過去の自分との共作

──もう1つの表題曲「ワンダーランドへようこそ」についても伺えればと思います。同じタイトルのワンマンライブが昨年10月から定期的に行われていますが、この曲自体は以前からあったんですよね？

小島　はい。数年前の曲ですね。「ワンダーランドへようこそ」というタイトルのライブをやり始める前から存在していたんですけど、実は曲を作る段階ではライブのことを想定していたわけではないんです。メジャーデビューをしたタイミングでワンマンライブのタイトルを考えている中で「そういえば『ワンダーランドへようこそ』って言葉が素敵だね」という話になり、ライブのタイトルに採用されたんです。

Kasai　なんでこのタイミングでリリースすることになったの？

小島　「ワンダーランドへようこそ」というタイトルのライブを何度かやる中で、楽曲がどんどん意味を持ち始めたというか。曲の持つパワーがだんだん増してきた気がして、どこかでこれをリリースしたいなって話になったんです。それで、新木場STUDIO COASTという大舞台を前に配信リリースをすることになり、だったらこの曲しかないなと思ってアレンジをし直して、今のORESAMAにちゃんと質感を近づけて今回のリリースに至りました。

Kasai　「ワンダーランドへようこそ」は“ザ・ORESAMA”って感じの曲だよね。数年前の曲なのに全然古臭く感じないし。それはいい意味でORESAMAの軸がブレてなくて、常にブラッシュアップしながら進んできたからなのかな。

小島　「古臭く感じない」って感じてもらえたのはうれしいですね。実はこの曲はリアレンジをイチからやり直したわけではなくて、当時作ったファイルに上書きする形でアレンジをしていったんです。

Kasai　おそらく作業的にはイチから作り直したほうが早いよね？

小島　はい。ただ昔作った曲のプロジェクトファイルを開いて、けっこうハッとすることが多くて。「え、これどういう作り方したんだ？」みたいな。

Kasai　あるある（笑）。「当時の俺、天才だな」みたいなやつね。

小島　そう。「今の僕だったらこんなアプローチできないな」みたいなアイデアを生かしたくて。だから今だったらちょっと変わっている質感とかもあえて残しつつ、新しい音も盛り込んでみたんです。過去の自分との共作みたいな作り方をしてみたんですよね。

Kasai　過去の小島くん自身とのコラボ曲なわけだ。

小島　なので、今作はある意味2曲ともコラボ曲と言えるかもしれません（笑）。

現実を忘れられるようなワンダーランドを

──2月2日には「ワンダーランドへようこそ」の第5弾が開催されます。どんなライブになりそうですか？

小島　まだ計画中なので具体的に明かせない部分が多いんですけど、音楽のライブって枠組みを取っ払うような総合的なエンタテインメントをライブハウスで作り上げたいんです。音楽以外の要素、例えば映像や光にもこだわって、どこを取っても楽しめるし、それこそ現実を忘れられるようなワンダーランドを作り上げたいと思っています。

Kasai　会場の規模も大きいから、これまでのライブでできなかったことも形にできそうだよね。

小島　はい。今はいろいろ相談しながら、ライブを作り上げているところです。翌日にはMiliのライブがあるんですよね？

Kasai　うん。2月3日には東京・EX THEATER ROPPONGIで僕らのライブがあります。これまで僕らは特別凝った演出のライブをやってこなかったんですけど、3日のライブでは初めて僕とmomocashew（Mili / Vo）の2人で演出を考えていて。ちょっとストーリー性のあるライブを当日はお観せできればと思っているので、もし気になる人がいたら会場に足を運んでほしいですね。

小島　2組とも同じタイミングでワンマンライブがあるのは珍しいですよね。お互いがんばりましょう。