ONE N' ONLY「Departure」インタビュー|5年の歩み糧に広げる大きな翼、「Departure」で告げる6人の新たな旅の始まり

ONE N' ONLYが、5月17日にニューアルバム「Departure」をリリースした。

2020年4月リリースの「ON'O」以来約3年ぶり、通算2枚目のフルアルバムとなる今作。10曲の新録曲を含む収録曲は音楽のジャンルのみならず歌詞の言語も日本語、英語、ポルトガル語と多彩で、近年中南米での人気も獲得している彼らの文字通り“唯一無二”な音楽性を凝縮したものとなっている。

4月には初のラテンアメリカツアーも成功させたばかりのワンエンが、デビュー5周年の節目に「出発、挑戦、新たな始まり」という意味を持つ「Departure」をリリースする真意とは? 音楽ナタリーでは、メンバー全員にインタビュー。彼らがここまで歩んできた道のりを振り返りつつ、作品についてじっくりと聞いた。

取材・文 / 三橋あずみ撮影 / 須田卓馬

5年間の歩みが形作った“唯一無二”の個性

──ONE N' ONLYのデビュー5周年イヤーとなる2023年、初主演映画「バトルキング!!-We'll rise again-」の公開に5カ月連続の新曲リリースなど、年明けからかなり精力的に活動されている印象だったので、アルバムリリース決定を知ったとき「いつ録っていたんだろう?」と純粋に驚きました。

TETTA 僕らもそんな感じです!(笑)

──制作はいつ頃から進めていたんですか?

TETTA 新曲は1月、2月に詰め込んでましたね。4月にラテンアメリカツアーがあるので、それまでに完成させる感じで。

──そうだったんですね。完成した作品を聴かせていただいたのですが、今作は過去にないほど楽曲のジャンルが多彩ですよね。ジャケットビジュアルには飛行機の滑走路が描かれていますが、ポルトガル語や英語を使った歌詞、海外のトレンドを取り入れたサウンドからもワンエンが世界に目を向けていることが伝わってきました。そこで、ONE N' ONLYというグループがなぜこのような独自の個性を持った作品を5周年の節目に発表するに至ったのか。これまでの歩みをここで改めて振り返ってみたいなと思いまして……。

ONE N' ONLY「Departure」初回限定盤ジャケット

ONE N' ONLY「Departure」初回限定盤ジャケット

HAYATO なるほど!

──ONE N' ONLYというグループが、ここまでどのように歩んできたのかを皆さんなりに説明するとしたら、どんな表現になるでしょうか?

HAYATO ONE N' ONLYはEBiSSHとさとり少年団という2つのグループが合体したところから始まったのですが(参照:EBiSSH×さとり少年団の合同プロジェクトONE N' ONLY、11月にデビューシングル発売)、デビュー曲の「I'M SWAG」をはじめ、ヒップホップベースの攻めたサウンドというのを当初は持ち味としていました。そこからだんだんと歌詞のメッセージ性にも重きを置くようになって、その2つの要素が今の僕らの基盤、“ワンエンらしさ”と言われるものになっていったと思います。コロナ禍に入ってからはTikTokやSNSを通してグローバルな広がりを持つことができて、海外のファンの方が増えたことから、楽曲にも英語やポルトガル語の歌詞を取り入れるようになり。そういった方向性でまた新たに、唯一無二な道を開拓できているのかなって。

REI TikTokの南米でのバズりをきっかけに、明らかに音楽性は広がったよね。HAYATOの言う通り、より“唯一無二”の個性を得られたと思うし、今はその道を追求している最中なのかなと思います。「Departure」の収録曲がヒップホップの要素が強かったり、レゲエやラテンの曲調を取り入れているのはそういう部分から来ているのかなと。

ONE N' ONLY

ONE N' ONLY

一緒に夢を追いかける仲間になれているんだな

──メンバーのチームワーク面で言うと、皆さんは結成当初から今まで、ずっと抜群の絆を見せてくれている印象なのですが、5年間で変化した部分などはあるのでしょうか?

KENSHIN メンバーの仲は最初からすごくよかったんですけど、ただの仲良しじゃない関係性に最近はなれているのかなって。同じ目標に向かって突き進むために、お互いに高め合ってる。6人で話し合いをすることも増えたし、そういう場面でそれぞれが何を考えているのかを確かめ合って「みんなで上を向こう」という意識を共有できるようになりました。5周年は、勝負の年でもあると思うので。

──実際、メンバー間ではどんなことを話し合うのでしょう?

