ONE N' ONLYが4月15日に1stアルバム「ON'O」をリリースする。
1月から6人の新体制となり、新たな1歩を踏み出したONE N' ONLY。初のフルアルバムとなる今作にはこれまでにリリースした全シングル曲に加え、メッセージ性の強いリード曲「Shut Up! BREAKER」や「Breathe」「Beautiful」「Only One For Me」といった新曲など、ワンエンの始まりから今までを網羅する15曲が収められた。
また、これまでパフォーマーに専念していたNAOYAが今作からラップに参加。ワンエンは全員がボーカルを取る形に進化を遂げた。音楽ナタリーでは6人にインタビューを実施。1stアルバムで示した今後のワンエンのスタンス、そして6人6色の声などについてじっくりと話を聞いた。
取材・文 / 三橋あずみ 撮影 / 須田卓馬
全員の声を乗せられたからこそ伝えられるパワー
──去年の冬のクリスマスライブでKOHKIさんがONE N' ONLY、EBiSSHから卒業されました。グループとしてはそこで一度区切りを付けて、今回のアルバム制作に臨んだ感じでしょうか?
HAYATO そうですね。2020年から新しい体制になるので、そこに向けてまずは6人で話し合いをしたんです。曲のフォーメーションも変わりますし、人数が減った分、寂しくならないようにというか……パフォーマンス面で迫力を落とさないためにも、ここでもう1回まとまろうぜって。
KENSHIN 7人のときよりもむしろ迫力が増すように、個々のスキルアップをしようということも話しました。今はダンスの振りをそろえたり、結束力を高めるための大事な時期なんじゃないかなと思っていて。
──皆さんはEBiSSH、さとり少年団としても活動されていますが、今後しばらくはONE N' ONLYに注力して活動していくよ、ということをSNSを通じて改めてファンの方に伝える機会もありましたよね。
HAYATO はい。ここで一度1つのグループの活動に集中して、より一層力を注いでアルバムをリリースできたらということで。ファンのみんなはいろんな思いがあると思うけど、それでも僕らの思いとしては、今はワンエンに絞って活動していきたいので、ブログなどで発信させていただきました。EBiSSHとさとりの曲は今回のアルバムのTYPE-Bにも収録されているし、もちろんなくすとかじゃないんですけどね。今はワンエンに集中する期間ということにしたんです。
REI 新体制にもなったので、ここで気持ちを切り替えて、1つにして。より一層僕たちの決意をわかってもらえるようにということで、みんなに思いを伝えました。
TETTA 去年の年末から今年の初めにかけてそんな話をしていたんですけど、その中で、今後NAOYAがラップに参加して「ON'O」からは全員が歌う形を取ることも決めました。みんながマイクを持つのでパフォーマンスの見栄えもよくなりますし、今回のアルバムはこれまでとは違う見せ方になっているなと思います。
──NAOYAさんのボーカル参加は今作の大きなトピックだと思いますが、6人でどうやって見せていくかという話し合いの中で決まったことなんですね。
TETTA はい。みんなでマイク持って歌いたいという気持ちが個人的にはあったので、うれしいです。
NAOYA 今まではダンスでしかその曲のメッセージや思いを伝えられなかったけど、そこに自分の声を乗っけられるというのは、よりパワーを出せるというか。今回のリード曲の「Shut Up! BREAKER」は特にメッセージ性が強い曲で、全員の声を乗せられたからこそ伝えられるパワーがあるのかなと思うので……そこはよかったかなと思っています。
僕らはただ歌って踊るだけじゃない
HAYATO リード曲の「Shut Up! BREAKER」には本当に注目してほしいんですけど、僕らはただ歌って踊るだけじゃなく、社会に対して自分たちが思っていることを曲を通して表現できたらなと考えていて。この曲には、今社会問題になっているSNSでの誹謗中傷を批判するメッセージが込められているんですが、音楽プロデューサーのJUNEさんとけっこう前から「こういう曲を作りたいね」と話していて、今回のアルバムでようやく完成したんです。
──社会的なメッセージ性の強い曲をやってみたいという気持ちが、以前からあったんですね。
EIKU そうですね。
HAYATO (3rdシングルの)「Category」とかもけっこうメッセージ性のある曲ですけど、だんだんとしっかり表現していけたらなというふうに。そんな中で完成した「Shut Up! BREAKER」は歌詞に込められたメッセージ1つひとつが重たくてストレートで。曲調も激しくてインパクトがあるし、ダンスも今までで一番激しくダイナミックなんです。
KENSHIN サビなんか特に、跳んだりぶん回したり……迫力増したよね。
EIKU すごく進化してると思う。
HAYATO 僕らの力強いパフォーマンスと一緒に、この曲のメッセージが1人でも多くの人に届いてほしいです。SNSでの誹謗中傷って皆さんの身近にあるものでもあるし、僕らにとってもそういう経験は多少なりともあるので。歌詞でしっかり批判して、思いが伝わっていけば。そんなリード曲です。
──皆さんの思いの上に完成したリード曲ということですが、まずこの曲が上がってきたとき、どう思いましたか?
