ナタリー PowerPush - Rayflower
実力派集結のスーパーバンド 3年半ぶりに放つ会心作
都啓一(Key / SOPHIA)、Sakura(Dr / ZIGZO)、IKUO(B / BULL ZEICHEN 88)、YUKI(G / DUSTAR-3)、田澤孝介(Vo)という名うてのミュージシャンが集結したスーパーバンド、Rayflower。2010年5月のデビュー以来、シングル2枚とミニアルバム1枚をリリースしてきた彼らが、実に3年5カ月ぶりとなる新作「Narcissus」を完成させた。
メンバー個別の活動が活発であるがゆえに全員揃うことがまれなRayflowerだが、今回ナタリーでは都、IKUO、田澤の3人へのコンタクトに成功。ひさしぶりの新作について、そしてその制作の中で芽生えたという“バンド感”について熱い思いを語ってもらった。
取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 小坂茂雄
スケジュールを押さえちゃえばこっちのもん
──Rayflowerとして約3年5カ月ぶりのリリースとなるわけですが、このタイミングで始動したきっかけは何かあったんですか?
都啓一(Key) きっかけかあ(笑)。難しいな。Rayflowerをやりたいっていう思いはずっとあったんですよ。ただ、5人一緒に会うことがなかなか実現できなくて。
IKUO(B) メンバー個々に会うことはあっても、全員揃うことはなかなかないっていう。
田澤孝介(Vo) だから言い方としては、3年半ぶりに動き出そうってことではなく、前回のリリース後すぐに「次またやりたいね」って言ってたのが実現するのに3年半かかったっていうのが近いんじゃないかな。
──それぞれが個別の活動をしている5人が集まっているところがこのバンドの面白さではありますが、それゆえのもどかしさもあるわけですね。
IKUO それはホントにありますね、うん。
都 まあでも逆に言うと、スケジュールを押さえちゃえばこっちのもんかなっていうのもあったりとかして(笑)。
田澤 こっちのもんって。バンドなのに(笑)。
都 あははは(笑)。今回はライブをやりたいねっていうところから話が始まっていて、じゃそのために音源を作ろうってことになったんです。だから、動き出したきっかけとしては、それぞれのスケジュールを見ながら、まずはこのへんでライブスケジュールを入れちゃおうっていうところだったと思います。
IKUO で、それに合わせて制作をしていったと。
──楽曲制作はどんな手順で進められるんですか?
IKUO わりとしっかりアレンジメントされているデモをそれぞれが持ち寄って、そこから演奏するにあたってリアレンジしていく感じですね。前回に引き続き、今回もそういう作り方でした。
「うわ、すごくバンドっぽい!」
──今回の制作に関して、Rayflowerとして鳴らすべき音のイメージが3年半前よりも明確だった部分もありましたか?
IKUO ああ、それは前回よりも明確でしたね。やっぱりライブをやった経験がずいぶん影響しているんじゃないかな。2回だけですけど、ステージ上で一緒に音を出したことで見えたものがあったというか。それによって今回はこういう曲を作ろうっていうイメージが湧いたんですよね。
都 ライブをやるとそれぞれの得意なところがグッと見えてくるんですよ。だからそこは音源でもちゃんと見せたほうがいいんだろうなって。そういうことは前回よりも考えたところではありますね。それぞれをしっかりフィーチャーしていくと、バンドとしてのスキルも上がりますし。
──みなさん名うてのプレイヤーでもあるわけですからね。その持ち味がぶつかり合うことで生まれる化学反応は無限大ですよね。
IKUO うん。そういう面白さがありますよね、Rayflowerには。
都 今回はスケジュール的に「せーの」で録ることはできなかったんだけど、逆にそのことで各自のテクニックをじっくり見ることもできて。それがホントに面白かった。IKUOさんの演奏なんてね、「すごいなそれ、どうやってんねん?」みたいな感じだし(笑)。
IKUO 演奏でほかのメンバーを驚かせたいっていう気持ちはありますよね。そこはやっぱりレコーディングにお呼ばれする仕事とは少し感覚が違うというか。Rayflowerは自分のバンドですから。自分の曲はもちろん、都さんとかほかのメンバーが作った曲に関しても、より踏み込んだアレンジをしていくっていう。
田澤 それぞれが演奏を重ねていくと、デモとは印象がガラッと変わることも多いですからね。デモにはなかった疾走感、デモにはなかった景色がしっかり生まれるというか。だから最後に録る僕の歌もそれによって大きく変わったりもするんです。
都 うん、そうやね。
田澤 しかも今回はスケジュールがホントにタイトで、歌録りの1日前とかに歌詞を書かなきゃいけないことが多かったんですね。だからそれを逆手にとって、ほぼ完成してるオケを聴いて歌詞を書くことにしたんです。打ち込みで作られたデモを聴いて書くのではなく、みんなの演奏が入ったオケで書くっていう。
──そうすると選ばれるワードも違ってきましたか?
田澤 うん。出てくる歌詞はずいぶん変わっていったと思う。で、それに合わせて歌がまた変化していったりとか。デモの段階でイメージしていたのとは違うアプローチがハマることがホントに多かったですね、今回は。
都 田澤くんがほかの現場でどういう歌録りの仕方をしているかはわからないけど、今回はホントにバンドっぽい感じでしたよね、取り組み方が。
田澤 そうそう。そもそもバンドやからね、当たり前っちゃ当たり前なんですけど(笑)、でも今回のレコーディングでは「うわ、すごくバンドっぽい!」って思ったんですよね。
収録曲
- Border Line
- Make A Judgment
- Garbera
- NIGHT SHADE
- Words Of The Wise Man ~時の贈り物~
- libra【Rayflower ver.】
Rayflower(れいふらわー)
SOPHIAの都啓一(Key)、ZIGZOのSakura(Dr)、DUSTAR-3のYUKI(G)、BULL ZEICHEN 88のIKUO(B)、元Waiveの田澤孝介(Vo)の5人により、2010年春放送のテレビアニメ「裏切りは僕の名前を知っている」のオープニング&エンディングテーマのために結成されたバンド。2010年5月に1stシングル「裏切りのない世界まで / 蒼い糸」、同年8月に2ndシングル「イニシエ / 絆」を立て続けに発表し、同年9月には初のミニアルバム「Flower Language」をリリースした。2014年2月、およそ3年5カ月ぶりの新作となる2ndミニアルバム「Narcissus」を発表。3月には東名阪3都市を回るバンド初のライブツアー「Rayflower LIVE TOUR 2014」を行う。