ナタリー PowerPush - ONE☆DRAFT

「銀魂」エンディングテーマ「ワンダフルデイズ」リリース

ロングヒットを記録中の2ndアルバム「DREAMAKER」以降、初となるニューシングル「ワンダフルデイズ」が到着。シングルではここ数枚、ロックや泣きのメロディが続いていた彼らだが、今作では持ち前のポジティブな姿勢が込められたキャッチーなメロディが復活。デビューから約2年半、広がりゆく音楽性のレンジも体感できる仕上がりだ。

メンバー全員を迎えた今回のインタビューでは、楽曲の制作経緯や、主にソングライティングを手がけるLANCEの人生観なども直撃。初の全国ワンマンツアーを控えた彼らの“勢い”を感じとってほしい。

取材・文/川倉由起子

夢なんて持とうが持たまいが、楽しくやってるヤツが最強なんです

──「ワンダフルデイズ」はアニメ「銀魂」のエンディングテーマとしてオンエアされていますが、タイアップが決まってから制作されたものなんですか?

LANCE いや、これはもともとあった曲で。タイアップが決まってから2番の詞を書いて完成に持っていった感じですね。

──歌詞は、いつものONE☆DRAFTらしい前向きさがありつつ、どこか少年っぽい繊細さを感じる面もありました。

LANCE まぁ、僕はいつまで経っても少年なんでね(笑)。

──(笑)ちなみに、タイトルでありサビにも登場する「ワンダフルデイズ」という言葉。これってすごく素敵なフレーズですけど、このご時世、不況だの何だので、“ワンダフルデイズ”を夢見ることができない人って多いと思うんですよ。そんな中で、こういう前向きな歌詞が出てくるのはちょっとすごいなって。

LANCE そうかもしれないですね。でも僕らはこういう仕事をやっている以上、普通の社会で生きてないので正直そういう不景気とかはあまりわかんないんです(苦笑)。で、こういう歌詞を書いたのは……多分、俺がそういう世界にいないからなんです。

──というと、どういう世界で生きてるんですか?

LANCE なんて言っていいのか難しいんですけど、僕が思うに、夢なんて持とうが持たまいが、とにかく楽しくやってるヤツが最強なんです。夢がないから真っ暗とか、逆にあるからがんばれるっていうんじゃなく、何気ない1日の中でもこれが楽しいとか綺麗だとかヘコむとか……人間っていろんな感情を得ることができるんですよ。

──はい。

LANCE だから、それを感じずして夢がない、真っ暗だ、どうしようっていうのはもったいないというか。こういう不景気な社会だからこそ。まず目に映るものを感じていけば、充分贅沢にやれるなっていう気がするんですよね。それがお金なのかモノなのか感情なのかは人それぞれだけど「これ贅沢だわー」って思うものはみんなあると思うので。

──確かにそうですよね。

LANCE もっと言うと、世界にはそれが溢れてると思うんです。だから不景気だろうが金がなかろうが、見方をひとつ変えるだけできっとワンダフルなはずなんです。今の世の中とは多少リンクしてないかもしれませんが(笑)。

もう生きてるだけで素晴らしい! と(笑)

──なるほど。歌詞を見ても、地に足をつけてというか、まず近くにある幸せから見ていこうよというメッセージが込められてる気がしました。

LANCE 何でもそうですけど、細かいことほど面白いものはないですから。みんな、すぐ結果やゴールばかり見ちゃうでしょ? 「スーパーマリオ」の最後のピーチ姫を助けるとか、野球のクライマックスシリーズ9回裏2アウトでホームランを打ちたいとか(笑)。でもそこに行くまでの過程のほうがずっと楽しかったりするし。だから歌詞には細かい内容も取り上げたりしてて、周りに常にいろんなものがあって、それをどうするかによってワンダフルになるっていう感覚なんです。

──わかりました。RYOさんとMAKKIさんの人生観としてはどうですか?

RYO 僕はもう生きてるだけで素晴らしい! と(笑)。LANCEが言ったように、すごく苦しんでる人でも見方によってはワンダフルになるんだぞっていう、聴いた人がそう思ってくれればうれしいですね。あと僕は「ジャンプ」でマンガの「銀魂」をよく読んでるんですが、LANCEの上げてきた歌詞と物語の内容がピッタリじゃん! って思いました。

DJ MAKKI 僕もどちらかというと常にワンダフルですね(笑)。家に帰ったら愛犬が迎えてくれるとか、そういうちょっとした瞬間でもうれしかったりするし。

──確かに皆さんの言うとおり、何気ない毎日を見返してみることで新たな発見がありそうです。話は楽曲に戻って、メロディや歌に関しては、まずキャッチーで聴きやすいというのが第一印象でした。

LANCE そうですね。やっぱりそこがONE☆DRAFTらしさのひとつではあるし。あと今回はRYOと上下でハモる部分が結構多くて。これは録りながら作っていったんですよ、夜中から朝の10時くらいまで。

RYO 結構かかったよね。

LANCE 普段より5~6時間長いレコーディングだったので、その場で決めながらラインを作っていくっていう。結構こだわった部分ではありますね。

ニューシングル『ワンダフルデイズ』 / 2009年11月11日発売 / 1223円(税込) / Sony Music Associated Records / AICL-2071

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CD収録曲
  1. ワンダフルデイズ
  2. のら猫達は知らない
  3. Letter
ONE☆DRAFT (わんどらふと)

LANCE(MC,Vo)、 RYO(Vo)、 DJ MAKKI(DJ)から成る3人組ユニット。全員1981年生まれの同級生。3人とも帝京高校在学中は野球部に在籍し、卒業後DJ MAKKIはクラブDJ、LANCEはアメリカへ留学、RYOはソウルバーで働きながら生バンドでのライブを重ねる。LANCE帰国後に3人が再会し、ONE☆DRAFTを結成。2007年3月にシングル「フルサト」でメジャーデビューを果たし、2008年3月には1stフルアルバム「ONE FOR ALL」を発表。2009年6月発売の2ndアルバム「DREAMAKER」はスマッシュヒットを記録した。