ONE N' ONLYが新曲「Video Chat」を配信リリースした。
「Video Chat」は「Video Chatで会えない分までハッピーに踊って歌おう!」という思いが込められた、ワンエン流のエールソング。「誰でもリズムに乗って踊れる」をテーマに作られており、思わず口ずさんでしまうようなキャッチーなメロディやチャットの画面を形作るポップな手振りなどに、テーマへのこだわりが詰め込まれている。
社会にはびこる鬱屈としたムードに対峙し、それを打破するような力強いメッセージソングを発表してきたワンエンが、今回のような明るいコンセプトで表題曲を制作するのは、過去に例のないこと。6人は、なぜ今このような楽曲をリリースしようと考えたのか? 音楽ナタリーではメンバー全員にインタビューを行い、「Video Chat」制作の背景やコロナ禍における彼らの思いを聞いた。
取材・文 / 三橋あずみ 撮影 / 曽我美芽
地球の裏側のファン
──皆さんにお話を聞くのは昨年4月のインタビュー以来(参照:ONE N' ONLY「ON'O」インタビュー)ですが、ワンエンはこの1年の間でフォロワー240万人の人気TikTokerになって、投稿動画がすごく盛り上がっていますね。
一同 ありがとうございます!
──何か、バズったきっかけがあったんですか?
NAOYA どんな投稿がいいんだろうとみんなで話し合っているときにブラジルのダンス動画を見つけて、それを踊ったのがきっかけだったよね。いい反応をもらえたので「世界中のダンスにチャレンジしてみよう」となって、そこからいろんな国で流行っているダンスをチェックするようになって。
KENSHIN タイやインドネシアのダンスとか、最初のうちはいろいろチェックしたよね。その中でもブラジルの音源を使ったダンス動画にすごく反響をもらえて。ブラジルの方、すごい熱量で応援してくれるんですよ。
REI うれしいよねえ。
NAOYA ただ、TikTokのコメント欄でしか海外の方の反応を知ることができないから、「僕らのファンというわけではないんだろうな」なんて思っていたんです。だけど、この間初めてブラジルのファンの方とビデオチャットでお話するイベントを開催して……そこで初めて、僕らのことを好きでいてくれる方が本当に日本以外にもいるんだということがわかったんです。それがとてもうれしかったんですよ。
TETTA 実感したよね! うれしかった。
KENSHIN スタートしたのが朝の9時なんですけど、向こうは夜の9時。まさに地球の裏側ですよ。
HAYATO 僕らは6人全員で参加して、通訳さんを介してファンの方と1人ずつお話して。
NAOYA 皆さんリアクションがすごく大きかったのが印象的だったよね。TikTokだけじゃなくデビュー時からYouTubeを観て応援してくれているっていう方もいて、それもビックリしました。
EIKU 確かに、いろんな方がいたよね。
TETTA 「歌っていい?」って、僕らの曲を歌ってくれた方もいたんですよ。それがめちゃくちゃ上手で!
NAOYA 僕が以前主演したドラマ「his ~恋するつもりなんてなかった~」をきっかけにワンエンを知りましたっていう方もすごく多くて、うれしかったです。
──TikTokをきっかけに、ワールドワイドな広がりが生まれていますね。動画を投稿するときに意識していることはあるんですか?
NAOYA バリエーションは意識していて、メンバーの組み合わせなんかもペアで撮ったりソロで撮ってみたり、いろいろ変えて投稿していますね。
HAYATO あとは、どれだけ爪痕を残せるか。15秒の間で、いかにコメント欄にたくさん書かれるようなことをするかっていう(笑)。
TETTA HAYATOは最近、画角から消えるという技を覚えました。「HAYATOくんどこ行っちゃったの?」ってコメントされたいがために(笑)。
一同 あはははは!(笑)
KENSHIN EIKUは、めちゃくちゃオーバーな動きでダンスを踊ったりね。
EIKU そうだね(笑)。
TETTA あとは自分たち発信で、人気の曲にオリジナルの振りを付けて踊ったりね。
KENSHIN 僕らの振りのバージョンで動画をアップしてくれている南米の方の投稿を見つけたときは、つながってる!って感動しました。
ホントに“唯一無二”の道を行ってるなあ
NAOYA インフルエンサー側になれるのはすごくうれしいよね。そうやって海外の方からの反応をたくさんいただけているので、以前配信リリースした「L.O.C.A」を、ポルトガル語バージョンで作ったんです、最近。
EIKU この間レコーディングしたばっかりなんですよ。
HAYATO 最初にサビの部分だけ作ってTikTokに上げたんですけど、8万くらい「いいね」をいただいて。とても反響があったので、フルサイズ作ることになったんです。
──リリースの予定はあるんですか?
スタッフ しようと思ってます。
──そうなんですね。ポルトガル語で歌ってみて、いかがでした?
REI いやあ、難しかったです。
TETTA 日本語と単語の数が全然違うんですよ。キーの高い部分にも早口のように言葉が詰まっていたりして、言い回しがすごく難しいし……。
EIKU 日本語だったら1枚の紙に収まる歌詞が、2枚分びっしりになってね。
HAYATO 早口言葉にチャレンジしてるんじゃないか?ってくらいでした(笑)。
REI TETTAが言ってくれたけど、1つの音に言葉が詰め込まれている感じで、そこが一番大変だったよね。
TETTA あとはイントネーションも全然違って。その影響で音程やリズムがズレちゃったりもするので、最初は苦戦しましたね。音源はある程度前にもらって、歌詞にもふりがなを振って準備していたんですけど、書いたものをそのまま言葉として発しても、正しい発音には程遠くて。耳が言葉に慣れていないから、細かい部分までしっかりと聞き取れていなかったんです。
REI ただ、ポルトガル語は日本語に似て発音が平たいんです、意外と。そういった部分に関しては、英語よりもやりやすい感覚がありましたね。
──なんだか、すごく面白い広がり方をしていますね。
KENSHIN 僕ら、ホントに“唯一無二”の道を行ってるなあと思います(笑)。
TETTA 1年前の自分たちには考えられないよね。
KENSHIN まさかポルトガル語で曲を出すなんて。
──ポルトガル語圏のファンの皆さんの反応が楽しみですね。
一同 楽しみです!
成長するためのいいきっかけ
──最近の皆さんの活動で言うと、「FAKE MOTION」の舞台にメンバー全員で出演されていたのも、これまでにない新鮮な姿でした。
HAYATO 同じ舞台にみんな一緒に出るということもなかなかないですよね。しかも全員が初舞台。歌って踊る普段のライブとは、全然違う感覚がありました。
EIKU メンバーと一緒で心強かったです。
TETTA ドラマに出演した経験はあるけど舞台は初めてだったので、お客さんに向かって演技をしたりとか、動きを1つひとつ大きく見せるとか、そういう舞台ならではの新しい挑戦が新鮮でした。皆さんが聞き取りやすいように声をいつもより張って……とか細かく指導してもらったので、すごく勉強になりました。
──NAOYAさんはメンバーの中では1人だけ別の高校の生徒という設定でしたけど、いかがでしたか?
NAOYA 面と向かってやりとりするのが、荒牧慶彦さんや廣瀬智紀さんなど舞台で活躍されているすごい方ばかりだったので、毎日が勉強でした。お芝居は大好きなので、舞台の期間は楽しかったです。メンバーを見ていても、みんなお芝居にすごく興味が出たと思ったし、成長するためのいいきっかけになったと思います。
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世界がこんな状況だからこそできた曲