「コズミック」はちょっと緊張する言葉

──アルバムタイトルを「COSMIC EXPLORER」にした理由は？

あ～ちゃん　最後にレコーディングしたのが「Cosmic Explorer」だったんですけど、そのときにスッと、これがタイトル曲になることが決まったんです。録り終わったときに「じゃあ、アルバムのタイトルどうしますか？」って中田さんに聞いたら、「『COSMIC EXPLORER』でいいんじゃない？」って言われて。

のっち　それ聞いて私たちは「イェーイ！ いい！ それにします！」。二つ返事で決定（笑）。

あ～ちゃん　「コズミック」っていう単語は、みんなから「Perfumeっぽい言葉」だと思われがちなんですけど、実は今までの曲で使ったことはないんですよ。「Perfumeってロボットダンスの人ですよね？」ってよく言われるけど実際はやったことがない、みたいな感じで。だから私たちの中では、「コズミック」はちょっと口にするのが緊張する言葉というか、今まで大事にしまってあった言葉というか。

──ああ、なるほど。

あ～ちゃん　それもあってこの曲を録ってるとき、みんななんとなく「今のPerfumeだからこの歌詞を歌わせてもらえるんだな」っていう気持ちになってたんですよね。だから中田さんが「これがタイトル曲でいいんじゃない？」って言ったとき、私たちは超前のめりで「はい！」って返事しました（笑）。周りのスタッフさんは「え？ ホントにこれでいくんですか？」って驚いてたけど。

のっち　あまりにすんなり決まりすぎてね（笑）。

あ～ちゃん　だから中田さん、スタッフさんを説得するように「いやなんかさ、ずっと短いタイトルばっかだったから、今回は長いほうがいいと思うんだよね」とか説明してるんですけど、その間ウチらはずっと「いい！ すごくいいです！」って言ってて（笑）。

かしゆか　みんなで「これが一番いい！ これしか考えられない！ 決まり！」ってね（笑）。

のっち　あれ謎の時間だったよね。マジ面白かった（笑）。で、こういうタイトルに決まったので、ジャケットはあえてその裏をかく“コスモ感”ゼロのデザインにしてもらおうってことになったんです。

あ～ちゃん　タイトルが決まったときに「ジャケットは今までやったことがない新しい人に作ってもらおう」って話をして。それで吉田ユニさんにお願いして、「ユニさんがイメージするPerfume」っていうのを考えてもらったんです。このジャケットで私たちの体は模様の一部になってるんですけど、中田さんが曲を書いてくれるときも私たちの声は楽器と同じ1つの素材として使われているので、2人のアプローチにすごく通ずるものを感じて。「初めての人でも私たちを見たらそういうものを思い浮かべるんだな」って、Perfumeの歴史を感じてうれしくなりました。

完成したらめちゃくちゃ音が抜かれてました

──「Cosmic Explorer」は今まで使われなかった「コズミック」という言葉もそうですけど、サウンドや歌詞の内容もSF映画を思わせる壮大さがあって、まさに「PerfumeっぽいけどPerfumeらしくない」曲だと思いました。

のっち　すごいですよね。この曲で物語を1個作ってほしいな。

かしゆか　「何かが終わって次に向かってる感」がすごい（笑）。聴きながら映像が浮かびますよね。3人とも言ってたのは「なんか炎が燃え上がってるよね」っていうイメージ（笑）。

のっち　で、布みたいな何かがひらひらしてる。

かしゆか　風とか吹いて砂埃が舞っててね。

あ～ちゃん　やっぱり「Cosmic Explorer」は大好きだなあ。サビがハミングだから、きっと海外の人もライブで一緒に歌えますよね。

──アルバムのタイトルが「COSMIC EXPLORER」になると聞いて思ったのは、きっと「『STAR TRAIN』に乗って星空に飛び立ったPerfumeが、そのまま宇宙を冒険している」という設定のアルバムなんだろうな、ということで。

のっち　星についての歌詞が多いですよね。「星を離れて 何世代の夢」。

あ～ちゃん　「Cling Cling」にも「望遠鏡で観た遠い星で生まれてたら　同じようにきっと今ごろ君を探す」って歌詞があるよね。

──「STORY」にも「星空を眺めて 手を広げ」っていうフレーズがあります。

かしゆか　「TOKIMEKI LIGHTS」もね。「銀河を超えて 星屑たちの川上り 光のように ときめくままに 旅してたいよ」って。いったいいつから「COSMIC EXPLORER」ってタイトルにすることを決めてたんですかね。真相は中田さんしか知らないからなあ（笑）。

──ほかに新曲で印象的だったものはありますか？

のっち　「Baby Face」は初めて聴いたときに「また新しいPerfumeだな」って思いました。

かしゆか　あの曲は1個目のサビで急に静かになるからライブで歌うのが難しそうっていう問題があって（笑）。

のっち　レコーディングしたときはもっとずっとリズミカルだったんですよ。

あ～ちゃん　全然違ったよねー。

のっち　ね。もともと「るんるん！ ピクニック！」みたいなイメージの曲だったんですけど、完成したらめちゃくちゃ音が抜かれてました。

かしゆか　全体の流れとか、ほかの曲とのバランスを考えて調整したみたいで。

あ～ちゃん　あと「Next Stage with YOU」は、「ジャカジャカジャーン！」っていうギターから始まるのが印象的だったな。

かしゆか　あれは斬新だよね。

のっち　「ギターソロ！ 中田ー！」みたいな（笑）。そういえばレコーディングのとき、左側に白いエレキギターがあったんよね。

かしゆか　うん、ギター立てかけてあった。あれを見て「ああ、この曲で中田さんはこれを弾いたんだ」って思ってた（笑）。