ナタリー PowerPush - ONE☆DRAFT
熱い情熱をこの1曲に凝縮! 元・高校球児が贈る応援歌
ラップの部分ではカッコつけたくなかった
──ではカップリングの「ターミナルII feat.Macheri」について。これはLANCEさんのリアルな上京物語なんですか?
LANCE こういう曲はリアルなほうがいいなと思って、あえて博多弁とかもガンガン出しつつ。2年以上前に仕上がってた曲で、出すつもりもなかったんですけど。今回はフィーチャリング で女性ボーカルも入れたことで、今のONE☆DRAFTの曲になったと思います。
RYO 僕は東京出身なのでこういう経験はないですけど、まるで恋愛ドラマに入り込むような気持ちで歌いました。「LANCEはこうだったんだなー」とか思いながら。
──地元に彼女を残して、夢を追うために上京するという背景が浮かぶバラードですが。
LANCE でも実際はこういった経験はしてないですよ(笑)。だって俺が福岡から上京したのは中学卒業してすぐだから。普通に親とか友達みんなに見送られながらだったし。でも大人になってから、実際に空港に行っていろんな人を観察したんですよ。「この2人は遠距離恋愛になったら速攻別れるやろうな」とか思いながら(笑)、いろんなカップルを見て、その後で書いたんですよね。四畳半のところに住んでたのはホントなんです けど。でも「成功して帰ってくるから!」みたいな感じではなくて。そんなカッコいいものじゃないと思うんですよね、リアルな感情って。
RYO ダサイところもいっぱいあるよね。
LANCE うん。だからラップの部分ではカッコつけたくなかったんですよね。
──弱さを含めて正直に吐き出せるのがラップの部分?
LANCE そう、カッコいいトラックでカッコいい声だったりするけど、歌ってる感情はそんなにカッコよくないよっていうようなね。空港のゲートでピンポーンって鳴って金物とか外したりしてさ(笑)、靴まで脱いでもまたピンポーンみたいなさ。
──あはははは。
LANCE それカッコ悪いよ! っていうね。向こうで見送りのみんなに笑われてさ。「じゃあな!」って言うんだけど、いつまでも手を振ってくれてる奴とか、泣いてる奴がおったりして。 なかなか行きづらかったりして。そういうカッコつかないところがリアルなんですよね。
アルバムには新曲どんどん入れるんで!
──そして3曲目の「昇陽」はすごく景色が見えてくる曲で。イントロが始まった瞬間に癒されるような聴き心地が新鮮でした。
LANCE トラックにはこだわりましたね。MAKKIから一番最初にあがったのを聴いて、これはいいなと思って。太陽が昇ったときにバーッとオレンジが広がる感じをイントロから音で表せな いかなっていうイメージをずっと持っていたので。それがうまく出せてよかったですね。
DJ MAKKI レコーディング当日の朝までサウンドは練ってました。
RYO この音の感じは、ラジカセじゃなくてデカいスピーカーで聴くとわかりやすいですよね。
LANCE 冬のドライブに1人でしみじみ行くときに聴いてもらいたい曲です。
──コーラスがかなり繊細に入ってるところもポイントですよね。
LANCE ライブで歌えないぐらいですね(笑)。アップテンポの曲よりもこういう吟じてるタイプの曲のほうが全然キツいですからね。
──吟じてはないですけどね(笑)。現在は2ndアルバムも制作中なんですよね?
LANCE はい。けっこう聴き応えのある内容になるだろうと思います。
DJ MAKKI 1stに比べたら色は濃くなって幅も出るかもしれないです。
RYO 新曲をどんどん入れるんで、期待しててください!
ONE☆DRAFT(わんどらふと)
LANCE(MC,Vo)、 RYO(Vo)、 DJ MAKKI(DJ)から成る3人組ユニット。全員1981年生まれの同級生。3人とも帝京高校在学中は野球部に在籍し、卒業後DJ MAKKIはクラブDJ、LANCEはアメリカへ留学、RYOはソウルバーで働きながら生バンドでのライブを重ねる。LANCE帰国後に3人が再会し、ONE☆DRAFTを結成。2007年3月にシングル「フルサト」でメジャーデビューを果たし、2008年3月には1stフルアルバム「ONE FOR ALL」を発表。2009年1月発売の5thシングル 「アイヲクダサイ」はスマッシュヒットを記録した。