このアルバムだからこその「いとしのギーモ」
──11曲目には「いとしのギーモ」という問題作も。
あははは(笑)。これ、何について歌っているかわかりました?
──わかりました。でも知らないで聴いたほうが絶対に楽しいと思うんですよね。
そうそう。だからあえて言わないでおきます(笑)。サビのフレーズの頭の文字を続けて読んでね、ってことだけ言っておこうかな。
──こういうコミカルなテイストも大原さんにとっての大事な要素ではありますよね。
うん。「のり巻きおにぎり」(1stアルバム「HAPPY」に収録)とかありましたからね。でもひさしくやっていなかったので、今回はやろうと。「Enjoy」というタイトルのアルバムだからこそ入れなきゃなと(笑)。ただ、私が歌詞のアイデアをバーッと出した段階では、ここまでちゃんとした曲になるとは思ってなかったんですけどね。おまけ的な、隠しトラックでもいいのかなって。
──結果、素敵な曲に仕上がりました。言ってしまえばこれもラブソングですし。
大好きなものへのラブソング(笑)。ちゃんとした曲にしていただけてありがたいです。ちなみにアルバムの初回限定盤Aにはこの曲のメイキングムービーが入ったDVDが付くんですよ。ものすごくシュールな映像になっているので、そちらもぜひ観てもらいたいですね(笑)。
──で、「いとしのギーモ」のあとに、めちゃくちゃ感動的なバラード「Close to you」が入っているところもこのアルバムのすごいところだなと。
「誰だよ、お前は!」ってくらいのギャップですよね(笑)。この曲は、いただいた瞬間にアルバムのラストに入れたいねって思ったんですよ。それくらい素敵な曲で。結果的にはラストでもなくなったし、なおかつ「いとしのギーモ」のあとに置いちゃったんですけど(笑)。
──徐々に明るくなっていくサウンドの上で、思いのこもったボーカルが響いていますね。
Sally#Cinnamonさんから歌詞をいただいたときに、「これは女性同士の友情を歌った曲です」ってことを聞いて。その瞬間、私の中に明確に1人の女の子のことがパッと浮かんだんですよ。なので、ものすごく気持ちの焦点を絞ってレコーディングに臨むことができたんです。キーが高くて大変なんですけど、でも気持ちよく歌わせていただきました。ライブで歌うのも楽しみですね。
もっと大胆に新しいことを
──そしてラストには本作の楽しさを象徴する「Joy & Joy」という曲が。
今回、自分で歌うことが一番想像できなかったのがこの曲でした。こんなにパーティ感のある曲は初めてだから、ファンの方もびっくりしちゃうんじゃないかなって思いもあったし。でも、この曲をレコーディングする段階ではもう「Enjoy」というアルバムタイトルが決まっていたので、それこそ「エンジョイしちゃえ!」っていう気持ちで歌いましたね。
──痛快なメッセージがラストにふさわしいですし、アルバムをループして聴いていると1曲目に心地よくつながっていく感じもあって。
「嫌なこと忘れて、踊って楽しもうぜ!」っていう曲を最後に持ってきたことで、“Enjoy”というテーマを持ったアルバム自体のメッセージ性が増すような気がしますね。ループしたときに1曲目の「one」に気持ちよくつながっていくっていうのは、完成したときに私も感じたことだったんですよ。なので皆さんにも、何回も繰り返してこのアルバムの世界を楽しんでもらえたらいいなって思います。
──本作リリースの翌日からは「5th TOUR 2018~Enjoy?~」がスタートします。
「みんな楽しんでる?」っていう現在進行形な気持ちをタイトルにしました。ステージ上の装飾もセットリストも、今までで一番ポップなものになるんじゃないかな。アルバム同様、会場に来てくれた方々に全身で“Enjoy”していただけたらなと思っています。初めて行く会場もあるので、とにかく楽しみで仕方ないですね。
──今年12月でデビュー5周年を迎えますが、そこに関して今思っていることはあります?
