは多くの人と交流してきました。僕がタトゥーを入れたことを報告したとき、たくさんのリアクションをいただいて。そういうことも歌で表現するのかって言ったらなんか違うなと思ったんです。SNSは今説明しないといけないときに必要だな、改めて大事にしないといけないなと実感しました。仮に歌でもっともっと伝えていきたいことができたとしてもSNSは残そうというふうに、歌とSNSそれぞれで表現する意味をしっかり考えられるようになりました。

──RYUCHELLさんの意見に賛同されてる方もどんどん増えてらっしゃると思います。

そうなってくれたらうれしいです。