ナタリー PowerPush - 小野恵令奈
アーティスト&サブカル 2つのERENAを解剖
[サブカルERENA]小野恵令奈×新條まゆ 対談
新たな物語が幕開けちゃいます
──今回は「サブカルERENA」と題して、マンガやアニメが好きな小野さんが昔から会いたかったというマンガ家の新條まゆ先生との対談を企画しました。ちなみに新條先生も小野さんのことが気になっていたとのことですが。
新條まゆ すごいファンだったんです! 女優としても「さんかく」っていう映画の演技を見てすごいいいなって。あと写真集も2冊持ってます!
小野恵令奈 えーっ! 本当ですか? ありがとうございます!
──かなり昔から小野さんに注目されていたんですね。
新條 イチ推しでした。だから今回対談のお話をいただいてびっくり(笑)。
小野 いや、私のほうがお会いしたかったのになんだかおかしな話になってきちゃった(笑)。
──この時点で相思相愛ということが発覚しました。
小野 ヤバいです。これは新たな物語が幕開けちゃいますね。
「これは私が見ちゃいけないやつだ」と思った
──新條先生から見た小野さんの第一印象は?
新條 やっぱりかわいい! 実物はテレビで見るよりもかわいいです。映画のときの役もズルくてよかったんですけどね。
小野 「さんかく」では小悪魔的な役どころでしたね。でもその小悪魔っぽさや女のズルさは新條先生の作品からインスピレーションを受けてるんですよ。
新條 えー! それはうれしい!
小野 新條先生のマンガの中のキャラクターを見て「女の子ってこういうシチュエーションのときにこういう顔をするんだ」とか「こういうことをされたら『ズルい!』ってなるよな」っていう演技の基礎みたいなものを勉強してきました。小学生のときからずっとです。
──新條先生のマンガが女優・小野恵令奈のルーツと言っても過言ではない?
小野 まさにそうですね。
──小野さんは小学生のときに新條先生の「快感▼フレーズ」(※▼はハートマーク)を読んで火が点いちゃったらしいです。
新條 小学生のときですか(笑)。
小野 お父さんもお母さんもマンガが好きで、入っちゃいけない“本部屋”があったんですけど、そこで「快感▼フレーズ」を発見してしまって。なんか大人の雰囲気が漂っていたので「これは私が見ちゃいけないやつだ」と思ったんですけど、まずは1巻だけ自分の部屋に持っていきました(笑)。
──抑えられない衝動ってやつですね。
小野 そうですね。それで夜中に見てみたら、もうどんどん妄想が膨らんでいって……。見たことのない大人の世界を「快感▼フレーズ」で知ってしまったわけです。その頃なんて普通に男の子としゃべるのすら恥ずかしいくらいだったのに「大人ってこんなこともするんだ……」というのをマンガから学んでしまいました。ちなみにこの話は、ここ最近まで恥ずかしくて母にできなかったです(笑)。
新條 ずっと秘密だったんだ(笑)。
胸のあたりがうずくわけですよ
──小学生の小野さんが作品を読んでいたという今のお話を聞いて、新條先生はいかがですか?
新條 衝撃的なお話ですけど、すごくありがたいですよね。10代の女の子はなかなか「快感▼フレーズ」を知らなかったりするので読んでいただけていたのがうれしいです。読者の方からも「初めて性というものを知ったのは『快感▼フレーズ』です」ってよく言われるんですよ。
小野 当時小学生だったので何をしているのか、何が起こっているのかはわからなかったんですけどね。なんで裸で抱き合ってるんだろうって。でもわからないんですけど心臓というか胸のあたりがうずくわけですよ(笑)。
新條 なんか私、罪深いことをしてきた気がする(笑)。
小野 そんなことないですよ! そのあと「覇王▼愛人」とかも読んで本当に危ない方向に行きそうになりましたけど(笑)。
新條 だいたい若い子は一度は悪い方向に憧れちゃうみたいなところがありますからね。
登場人物を探す旅に出たくなっちゃう
──小野さんから見た新條先生のマンガの魅力はどんなところですか?
小野 “エロい”内容もきれいに表現されていて、女の子の理想がリアルに描かれているところに魅力を感じます。
──もしかしたら現実にも起こるんじゃないかという?
小野 そうですね。実際はマフィアに連れて行かれることってないし、あんなにイケメンな人に拉致されるなんてありえないんですけど、もしかしたらあり得るんじゃないかって思わせてしまうところですかね。だから新條先生の作品を読むと、登場人物を探す旅に出たくなっちゃうんです。
新條 そう言ってもらえるとすごくうれしいですね。
- ニューアルバム「ERENA」/ 2013年6月19日発売 / ワーナーミュージック・ジャパン
- 初回限定盤A 表えれ盤 [CD+DVD] 3500円 / WPZL-30498~9
- 初回限定盤C 裏えれ盤 [CD2枚組] 3675円 / WPCL-11278~9
- 通常盤[CD] 2940円 / WPCL-11280
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CD収録曲
- えれぴょん
- 君があの日笑っていた意味を。
- ERENA
- RIBBON
- ひとり
- STARRY SKY
- 素直
- 虹のかかる空に...
- えれにゃん
- 恋リズム
- happy time
初回限定盤A DVD収録内容
- ERENA -MUSIC VIDEO-
- ERENA -DOCUMENTARY-
初回限定盤B CD収録曲
- 千本桜
- 嗚呼、素晴らしきニャン生
- 恋愛勇者
- ハッピーチューン
- エレティカ
- ロミオとシンデレラ
- ノーナイデンパ
- 東京テディベア
小野恵令奈(おのえれな)
1993年生まれの女優、アーティスト。2006年にアイドルグループのオーディションに合格し芸能活動を開始。2010年には映画「さんかく」で初ヒロイン役を演じて話題に。同年9月にアイドルグループから卒業し、2012年ワーナーミュージック・ジャパンから1stシングル「えれぴょん」でソロデビューする。2013年4月よりTBS系ドラマ「タンクトップファイター」で連続ドラマ初主演を果たす。同年6月19日に1stアルバム「ERENA」をリリースした。
新條まゆ(しんじょうまゆ)
1月26日長崎県生まれ。1994年少女コミック増刊(小学館)にて「あなたの色に染まりたい」でデビュー。人気ロックバンドのボーカリストと普通の女子高生のラブロマンスを描いた「快感▼フレーズ」(※▼はハートマーク)が大ヒットし、1999年にテレビアニメ化。以後「覇王▼愛人」「ラブセレブ」などヒットを連発し、一躍人気作家に。2007年には小学館との専属契約を解除、フリーとなり、ますます活躍の幅を広げている。
現在、月刊ヤングマガジン(講談社)にて「エリート!!」、ガンダムエース(角川書店)にて「機動戦士ガンダム ジオン公国幼年学校」、マーガレット(集英社)にて「あやかし恋絵巻」シリーズを連載中。集英社×ホーム社BLinkにてコラム「新條まゆたんの萌え男子語り」を連載中。
2013年6月26日更新