背中を100%の力で押してあげたい
──歌声も、普段皆さんが得意としている表現とは雰囲気の違う、優しい歌声でしたね。
EIKU 普段はめちゃくちゃ攻撃的に、勢いをつけてがなり散らかしたりするんですけど、今回は全体通して儚げにということをすごく意識しました。サビは全部ファルセットで歌っていたり、また新しい伝え方に挑戦したので、いつもと違う僕らを見せられているなと思います。
TETTA 落ちサビの前の部分とかも、フェイクを入れて気持ちをどんどん上げていくような感じで。ファルセット1つ取っても、強い歌い方に変化させたり、感情表現をいろいろと考えて……「ここはもっと息を吐いて表現しよう」とか、細かいところまで気持ちを入れてレコーディングしましたね。あとは、とにかく聴いてくれる方の背中を100%の力で押してあげたいっていう気持ちで。力強く、聴いてくれる方の心に届くようにということを一番に考えて歌いました。
HAYATO ラップパートについて言うと、僕は「追い続けてきた夢がぼやけてしまった」と、本音を吐露するようなフレーズを担っているんです。なので、自分の悔しい思いを押し殺したような歌い方を意識しました。曲の中で本音が一番出ているところだと思ったので、ちょっと自分の経験も……活動の中で落ち込むこともありますから、そういうときのことを思い出しながらラップしましたね。
NAOYA 僕は「自分を隠してきた いや、自分を知らずにきた」というフレーズでラップするんですけど、HAYATOと同じように過去の自分の感情を思い出しました。なので、しっかりと感情を込めてレコーディングできたと思います。
HAYATO サビの「綺麗じゃなくたって alright」「一番じゃなくたって alright」の部分もグッとくるよね。例えば「Category」(2019年)なんかでは「Number oneじゃなきゃfake」と強い言葉で歌って、自分の「やってやるぜ」という気持ちを奮い立たせているんですけど、常に一番であるという状況は難しいことも理解しているから。僕自身これまでに悔しい思いもたくさんしてきたので、「綺麗じゃなくたって alright」「一番じゃなくたって alright」という歌詞は自分の中にスッと入ってきて、気持ちが落ち着く感覚があるんです。焦って先走ってしまう自分に「大丈夫だよ」と言ってくれているみたいで……デモで送られてきたときから、「自分に刺さるな」と思ってて。
KENSHIN めっちゃわかる。僕はTETTAくんが歌う落ちサビの「ゆっくり歩いても」というフレーズがめっちゃキますね。上へ上へという野心も大事だけど、ゆっくり歩くのもいい。落ち着いて、俯瞰で物事を見るのも大事だよなって思わせてくれる。
EIKU 僕は自分が歌っているところなんですけど、「掴めそうな全てが 思うよりも遠くて」というAメロにグッときます。活動していく中で、どうしても周りと比べてしまう時期があって「この先どうなるのかな」と考えることもあったので。「夢のままで終わっちゃうのかな」と不安に思うことを経験しているので、気持ちが入るんですよね。
自分たちも勇気付けられているような感覚
──ダンスパフォーマンスについても教えてください。今回もHAYATOさんが振り付けに関わっているんですか?
HAYATO 今回は初めての振付師さんにお願いして、僕は完全に受け取る側でした。バラードだけど、サビは気持ちを乗せて力強く踊るので、そこが一番思いを届けられる見せ場かなと思うのと……あとは、僕らの成り立ちに重ねたストーリー性もすごくあるんですよ。曲の始まりはEBiSSHの3人(TETTA、REI、NAOYA)とさとり少年団の3人(EIKU、HAYATO、KENSHIN)に分かれていて、そこからパフォーマンスがスタートする感じとか。コンテンポラリーやアクティングに近い振りも多いので、僕たちの表情や感情表現まで含めて楽しんでくれたらうれしいなと思いますね。
KENSHIN ストーリー性、すごくしっかりしているよね。最初に1人ずつ正面を向いてからすれ違う演出があるんですけど、そこから全員で歩きだしたり……僕がうずくまって困っているところを、メンバーが助けてくれたり。みんなそれぞれ自信が持てなかったり、挑戦しても「自分には無理か」と思ってしまうこと、あると思うんです。この曲にはそういう挫折を経験しても大丈夫だよと背中を押してくれる感じがあるというか。みんなのことを勇気付けようとパフォーマンスしていたら、自分たちも勇気付けられているような感覚があります。だからなんか、胸にキますよね。そういう気持ちって、きっと観ている人にも伝わると思うし。メンバーがいろんな経験をしてきた今だからこそ表現できる曲だと思うし、この曲でワンエンの幅がさらに広がったなと思います。
NAOYA 本当に、パフォーマンスをしている側の僕らにも希望を与えてくれる曲なんです。歌いながら勇気をもらって「2022年もがんばっていくぞ!」と思えるんですよ。
一同 そうだね。
──来年、具体的に実現したい目標などはありますか?
HAYATO やっぱり、実際に海外のファンの皆さんに会いに行きたい思いはありますね。コロナの状況もあるけれど、海外でのライブは実現させたいです。どれくらいのファンの方が待ってくれているかはわからないけれど、1つ挑戦というか、未知の世界を知りに行きたいなと思います。あとは、もちろん日本の方にももっと知ってもらいたいです。たくさん楽しいことを届けられたらと思います!
プロフィール
ONE N' ONLY(ワンエンオンリー)
スターダストプロモーション所属の男性ダンス&ボーカルグループ。メンバーはTETTA、REI、EIKU、HAYATO、KENSHIN、NAOYAの6人。2018年4月に初ライブを行ったのち、10月にはデビュー前にもかかわらず東名阪Zeppツアー「ONE N' ONLY ~EBiSSH×SBC~ Zepp Tour 2018」を開催し、成功を収めた。11月にシングル「I'M SWAG」でCDデビュー。2019年5月に発売した2ndシングル「Dark Knight」ではオリコン週間シングルランキングおよびビルボードのチャート「Billboard JAPAN HOT 100」で首位を獲得した。2020年4月に1stアルバム「ON'O」をリリース。以降デジタルシングル「JUST LIKE ME」「L.O.C.A」を発表し、2021年6月に「Video Chat」を配信リリースした。グループのTikTokアカウントは日本のみならず世界各国から反響を集め、フォロワー数は日本人アーティストとしては最多の380万人超え、TikTokの合計再生回数は1億5千万回を突破。12月に配信シングル「We Just Don't Care」をリリースした。
ONE N' ONLY / ワンエンオンリー (@onenonly_tokyo) | Twitter