KENSHIN イントロにビックリしなかった?
EIKU ビックリした。心臓の音ね。
NAOYA とにかく強いと思いました。あとは、「Category」を超えたと思いました。ずっと楽しみにしていたワクワク感もあったので、ヤバすぎて思わず笑っちゃうような感じで。
TETTA あと、HAYATOの「強気になってんじゃねえよ」というセリフの部分はすごく印象に残ってます。強い言葉でダイレクトに伝えることに、ゾワッとしたというか。
HAYATO そこは、自分の声を入れた完成形を初めて聴いたときも、自分自身「うわっ」って鳥肌が立つくらいでした(笑)。
──強烈なメッセージを持っている曲ですし、レコーディングに臨むにもそれなりの気合いが必要ですよね。
EIKU はい。力強さは曲を出すごとにグレードアップしているので、ボーカル陣もより気合いを入れて臨みました。「Category」よりも攻撃的な表現力を出すのはすごく難しかったです。声の強い成分を出すのに苦労しましたし、サビも高いパートが多かったので、また自分の限界を超えた1曲になりました。
REI ほかの曲だとエッジを効かせたりブレスを多めにしたりといろんな表現をしてみるんですけど、この曲はメッセージがホントにストレートなので、自分が一番力強く出せる発声で歌ったつもりです。怒りの表現でもあるので、そういったところに気持ちを向けて。
TETTA 自分もメロディというよりは言葉を大事にしたかったので、魂を込めて叫ぶじゃないですけど……自分の持っている強さを全部出し切ろう!という思いで表現しました。
──ラップパートも、過去一番にエッジィだと思いました。
HAYATO ラップパートには「魔女狩り」とか「そりゃ飽きた」とかこの曲のキーワードが入っているので、そういったポイントをしっかりと伝えられるように意識しました。語尾の投げ捨てる感じのニュアンスに気を配ったりとか、とにかく一文字一文字に意識を向けて歌うくらいこだわりましたね。あとはやっぱりセリフの部分ですね。「強気になってんじゃねえよ」は、一番苦労しました(笑)。何パターンも録りました。
EIKU HAYATO、もはやアクターだったよね。
HAYATO ニュアンスがすごく難しくて。影でしか意見を言えない人たちをバカにする、鼻で笑う感じが難しくて。普段人を鼻で笑ったりしないので……。
EIKU いや、ちゃんと爆発できてたよ。
──KENSHINさんはいかがですか?
KENSHIN HAYATOがセリフパートとかで爆発する中、自分のリリックは疑問形というか。匿名で攻撃する人に対して「それでいいのか?」と問い正している感じだったので、違いを出せるように意識しましたね。
──そしてNAOYAさんもラップをワンフレーズ担当されていますが、実際自分の声を入れてみていかがでしたか?
NAOYA 単純に不思議でした。「ワンエンの曲に自分の声が入るんだ」って。あとは、自分が担当したフレーズはSNSで悩んでいる人に向けて歌う部分なので、そういった方の姿を目の前に思い浮かべながら歌いました。自信を持たせたいじゃないですけど……光を与えてあげられるようにと思いながら歌いました。
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すごく手応えがあるんですよ。踊ると感情が勝手に染み付くというか