ナタリー PowerPush - ONE☆DRAFT
熱い情熱をこの1曲に凝縮! 元・高校球児が贈る応援歌
ONE☆DRAFTが5月13日にシングル「情熱」をリリースする。この曲は日本テレビ系「PRIDE&SPIRIT 日本プロ野球2009」のイメージソングとして書き下ろされたナンバー。帝京高校野球部出身ながら、甲子園出場は果たせな かった3人が音に込めた「情熱」が疾走感いっぱいのサウンドと共に響いてくる。
シングルはさらに、LANCEが上京物語を綴ったバラード「ターミナルII feat.Macheri」と、雄大なサウンドアプローチで新境地に立つ「昇陽」をカップリングに収録した充実の1枚。ますます絶好調の3人に話を訊いた。
取材・文/上野三樹
よくわかんないものが“情熱”なんじゃないかな
──プロ野球番組のイメージソングを書き下ろすというのは3人にとっても嬉しいことですよね。どんな制作でしたか?
LANCE 「野球をやっていた音楽ユニットがいる」ということで番組プロデューサーの方に興味を持ってもらったのがきっかけだったんですけど。「とにかく明るい曲で、あとはもう、君たちの人生を注ぎ込んでくれ!」みたいなオファーをいただきました(笑)。なので、もう「情熱」に関しては、自分たちに嘘のない言葉を入れて、すんなりできましたね。
──曲は割と短い期間でできたんですか。
LANCE 2時間ぐらいでできましたね。
──2時間!! 早いですね。レコーディングも盛り上がりましたか?
LANCE そうですね。これはもう全員でブースに入って録るぐらいの勢いでもいいんじゃないかというイメージだったので「アゲアゲでいこうぜ!」って言って、途中の「オイ! オイ!」 のコーラスのところなんて「みんな入れー!!」って(笑)。
RYO 日テレのプロデューサーさんまで入れて、歌ってもらいました。
──サウンドもこれまでになくパンキッシュで熱い仕上がりですね。
RYO 初めての生バンドなんですけど、ロックでハマりましたねー。それぞれのミュージシャンにも情熱を見せてもらった感じです。
LANCE 途中の「チャッチャッチャチャチャ」っていう野球の応援っぽいところをMAKKIがトラックに入れたことで、より熱さが出ましたね。
DJ MAKKI うん。あとは疾走感ですよね。
LANCE そういう細かいことも、言葉を交わさなくてもみんながわかってるような制作で。今回は本当に全てがバッチリでした。曲にも歌詞にも迷いがなくて、「これが僕らの“情熱”です。これ以外のものだったら嘘です!」ぐらいの感じででき上がって。それを聴いてもらったら、番組の制作サイドからも「この上ないです!」みたいな返答が来たので良かったなと思いました。前作の「青春の雨(なみだ)」みたいに、僕らの野球人生を思い返したりだとか「だけど頑張るんだ」みたいなことを盛り込んだほうがいいのかなとも思ったんですけど、これはもう、ただ応援歌というか“情熱”という2文字を曲にするということに集中してやりました。野球番組のダイジェストでホームラ ンがパカーンと打たれる瞬間をイメージしながら。だから歌詞もこれまでになく単純だと思うし、人によっては違う捉え方ができるような部分も多々あるんですけど。そういう、よくわかんないものが“情熱”なんじゃないかなとか思ってたりします。
“情熱”が絶えたら死んだも同然だと思う
──スムーズに曲ができていったのは、イメージというよりもむしろ3人が同じ野球部で経験してきたことが大きいんでしょうね。理屈じゃないというか。
LANCE そうですね。3人がやってきたことって、こういう練習をしたからこういう結果が出た、とかじゃないと思うんですよ。毎日打ち込んできたことがこの曲にドーンと出たっていう単 純なことであって。野球って、ただ好きで練習して、打ちたいからバッティングして、速く投げたいからキャッチボールして、っていうような単純なことが、みんなが注目する瞬間を結果として生むっていうだけだから。
DJ MAKKI 確かにあの頃の感情って言葉で言い表せないものがありますね。青春ってあんな感じなのかな。何においても突っ走れた気がします(笑)。
RYO うん。そのときの“情熱”が今はこうして音楽になってるんですよね。
──歌詞には「走り出す」といった野球を連想させる言葉も入っていますが、全体的にはサラリーマンの方が聴いても共感できるような内容になっていますね。
RYO お、良かったー(笑)。
LANCE サラリーマンやOLの人も、それぞれが持ってる仕事や恋愛に対する“情熱”にひっかかる曲になったらいいなと思って作ってました。ライブでもよく言うんですけど、生まれるときから“情熱”を持って生まれてきて、“情熱”を握りしめたまま死んでいくというか。たとえば今日「もう俺はやり残したことはない。幸せだった」と思って死んだとしても、あと1日でも生き延びていれば、テレビ見た瞬間にでも「あ、これもやりてえ! 」と思うことが何かあるかもしれないし。理想や挑戦してみたいと思うことはジジイになってもなくなることがないなと思うし、それが絶えたら死んだも同然だなと思うんですよね。だから常に何かやりたいと思う“情熱”は、強い弱いはあれど人それぞれ持ってると思うんで、そういうメッセージを歌詞の中に織り込んでいます。
──まさにONE☆DRAFTの核とも言うべき大事なメッセージが込められた曲なんですね。
LANCE そうですね。僕ら3人だけでなく、みんなが感じられる“情熱”を歌っています。
ONE☆DRAFT(わんどらふと)
LANCE(MC,Vo)、 RYO(Vo)、 DJ MAKKI(DJ)から成る3人組ユニット。全員1981年生まれの同級生。3人とも帝京高校在学中は野球部に在籍し、卒業後DJ MAKKIはクラブDJ、LANCEはアメリカへ留学、RYOはソウルバーで働きながら生バンドでのライブを重ねる。LANCE帰国後に3人が再会し、ONE☆DRAFTを結成。2007年3月にシングル「フルサト」でメジャーデビューを果たし、2008年3月には1stフルアルバム「ONE FOR ALL」を発表。2009年1月発売の5thシングル 「アイヲクダサイ」はスマッシュヒットを記録した。