映画「プーと大人になった僕」 PR

Zeebraが語る「プーと大人になった僕」|働きすぎのZeebraにプーが教えてくれたこと

世界的に有名なキャラクター「くまのプーさん」を実写映画化した「プーと大人になった僕」が9月14日より全国で公開されている。ユアン・マクレガー演じる大人になったクリストファー・ロビンが、幼い頃の大親友プーと再会したことから始まる奇跡の物語だ。

ナタリーでは本作の公開を記念し、ジャンルを横断して特集を展開。音楽ナタリーはヒップホップアーティストのZeebraにインタビューを実施した。シーンの第一人者として、ヒップホップ・フェス「SUMMER BOMB」のオーガナイズ、MCバトル番組「フリースタイルダンジョン」の立ち上げ、ヒップホップ専門ラジオ局「WREP」の開設など、休む暇なく活動するZeebra。そんな彼の目に「何もしないをする」プーはどのように映ったのか、クリストファー・ロビンのように仕事と家庭の両立で悩むことはないのか話を聞いた。

取材・文 / 三浦良純 撮影 / 川野結李歌

渋谷から来たプー

──今回の映画に登場するプーは、原作絵本のクラシックなプーさんをベースにしているんですよね。そんな今回の映画をご覧になって、どのような感想を持たれましたか?

映画「プーと大人になった僕」のワンシーン。

ディズニーの映画って大人の視点と子供の視点の両方で観られますよね。大人は涙する一方で、子供は何も考えずに楽しそうに観たり。僕は涙もろいので今回のタイトルからして「泣いちゃうやつなんじゃないか」ってドキドキしたんですよ。でも実際に観てみたら、僕の場合は泣くと言うより、自分の人生とクロスオーバーして胸が痛くなるような部分がたくさんありましたね。

──具体的にどういった部分がご自身と重なりましたか?

Zeebra

映画の中で、大人になったクリストファー・ロビンが、仕事のことを理解せずにマイペースにのんびりしてるプーさんを面倒くさがるじゃないですか。それが昔の友達とひさしぶりに会ったときにちょっと引いちゃう自分と重なりましたね。20年くらい会ってなかった十代の頃の大親友に最近ちょくちょく会うようになったんですけど、彼は毎日のように僕を含めた仲間全員に電話をかけてくるんですよ。プーみたいな感じで「何やってんのー」って。それに対して「いや仕事だよ。俺らは俺らで忙しいんだよ」って言ってしまう自分を思い出して胸が痛くなりました。

──もともとどういったお友達だったんですか?

中学生、高校生のときのチーム仲間です。ずっと悪い人だった(笑)。今はもうまともになってるんですけどね。渋谷で一緒に遊んでいました。

──Zeebraさんにとっての“100エーカーの森”は渋谷で、そこで遊んでいた友人がプーさんと重なるわけですね。

映画「プーと大人になった僕」のワンシーン。

そうですね。友達は全然変わらないんですよ。彼は昔みたいに飲みに行ってダラダラして、その次の日もダラダラ遊びたいのかなって思うんですけど、こっちはこっちで仕事があって、毎週遊んだり会ったりできないよ、って考えちゃうんです。当時は自分もプー太郎だったからよかったけど。でも会ったら会ったで昔と同じように遊べて、すごく楽しいんですよね。だからもっと遊んだらいいのかもな、童心に返ったほうがいいのかなって映画を観て反省しました。

──ちなみにZeebraさんにとって“童心に返れるもの”って何かありますか?

うーん、難しいですけど、やっぱり風船っていいですよね。クリストファー・ロビンの娘のマデリンが風船でテニスをするシーンがあったけど、8個下の弟のSPHEREとよく同じことをして遊んでいた記憶が蘇りました。あとは今アニメ版の「くまのプーさん」を観たら童心に返れそう。

娘ともっと遊んでおけばよかった

──仕事のせいで家族と一緒に過ごせないクリストファー・ロビンを観てどう思いましたか?

