できれば推したちには会いたくない
──西山さん自身も表舞台に立つ方なので、言ってしまえば“推し”と同じ土俵に立っていると思うのですが、お話を伺っているとしっかりとファン目線を持っていることが伝わってきました。
しっかりファンです(笑)。僕はできれば、推したちには会いたくないんですよ。なんというか同じ高さ?同じ標高?にいたくない。客席からステージを見上げているのが一番好きなんです。
──それこそナレーターを担当されている、ハロー!プロジェクトの研修生に密着するテレビ番組「ハロドリ。」は、距離感的にはちょうどいいですか?
最高ですね。実際に会うわけではなく、おこがましいですけど、彼女たちを番組のナレーションという形でサポートさせていただけて。幸せです。
──ナレーターを務めていると、実際にお会いする機会もありそうですけどね。
お断りします。
──え?
すみません、失礼な話なんですけど(笑)。ライブにご招待いただくこともあるんですが、「絶対に自分でチケットを買います」とお断りしていて。現地のチケットが取れなかったらライビュで観るので。
──ファンの鑑ですね。少し前にSNSを見ていたら「ステージでの西山さんの表情管理やリズムの取り方がハロプロに影響を受けている気がする」というようなことを書かれている方がいました。
それは……めちゃくちゃ恥ずかしいですね。
──西山さんは「B-PROJECT」の寺光唯月さん、「あんさんぶるスターズ!」の深海奏汰さん、「アイドリッシュセブン」の棗巳波さんなど、多くのアイドルを演じています。アイドルのキャラクターとしてステージに立つことも多いと思いますが、推しのアイドルから吸収したものを、自分自身がステージに立つ際に生かすことはありますか?
もしかしたらあるのかな……。ハロプロ研修生のダンスとパフォーマンスを指導しているみつばちまき先生と、ボーカルコーチの上野まり子先生という方がいるんですけど、「ハロドリ。」を通してこのお二人の指導を観ているので、僕も指導を受けているような感覚になるんです。ハロプロ研修生のつもりで歌詞の意味を考えてみようと思うこともありますし。カメラで抜かれたときにこんな表情をしてみたら、観てくれている誰かがグッときてくれるんじゃないかということは、確かに考えているかもしれないですね。
──けっこう前ですが、2019年7月に行われた「アイドリッシュセブン 2nd LIVE 『REUNION』」での、西山さんをはじめとしたŹOOĻのキャストの方々のパフォーマンスがすごく印象に残っていて。
うれしいです。
──アーティストのライブだと観客はほぼファンだと思いますが、「REUNION」ではŹOOĻを100%歓迎するムードではなくて。そこからŹOOĻがパフォーマンスの力で一気に盛り上げて、観客を魅了していくさまを観るのが、自分のこれまでの音楽体験としてなかなかないことでした。
まさにおっしゃってくださったように、ゲーム内でŹOOĻがほかのアイドルたちを陥れようとしているエピソードが公開されているタイミングで。リアルライブに出演する形だったので、「もしステージに立った瞬間にブーイングされたらどうしよう」と思いながらステージに立ちました。ŹOOĻのキャスト4人でライブ前にごはんを食べて、そのときに「ブーイングされてもやってやろうな」という熱い会話をして。でも本番では、来てくれた皆さんがキャラクター1人ひとりの名前を呼んでくださったんですよね。それに応えたいという気持ちがあったからこそ、4人で力を合わせてリハーサル以上のものが出せたんじゃないかなと思います。
ライブならではの空気感を味わうのが好き
──“推し活”とひと口に言っても、ライブに行ったり、グッズを集めたり、誕生日を祝ったりとさまざまな活動があると思いますが、西山さんはどんな“推し活”ライフを送っていますか?
現場に行けたら行くようにしています。最近行ったのはスクールゾーンさんというお笑い芸人の方のライブ。初めて生でスクールゾーンさんのお笑いを観ることができました。スクールゾーンさんは「ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ」とかに出ていて、「そこに注目するんだ!」という視点が面白くて。このときは最前で観ましたね。ライブならでは、生ならではの空気感を味わうのが好きです。
──スクールゾーンさんもまさか西山さんが最前で観ていると思ってなかったでしょうね。
ははは。すごくいい体験をしたなと思いますね。というのも、スクールゾーンさんはお芝居のようなコントをされるんですよ。YouTubeに投稿されているコントも長尺で。「玄関ママトーク」という、玄関で主婦2人が犬を抱えて麦茶を飲みながらしゃべっている動画があるんです。スクールゾーンさんは2人とも男性なんですけど、その動画を観ると本当に主婦に見えるんですよ。「玄関ママトーク②」が好きなのでよかったら観てみてください。
──動画、18分もあるんですね。
ただただ18分、知らない主婦の“ママトーク”が続きます(笑)。こういう動画を観ると、自分のお芝居のインプットになりますね。もちろんずっと前からご活躍されていますけど、個人的に今大注目している芸人さんです。
「ラクレコ」は“推し活”にぴったり
──今日は「ラクレコ」を使用して観たり聴いたりしたいお気に入りのDVDやCDを持ってきていただきました。それぞれの好きなポイントやアーティストにまつわるエピソードを伺わせてください。
友近さんのコントライブのDVDは、3ステージ分入っていて大ボリュームなんです。それぞれ122分、141分、172分収録されているDVD 3枚入りで、税抜4800円! 激安ですよね。信じられない。それでいて内容も超面白い。元気を出したいときや笑いたいときに観ますね。「本当にこんな人いるよな」「こんな作品昔あったよな」と思わされます。あとは友近さんが扮する水谷千重子さんも好きで(笑)。藤井隆さんが御崎進として出演されたライブ(2023年に東京・明治座と福岡・博多座で行われた「明治座創業150周年記念『水谷千重子50周年記念公演』」)があって、明治座に観に行きました。そのときも最前でした。
