ナタリー PowerPush - ONE☆DRAFT
切ない思いを歌で伝えるガチ泣きラブソング誕生
2009年1月14日に5枚目のシングル「アイヲクダサイ」をリリースするONE☆DRAFT。2007年3月に「フルサト」でデビューした彼らだが、この曲は当時からすでに完成していたという極上のラブソング。ゆったりと美しいメロディの中で「何もいらないから 愛をください」と訴えるサビが印象的だ。「男の人の方がより共感してもらえるはず」という今作の魅力と、2009年の抱負をメンバー3人が語ってくれた。
取材・文/上野三樹
2人の歌詞を持ち寄って合わせてみた
——「アイヲクダサイ」はデビュー当時からあったそうですが、どのようにしてできた曲ですか?
LANCE 当時はぼくらも制作に関して漠然としてたんで、いろんな曲ができてきていて。その中でも「ラブソングを書こう」ということで作り始めたのがきっかけなんです。特にトピックを立てるとか、それに対してみんなで吟味しあって、とかいうことはなくて。結構すんなりできた1曲です。
——すごく切実な別れのシーンが描かれていますよね。
LANCE 歌詞に関しては曲が仕上がった時点で「ここをこうしよう」とかいう話し合いもなく。一度持ち帰って、それをRYOとひとつのパソコン上で声を貼り付けていくやり方で完成させました。メロディに関しては、同じ曲を聴いて思い浮かべるものなんで2人とも似たり寄ったりになるかなと思ったんですが、それぞれの色が出たメロディになって。合わせてみるとバランス良く仕上がりましたね。だから音的にも歌詞もそんなに苦戦はしてないですね。
——パソコン上で2人の歌詞を合わせてみたんですか?
RYO そうです。初めにLANCEが最初のバース以外を書いて、その後でぼくに投げてくれたんですけど。ぼくもそれを読む前から“失恋”をテーマに自分なりの感覚で書いていて。それを2人で合わせてみたときに「あ、なにげに合うね!」って(笑)。
LANCE それぞれのストーリーが違うスタート地点から出発していて、交わることなくそれぞれのゴールに達していたというか。だから2つの恋愛が同時進行していく感じですよね。それでサビでは真ん中をちゃんと歌う。これまではひとつのものを2人で書いてきたので、これは今までにはないものですよね。
——「何もいらないから 愛をください 君に届けられるような綺麗な愛を」というサビの部分で物語はひとつになるということですね。
LANCE そうです。自分の歌詞の1番と2番、RYOの歌詞の1番と2番がそれぞれ繋がってて。サビに関しては、その2人ともに言える答みたいな感じで。自分で歌っててもRYOが歌ってるバースではバチッと情景が切り替わって、視点が広がります。
——サビはLANCEさんが書いたんですか?
LANCE これは最初からあったんですよ。最初から、っていうのは別に誰かが作ったのを持ってきたわけじゃなくて(笑)。
RYO 一番最初にできてた、ってことだね(笑)。
LANCE そうそう、「フルサト」のカップリングに入れる曲が何かないか?って言われて。そのときにこのサビがあるから「作ろうか?」ってなって。でき上がった時点で他のものを入れることになって今までとっておかれることになったんですけど。
——でも、それぞれに歌詞を書いたものがひとつのサビでつながるようなことが、試行錯誤の末にではなくデビュー当時にやれてたのはすごいですよね。
LANCE たぶんマグレですね(笑)。
RYO ぼくらもレコーディングは結構早くにやってたものの「いつ出すんだろう?」って思ってたくらいで(笑)。でもこのタイミングで出せて良かったですね。
ONE☆DRAFT(わんどらふと)
LANCE(MC&VOCAL)、 RYO(VOCAL)、 DJ MAKKI(DJ)から成る3人組ユニット。全員1981年生まれの同級生。3人とも帝京高校在学中は野球部に在籍し、卒業後DJ MAKKIはクラブDJ、LANCEはアメリカへ留学、RYOはソウルバーで働きながら生バンドでのライブを重ねる。LANCE帰国後に3人が再会し、ONE☆DRAFTを結成。2007年3月にシングル「フルサト」でメジャーデビューを果たし、2008年3月には1stフルアルバム「ONE FOR ALL」を発表している。