ナタリー PowerPush - ONE☆DRAFT
切ない思いを歌で伝えるガチ泣きラブソング誕生
でも男ってそんなもんなんすよ
LANCE 「アイヲクダサイ」って1年半くらい前にできた曲なんだけど。これを今、たまにコンビニとかでかかってたりとかして客観的に聴くじゃないですか。最近はラブソングはたくさんあるし、ありきたりなんですけど、これもありきたりでベタな感じなんですけど、聴きながら「ダセえんだな、コイツ」っていうのがわかるんですよ。自分らで作ってるのに、そう思ってる時点で「俺はこいつらに騙されたな」と思うんですよね。
——騙された?
LANCE そうそう、騙し合いなんですよ、音楽っていうのは。歌詞の内容で騙すとかじゃなくて、聴き入ってしまうというか。別に俺は自分の歌に聴き入ったわけではないんですけど、たまに音楽を聴いてて「これは何だ?」と思った時点で、そこに相手のトリックが仕掛けられていて。そういう要素が「アイヲクダサイ」におけるへっぽこさというか、自分ららしくないところだと思うんですよね。
——うん。シンプルなようで、実はひねりのあるラブソングなんですよね。
RYO そうですね、男性にも聴いてもらったら、またちょっと違う風に聴こえると思うんで。
LANCE うん、女性より男性のほうがわかるかもしれない。
MAKKI 男は基本引きずるし、勘違いしますからね。
——あのー、女性側としてはすごい愛情をかけたつもりで、それが返ってこないから別れたのに、そこで「愛をください」とか歌われると、若干キレる人もいると思うんですよ。
3人 あはははははは!
LANCE 確かにね、俺もそう思う(笑)。
RYO でも男ってそんなもんなんすよ。
——いい感じに開き直ったところで(笑)。ではカップリングの「二人(そら)」に関してもお聞きしたいんですが、これはどんなイメージで書いた曲ですか。
LANCE この曲は「二人」という字を重ねて書いたら「天」という字になる、というところからインスパイアされたもので。広い意味で、いろんなところで見えるものって、空だけなんじゃないかなと思って。例え地球の反対側にいても、空を見たらつながっているわけで。唯一、同じ時間に2人が見れるもの、つながっていられるものって空しかないのかなって。だから、2人であること、一緒だということが言いたくて書いた曲なんです。
——相手が目の前にいないけど心の中で必死に語りかけていますよね。
LANCE 変態ですよね(笑)。
——「アイヲクダサイ」にしてもそうですけど、目の前にいない相手に対する愛を歌うっていうのが切なさを生んでいるんでしょうね。
LANCE なんか結局そうなってしまうんですよね。というのも歌を書くときはひとりなんで。みんなと一緒にいて今日は最高だ!みたいなのを書こうと思っても、その状況だと無理じゃないですか。それが終わって「あれを曲にしよう!」と思っても俺は結構書けないんです。だからいつもひとりから見た何か、っていうほうが書きやすいから、切ない系になってしまうんでしょうね。
——RYOさんはどうなんですか?
RYO ぼくはどっちかというと、バラードよりもクラブとかそっちのノリで書いちゃうんですよね。「楽しもうぜ!」みたいな。だから3曲目の「JUMP」みたいな。
——いいバランスですね。
LANCE そうですね。お互いに役割分担してます、自然に。
RYO でもぼくは歌うのはバラードが好きなんで、不思議なんですけどね(笑)。
——ではそんなONE☆DRAFTの2009年の目標は何かありますか?
LANCE なんすかね、俺はね、ラブホテルに行きたいかな。
RYO 行きたいよ、俺も。
MAKKI あははははは!行けばいいじゃん!
LANCE いやー、なかなか行くことにならんよ?というわけで、2009年はラブホテルに行きたい!
RYO それ、ONE☆DRAFTと関係ねえじゃん!
ONE☆DRAFT(わんどらふと)
LANCE(MC&VOCAL)、 RYO(VOCAL)、 DJ MAKKI(DJ)から成る3人組ユニット。全員1981年生まれの同級生。3人とも帝京高校在学中は野球部に在籍し、卒業後DJ MAKKIはクラブDJ、LANCEはアメリカへ留学、RYOはソウルバーで働きながら生バンドでのライブを重ねる。LANCE帰国後に3人が再会し、ONE☆DRAFTを結成。2007年3月にシングル「フルサト」でメジャーデビューを果たし、2008年3月には1stフルアルバム「ONE FOR ALL」を発表している。