「私たちが出る意味ないんじゃないか」って中田さんに相談して

──そしてこのツアーの間に、韓国で「ULTRA KOREA」への出演も決まってます。Perfumeのジャンルはダンスミュージックだと思いますけど、こういうイベントには出たことはなかったですよね。

のっち　そうなんですよ。「WIRE」に出てみたいとかなんとなく思ったことはあったんですけど、今まで機会もなかったですし。今回は、まったく新しいことに挑戦する気持ちです。前に私たちはよく「ロックフェスに出るアイドルなんて異色だ」みたいに言われてましたけど、「あ、そういうのがまだもう1個あったんだ」っていう感覚ですね。

──ダンスミュージックフェスなので、この日はお客さんが求めてくるものも普段とはちょっと違うかもしれませんね。

あ～ちゃん　それについてはやっぱり、出たことがないタイプのイベントだからみんなびびってます。スタッフさんが「曲は絶対止めないでどんどん続けたほうがいい」「アレンジもそういう人が乗ってくれるように変えたほうがいい」って言ってて、「私たちそのイベントもよく知らないから判断つかないし、中田さんに聞いたほうがいいんじゃないですか？」って話をしたんです。でも私は、スタッフさんのいうその形でやるのはいつものスタイルとは違いすぎるし、私たちが出る意味なくなるんじゃないかな、だったら中田さんが出ればいいって話になっちゃうんじゃないかなって思ってて。

──なるほど。

あ～ちゃん　それで中田さんに相談させてもらったら、「今回出演するのはパフォーマンスのステージだから、自分を見失わないようにマイスタイルを保ちつつライブをしたほうがいい。ただやっぱりクラブイベントなので、早い段階で曲が止まるとお客さんのテンションが上がらないから、気持ち長めに1ブロックを作ったほうがいいんじゃないか？」みたいにアドバイスしてくれたんです。それを聞いて、私たちが出てもいいんだって中田さんに言っていただけたような気がして、「あ、よかった。道が見えた」って思いました。すごくドキドキしてたんですけど、楽しめそうだなって今は感じてます。

君たちそんなクッサイ感じだったっけ？

──そして7月にはワールドツアー第2弾も開催。ついにヨーロッパに初上陸ですね。

かしゆか　アジアツアーのとき、最初はすごく構えてたのに、親日家の人がすごく多くて意外と日本語が通じるから、気持ちが楽になってほとんど全編日本語で通したんですよ。初めのあいさつはその土地の言葉で言ったんですけど、逆に伝わらなくって、日本語のほうが大半の人がわかってくれたっていう（笑）。でもヨーロッパ圏はそうはいかないぞって思ってて、それがすごく楽しみでもあり、不安でもありますね。

──日本人が見るPerfumeと、欧米の人が見るPerfumeのステージって、だいぶ印象が違いそう。

かしゆか　あっちにアイドルっているんですかね。なんか、楽器もやらないで踊って歌うだけの女の子3人組って珍しいんじゃないかと思って、どう受け入れられるのか気になりますね。

のっち　本当。どういう日本人をイメージして、どんな女の子を目当てに観にくるのかが全然わかんないので。

──今回のツアー、1日ずつ間をあけて6日間で3カ国を回るって、けっこうハードなスケジュールなんですね。

のっち　そうなんですよ。やっぱりちょっと経費が（笑）。理由はその1点のみですね。でも、前からこういうのやりたかったんですよ。

あ～ちゃん　ロック系の人からも「なんかロックバンドみたいなスケジュールじゃない？」「君たちそんなクッサイ感じだったっけ？」って（笑）。世界中を回ってライブしてるアーティストから「うちらにも負けてないね」みたいに言われたんですよ。ああいう方々と同じようなことができるっていうのがうれしいですよね。私たち、こういうクッサイ感じ、大好きなんです。

──それはよくわかります（笑）。ちなみにヨーロッパでは、ライブ以外に何か楽しみにしてることはあるんですか？

かしゆか　ガレット食べたい（笑）。スタッフの人たちはきっとビールを楽しみにしてるんじゃないかな。

のっち　ドイツ公演が初日なんですよね。こないだかしゆかに「あー、ドイツが最後だったらビール飲めたのになー」って言った気がする（笑）。

かしゆか　言ってた言ってた（笑）。1週間の滞在期間で、ライブの日以外は移動日しかないんで、ゆっくり観光できないから食べ物が楽しみになっちゃうんですよね。

──アジアツアーを成功させたことで、海外公演の秘訣というか、何かつかんだものはありますか？

かしゆか　「伝えようと思ったら伝わる」っていうこと。

──おお、すごくいい話。

かしゆか　シンガポール公演では日本語が他の国と比べても一番通じなかったので、途中に英語をちょっとはさみながらしゃべってたんですけど、そのときののっちが完全にルー大柴さん化してて（笑）。でもそういう英語でも伝わるんですよね。伝えようっていう気持ちが大事なんだなって思いました（笑）。