映画「プーと大人になった僕」のワンシーン。

僕も娘ともっと遊んでおけばよかったなあと思いましたね。実際あるじゃないですか、仕事が忙しくて自分だけ家族旅行に行けないみたいなことが。よくないよなあって。

──ご家族をとても大事にされている印象のあるZeebraさんですが、仕事で家族と一緒にいられないこともやはり多いのですか?

最近は特に。今は月曜から金曜まで毎日お昼に生放送でラジオ(ヒップホップ専門ラジオ局「WREP」で放送している「Zeebra's LUNCHTIME BREAKS」)をやらなきゃいけなくて。だから旅行とかは自由にできなくなっちゃったし、この夏もろくなことしてないですよ。昔はできるだけ平日に仕事を入れるようにして、週末は空けていたんですけどね。ただ、今は家族の時間を作っても逆に向こうが相手をしてくれない面もありますね(笑)。だからもう最近は普通に週末も仕事を受けるようになって、家族といる時間はものすごく減っています。

──映画を観て、今後ご家族との付き合い方を変えていこうと思われましたか。

そうですね。向こうが付き合ってくれればなんですけどね(笑)。昔はよく娘たちと映画も一緒に観に行っていたけど、もうかなり大きくなってしまって今は一緒に行ってくれない。

──反抗期ですかね。

Zeebra

反抗期とまではいかないけど大人ぶりたいと言うか、「親と映画なんか行けない」みたいな感じ。僕は姉も妹もいないので、女の子の感覚がわからない面があるんですけど、最近は家に帰ると娘2人と奥さんしかいない女の世界だから居場所がなくて、余計に仕事に向かってしまう面もあります(笑)。

──自立した息子さん2人を育てているときは仕事と家庭の両立はできていましたか?

その頃は単に“アーティスト”だったから暇だったんですよ。何時に起きたっていいし、ライブとレコーディングをやってりゃいいわけだから。4~5年くらい前に裏方仕事も始めてから、仕事の量が全然変わって忙しくなってしまったんですよね。

「プーと大人になった僕」
2018年9月14日(金)全国公開
「プーと大人になった僕」
ストーリー

100エーカーの森に住む親友プーや仲間たちと遊んでいた想像力豊かな少年クリストファー・ロビンも、今ではすっかり大人になり仕事中心の忙しい毎日を送っていた。ある日クリストファー・ロビンは、妻子と実家で過ごす約束だった週末に仕事を任されてしまう。職場と家族の問題に頭を悩ませていると、彼の前にかつて親友だったプーが突然現れて……。

スタッフ

監督:マーク・フォスター

キャラクター原案:A・A・ミルン、E・H・シェパード

キャスト

ユアン・マクレガー、ヘイリー・アトウェル、ジム・カミングス(※声の出演)ほか

日本語吹替

堺雅人、かぬか光明、玄田哲章、石塚勇、小形満ほか

Zeebra(ジブラ)
Zeebra
東京都出身のヒップホップ・アクティビスト。キングギドラのフロントマンとして1995年にデビューする。日本語ラップの礎を築いたグループとして高い評価を得つつも、翌年にグループは活動を休止。1997年にシングル「真っ昼間」をリリースし、ソロアーティストとしてメジャーデビューを果たす。日本のヒップホップシーンの顔役として活動し、2014年に自身のレーベル「GRAND MASTER」を設立。同年夏には自身がプロデュースしたヒップホップ・フェス「SUMMER BOMB」をスタートさせた。2015年にはZeebraがオーガナイズとメインMCを務めるMCバトル番組「フリースタイダンジョン」がテレビ朝日で放送開始。空前のヒップホープブームを巻き起こす。2017年、自身の長年の夢でもあったヒップホップ専門ラジオ局「WREP」をインターネットラジオとして開局した。現在、東京都渋谷区の「渋谷区観光大使ナイトアンバサダー」を務めるなどその活動は多岐にわたる。