KENSHIN 最近は春のホールツアーを成功させたいね、ということを話しています。去年の秋ツアーでは悔しさを感じる部分があったので、もうそういう思いはしたくないよねって。僕らの5年間の集大成をしっかりと見せて、もっと大きなステージを見据えたライブをしないといけないので。

KENSHIN

KENSHIN

NAOYA 今はいい意味で6人それぞれのグループに対する思いが強くなったからこそ、「どうしたらもっと大きいステージに行けるか」を強く考えるようになりました。一緒に夢を追いかける仲間になれているんだなという雰囲気がありますね。

TETTA いつも一緒にいても、今までは話し合いの時間をあまり作ってこなかったからね。5周年の節目でそういう場を作ってみると、それぞれの知らない一面を知れたりもして。今までも同じ方向を向いているとは思っていたけど、しっかりと言葉で共有したことがなかったので、僕らの目標についてもしっかりと話して、共通認識を持ちました。

──そんなONE N' ONLYの今のムードを言葉で表現するなら?

TETTA 今は「炎」じゃない? 燃え上がってる感じ。炎の中をかいくぐってでも前に進んでいこう、みたいな勢いを感じますね。

梅干しの人とトロトロNAOYA

──せっかくなので、メンバー1人ひとりについても改めてクローズアップできれば。まずはリーダーのHAYATOさんについて、5年間をともに過ごしてみてわかったことや以前と変わったことなどはありますか?

TETTA 個人的には、彼の中でのリーダーとしての責任感が以前とは圧倒的に変わったなと思ってます。今のHAYATOは自分を主軸に置いて僕らを引っ張ってくれていて、そういう部分にすごく助けられてる。それプラス、HAYATOの中にある見せたい自分、なりたい自分の理想像に近付いていってるような感じがしますね。

REI ワンエンがスタートした当初のHAYATOは“ダンスの人”というイメージが強かったと思うんです。そこから彼の中で、いろんな事柄に対する貪欲さが出てきて……よくも悪くも“アーティスト”だったのが“エンタテイナー”に変わっていった感じがしますね。ラップを追求する姿勢はもちろん、TikTokのトレンドをいち早く見つけて自分も実行してみたり。HAYATOだけの人物像、人間性をどんどん確立させていってる感じがする。その姿勢が、僕らに背中を見せてグループを引っ張る姿勢にもなっているんですよね。

──すごく素敵な言葉を。

REI まあでも、結局は“梅干しの人”です!(梅干しはHAYATOの大好物)

HAYATO あれ、おかしい!(笑) でも、褒められてうれしいです。なんだろう、やっぱり自分自身も5年でさすがに変わったと思います。グループの一員としても、自分の中身も。自分たちが考えていることを広く世間の方に伝えたいですし、自分らしさをしっかりと持って、クリエイティブにしていきたいなって思うんです。

HAYATO

HAYATO

TETTA NAOYAは丸くなったよね。積極的に人と関わりを持つようになって、コミュニケーションを取るようになってさ。最初はクールに見られがちで「話しかけづらい」と言われることもあったけど、今は全然そんなことないし。年齢とともにいい感じに柔らかくなってきたと思う。

HAYATO 逆に変わってない部分を挙げると、グループを支えてくれるところ。僕も一応リーダーという役割だけど、1人だけじゃできないことも多くて。そういうときに、すっと助けてくれるのがNAOYAです。周りをよく見ているんですよね。本当に気配りの人だと思うし、最近はそういう自然体な部分をファンの方にも伝えられているようになっているよね。クールなだけじゃない、人間味が出てきたというか。人間になってきた……。

NAOYA おい、言い方!(笑)

KENSHIN 5年間で自分の殻を破ったような感じがあるよね。歌もそうですけど、NAOYAがラップに参加するようになってから、ワンエンの曲の幅も広がったと思うし。あとはダンス中の表情とか、NAOYAらしい表現が確立されてきたなって思います。

HAYATO このアルバムでもNAOYAのいろんな声が聴けますから。ここからまた、彼の“旨み”が出てくるはず。

EIKU もっと脂が乗ってきますよ。今は中トロくらい!

KENSHIN トロトロNAOYAだ!

NAOYA (笑)。でもそうですね、みんなに言われた通りだなと思います。あと、僕は本当にこのグループでもっと大きくなりたいという思いが強いので、以前と比べてもっとグループのことを考えるようになりました。大切なこのグループの中で、HAYATOが言ってくれたように、僕はずっと変わらず支える側にいたいなと。みんなが困っているときに救う役割ができたらいいなと思っています。

NAOYA

NAOYA