「早かったなー」と思いつつ、「でもまだ5年だしな」という思いがあります。ここまでいろんなことを経験してきましたけど、まだまだ知らないこともたくさんある。だからこそ、これからもいろんなことを学んで、もっともっと成長したいなって思いますね。
──この5年で大原さんは大きく成長を遂げると同時に、どんどんナチュラルになっていってる印象もあるんですよね。より柔軟にもなっていると思うし。それがすごくいいなと。
えー、ほんとですか? 性格はそんなに変わってはいないと思うんですけど、より自由人にはなってきてるのかな(笑)。去年、ニューヨークに1人旅をしたんですけど、そこでちょっとふっ切れたところがあったんですよ。もっと大胆に生きてもいいんじゃないかなって。それが影響しているのかもしれないです。演技に関しても音楽に関しても、ここからもっと大胆に新しいことをどんどんやっていきたいですね。
- 大原櫻子「Enjoy」
- 2018年6月27日発売 / Victor Entertainment
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初回限定盤A
[CD+DVD]
4860円 / VIZL-1398 -
初回限定盤B
[CD+ブックレット] 4320円 / VIZL-1399 -
通常盤
[CD]
3240円 / VICL-65026
- CD収録曲
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- one [作詞・作曲・編曲:小名川高弘]
- 泣きたいくらい [作詞:大原櫻子、小名川高弘 / 作曲・編曲:小名川高弘]
- ツキアカリ [作詞:いであやか、坂井竜二 / 作曲:安岡洋一郎 / 編曲:UTA]
- energy [作詞:Sally#Cinnamon、小名川高弘 / 作曲・編曲:小名川高弘]
- ひらり [作詞・作曲・編曲:亀田誠治]
- 夏のおいしいところだけ [作詞:高橋久美子 / 作曲:水野良樹 / 編曲:Mitsu.J]
- マイ フェイバリット ジュエル [作詞・作曲:秦基博 / 編曲:河野圭]
- Jet Set Music!~Album ver.~ [作詞:leonn / 作曲:杉恵ゆりか / 編曲:小名川高弘]
- 甘えてしまうんだよ [作詞・作曲:小林未奈 / 編曲:小名川高弘]
- さよなら [作詞・作曲:水野良樹 / 編曲:小名川高弘]
- いとしのギーモ [作詞:大原櫻子、小名川高弘 / 作曲・編曲:小名川高弘]
- Close to you [作詞:Sally#Cinnamon / 作曲:多保孝一 / 編曲:多保孝一、UTA]
- 青い季節 [作詞:いしわたり淳治 / 作曲・編曲:小名川高弘]
- Joy & Joy [作詞:Sally#Cinnamon / 作曲・編曲:多保孝一、UTA]
- 初回限定盤A DVD収録内容
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- ツキアカリ(Music Video+Making)
- いとしのギーモ(Making Movie)
- Enjoy Photos Session Movie
- 大原櫻子 5th TOUR 2018~Enjoy?~
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- 2018年6月28日(木)
- 千葉県 市原市市民会館 大ホール
- 2018年7月3日(火)
- 岡山県 岡山市民会館 大ホール
- 2018年7月4日(水)
- 広島県 上野学園ホール
- 2018年7月6日(金)
- 愛知県 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
- 2018年7月11日(水)
- 東京都 NHKホール
- 2018年7月12日(木)
- 宮城県 仙台サンプラザホール
- 2018年7月16日(月・祝)
- 神奈川県 神奈川県民ホール 大ホール
- 2018年7月18日(水)
- 福岡県 福岡サンパレス
- 2018年7月20日(金)
- 大阪府 大阪国際会議場 グランキューブ大阪
- 大原櫻子(オオハラサクラコ)
- 1996年1月生まれ、東京都出身。映画「カノジョは嘘を愛しすぎてる」に登場した3人組バンドMUSH&Co.のボーカルとして、2013年12月にシングル「明日も」でCDデビューし、同時に、スクリーンデビューも果たす。2014年11月にソロ名義の1stシングル「サンキュー。」を発表し、2015年1月発売の2ndシングル「瞳」の表題曲は「第93回全国高校サッカー選手権大会応援歌」に採用された。同年3月に1stアルバム「HAPPY」をリリースし、同作はオリコンウィークリーチャート初登場2位を獲得。セールスは10万枚を突破し、ゴールドディスクを獲得する。年末には「第66回NHK紅白歌合戦」に初出場した。2016年6月に2ndアルバム「V」を発表し、全18公演におよぶ3度目のツアーを実施。ツアーファイナルでは自身初となる日本武道館公演を追加公演含めて2日間を開催した。2017年、3月に映画「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」の主題歌「ひらり」を収録したシングルをリリース。女優としての活動も活発で、ドラマや舞台にも出演している。5月より初主演舞台「Little Voice(リトル・ヴォイス)」が、東京、富山、福岡にて上演された。8月に秦基博が作詞作曲、プロデュースを手がけた「マイ フェイバリット ジュエル」を、11月に水野良樹(いきものがかり)が作詞作曲した「さよなら」をシングルとしてリリース。2018年6月に3枚目のアルバム「Enjoy」を発表し、同月よりホールツアー「大原櫻子 5th TOUR 2018~Enjoy?~」を開催する。