怖かった“意外性”が面白いと思える今
──REBECCAは1991年2月に解散し、その後NOKKOさんは長きにわたってソロでの表現を追求していくことになります。バンドとソロ、それぞれの活動を経て、何か気付いたことはありましたか?
バンドは自分1人で選んだ道じゃないところに進んでいけますよね。思わぬことが起こって「そうきたかあ」みたいになる意外性があって。昔は「なんでうまくいかないの?」という気持ちのほうが強かったんですけど、最近はそれが面白いんだって思えるようになったんです。
──思い通りにいかないのが人生だ、みたいな。
そうそう。そこにアジャストしていくことで、意外な発見があったり、今まで知らなかった自分を発見できたりするじゃないですか。昔はその意外性が怖かったし、「こんなの私じゃない」とか思ったりしてたけど、今は楽しめていますね。最近はバンド編成でパフォーマンスをするのが一番自然に感じられるんです。長い間歌ってきて、とうとうソロでやりたい表現、バンドでやりたい表現が交わった気がしました。これからはもっとその部分を追求していきたいです。
あの頃のNOKKOに伝えたいこと
──REBECCAは2015年に再結成し、2017年には当時としては28年ぶりとなる全国ツアーを成功させましたが、今後もREBECCAとしての活動はありそうですか?
うん、またやりたいですね。新しい曲も作りたいので、メンバーを誘ってます。
──解散や再結成ではなく、やりたくなったときにほかのメンバーの都合さえ合えば、いつでもやろうと。
ずっと解散してたバンドがようやく再結成したのに、また解散するのも変ですからね。どれくらいお客さんに必要とされているのかわからないけど、「好きにやっていいよ」というチケットをもらうことはできたと感じているので。
──楽しんでやれればいいな、ということですね。
そうそう。
──この東京ドーム公演の映像には、若い人にも届けられるメッセージが込められていると思います。例えばMCで、NOKKOさんが「早くしないとー!」「やりたいことが多すぎるー!」と叫んでいたシーンがありましたね。あの発言は当時のNOKKOさんが自分に向かって言っている本心でありながら、この映像を観た人に向けたメッセージにもなりうる言葉なんじゃないかと。つまり、今やりたいことがあるならすぐにやったほうがいい、早く行動に移さないと間に合わなくなってしまうよっていう。
うんうん。特に若い人はやりたいと思ったことは思い切って挑戦したほうがいいし、たくさん迷うことも大事。「とにかく思うようにやったほうが面白いよ」ということは伝えたいですね。
──現在のNOKKOさんが30年前のご自身に会えたとしたら、どんなことを話したいですか?
「大丈夫だよ」「葛藤が多いと思うけど、信じていれば大丈夫だから」と言ってあげたいですね。あとは「無理してしゃべらなくてもいいよ」とか。当時はしゃべるのがうまくないのにがんばってましたね。苦手なインタビューでも無理していたから、「いいこと言おうとしなくていいんだよ」と教えてあげたいです(笑)。