──またしても最前で。
はい(笑)。DVDがあると現場に行ったときのことを思い返せるし、行ったことがなくても新たに楽しめる。しかも外出先でいつでも観ることができると思うとめちゃくちゃいいなって思いますね。「ラクレコ」のおかげで元気が出て笑える。本当に素晴らしい。
──もう1枚持ってきていただいたDVDはJuice=Juiceの作品ですね。
Juice=Juiceの結成10周年記念ライブのDVD(「Juice=Juice 10th ANNIVERSARY CONCERT TOUR ~10th Juice at BUDOKAN~」)です。これはライビュで観たんですけど、DVDでも持っておきたいなと思って購入しました。改めて、彼女たちの歌声の強さを感じました。なんであんなに歌って踊れてファンサービスまでできるんだろう……。彼女たちの今までの経験や努力がステージの上に表れていて、エネルギーをもらいましたね。
──思い入れのある公演だったんですね。ちなみに、ステージでパフォーマンスをされている西山さんを観たときに、同じく「歌って踊ってファンサービスもできるってすごいな」と思いました。ご自身がステージに立っているときは、どういう感覚なんでしょうか? 頭の中で組み立てて俯瞰的にパフォーマンスしているのか、思うがままに感情的にパフォーマンスしているのか。
僕は計算している部分が多いですね。家で練習するときは鏡の前でやって、自分のパフォーマンスや表情をしっかり突き詰めて研究するようにしています。そうすると、例えばカメラで抜かれたときにもしっかり表現できるのかなと。高見文寧(ME:I)さんの言葉を拝借するのは忍びないですけど、彼女が「自分でありつつ自分を俯瞰している誰かがいる」というニュアンスの天才的な発言をしていて。それって何度も練習を重ねて自分自身に落とし込んだからこそ、できることなんだろうなと。それを聞いてからは、そういうところまで持っていけるようになれたらいいなと思っています。
──努力があったからこそ、素晴らしいパフォーマンスが生まれているんだろうなと感じました。高見さんのお話もありましたが、ME:IのCDも持ってきていただきました。先ほど「ラクレコ」の撮影のときに、ME:Iでは笠原桃奈さん、高見文寧さんに注目されているとおっしゃっていましたが、笠原さんはアンジュルムで活動されていた時代からご覧になっていました?
そうですね。ハロプロ研修生の「実力診断テスト」(「Hello! Project研修生発表会2016~春の公開実力診断テスト~」)で、彼女がベストパフォーマンス賞を獲ったんですけど、そのときからまだ12歳と思えないような魅力があふれていて。彼女が紡ぐ言葉って、愛にあふれているんです。アンジュルムを卒業するときにも、周りへの感謝を伝える素敵な手紙を読んでいて、なんてできた人なんだろうと思いました。いつかまた次のキャリアを見られるのかなと思っていたら「日プ3」で出会えて。出演がわかったときは、ハロプロのオタク仲間と「また会えた!」とお祝いをしましたね。今回持ってきた「MIRAI」には特典でDVDが付いているし、それも「ラクレコ」を使っていろいろな場所で観られたらと思ってます。
──最後に、さまざまな“推し活”に励む西山さんにとって、「ラクレコ」はどんな存在に感じたか教えてください。
僕にとって「ラクレコ」は“救世主”です! 悩みに悩んでいたCDを活用しきれてないというところを救っていただいて。僕はサブスクがほとんど配信されていないハロプロが好きというところで、彼女たちのCDを手軽に活用できるようになったのは本当にうれしいです。CDを買うだけではなく、CDの音源を聴いて楽しむことは真の“推し活”だなと。あとは先ほども言いましたが、オタクが大好きな特典CDもいつでもどこでも聴くことができるようになったのもうれしい。「ラクレコ」は会場などでの待ち時間が長い推し活にぴったりだと思いますので、こちらを読んでいる皆さん、ぜひぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。一家に1台と言わず1人1台。推し活している皆さんに、僕が心からオススメしたいガジェットです!
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プロフィール
西山宏太朗(ニシヤマコウタロウ)
10月11日生まれ、神奈川県出身。81プロデュース所属の声優、アーティスト。主な出演作はスマートフォンアプリ「あんさんぶるスターズ!」(深海奏汰役)、テレビアニメ「学園ベビーシッターズ」(鹿島竜一役)、テレビアニメ「メジャーセカンド」(佐藤光役)、スマートフォンアプリ / テレビアニメ「アイドリッシュセブン」(棗巳波役)、テレビアニメ「RE-MAIN」(岡栄太郎役)、テレビアニメ「わたしの幸せな結婚」(辰石幸次役)、テレビアニメ「新しい上司はど天然」(桃瀬健太郎役)など。2018年に「第12回声優アワード」にて新人男優賞を受賞。2020年10月にはミニアルバム「CITY」をリリースし、アーティストデビューを果たした。2023年4月より、テレ東放送のハロー!プロジェクトメンバーの番組「ハロドリ。~HELLO!PROJECT 25YEARS~」にて、ナレーターを担当している。2024年7月28日に埼玉・朝霞市民会館 ゆめぱれすで行われるイベント「伊東 健人×西山 宏太朗 『俺旅!シーズン2』in ソウル 完成披露イベント」に出演する。