大原櫻子が約2年ぶりとなるニューアルバム「Enjoy」を6月27日にリリースした。
本作には、シングルとしてリリースされた「マイ フェイバリット ジュエル」「さよなら」「泣きたいくらい」を含む全14曲を収録。さまざまなクリエイターが手がけたカラフルな楽曲を通じて、新しい大原櫻子の姿が鮮烈に浮かび上がる仕上がりとなっている。
本作リリースの翌日から全国ツアー「5th TOUR 2018~Enjoy?~」をスタートさせる彼女に、新作やツアーについて語ってもらった。
取材・文 / もりひでゆき 撮影 / 藤田二朗
- 大原櫻子「Enjoy」
- 2018年6月27日発売 / Victor Entertainment
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初回限定盤A
[CD+DVD]
4860円 / VIZL-1398 -
初回限定盤B
[CD+ブックレット] 4320円 / VIZL-1399 -
通常盤
[CD]
3240円 / VICL-65026
- CD収録曲
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- one [作詞・作曲・編曲:小名川高弘]
- 泣きたいくらい [作詞:大原櫻子、小名川高弘 / 作曲・編曲:小名川高弘]
- ツキアカリ [作詞:いであやか、坂井竜二 / 作曲:安岡洋一郎 / 編曲:UTA]
- energy [作詞:Sally#Cinnamon、小名川高弘 / 作曲・編曲:小名川高弘]
- ひらり [作詞・作曲・編曲:亀田誠治]
- 夏のおいしいところだけ [作詞:高橋久美子 / 作曲:水野良樹 / 編曲:Mitsu.J]
- マイ フェイバリット ジュエル [作詞・作曲:秦基博 / 編曲:河野圭]
- Jet Set Music!~Album ver.~ [作詞:leonn / 作曲:杉恵ゆりか / 編曲:小名川高弘]
- 甘えてしまうんだよ [作詞・作曲:小林未奈 / 編曲:小名川高弘]
- さよなら [作詞・作曲:水野良樹 / 編曲:小名川高弘]
- いとしのギーモ [作詞:大原櫻子、小名川高弘 / 作曲・編曲:小名川高弘]
- Close to you [作詞:Sally#Cinnamon / 作曲:多保孝一 / 編曲:多保孝一、UTA]
- 青い季節 [作詞:いしわたり淳治 / 作曲・編曲:小名川高弘]
- Joy & Joy [作詞:Sally#Cinnamon / 作曲・編曲:多保孝一、UTA]
- 初回限定盤A DVD収録内容
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- ツキアカリ(Music Video+Making)
- いとしのギーモ(Making Movie)
- Enjoy Photos Session Movie
そろそろ明るくて元気な大原櫻子も……
──約2年ぶりとなるニューアルバム「Enjoy」ですが、今回もまた新たな大原さんの表情がたっぷり詰め込まれた作品になったなと。
今までの楽曲でもいろんなチャレンジをさせていただいてきてはいたんですけど、レコーディングにあたっては完成形がある程度、予想できる感じはあったんですよ。でも今回は「これを私が歌ったらどうなるんだろう!?」って想像のつかない曲が本当に多くて。それがすごく楽しかったんですよね。あと、私はもともとダンスが好きだからライブでも踊りたいとずっと思っていたので、今回はそれを実現できる曲を意図的に作っていったところもありました。そういう部分でも新しさを感じてもらえるんじゃないかなとは思いますね。
──まさに“Enjoy”しながら新鮮な楽曲群と向き合う大原さんの姿が目に浮かぶ仕上がりですからね。アルバムタイトルが見事に内容を表していると言うか。
アルバムタイトルは毎回、ひと目で覚えてもらえるようなシンプルなものにしたいっていう自分なりの思いがあるんですけど、今回は夏のリリースにふさわしい弾けたイメージのある単語にしたかったんですよね。今の自分が音楽で表現したいものが明るくて、元気のいいものだったりもしたので。
──なぜそういうモードだったんでしょうね?
20歳になってすぐ出したアルバム「V」から始まって、秦(基博)さんに作っていただいた「マイ フェイバリット ジュエル」や、いきものがかりの水野(良樹)さんに作っていただいた「さよなら」と、ここのところ大人っぽさをすごく意識した曲が多かったんですよ。そういうテイストも確かに自分のやりたかったことではある。でも、そもそも大原櫻子は明るくて元気な曲でデビューしたし、ファンの方もそういう曲を待っていてくれるんじゃないかなって思ったんですよね。自分としてもそろそろやりたいなと思っていた時期でもあったので。
──で、その気持ちを表現するワードが「Enjoy」だったと。
そうですね。しかも、今年に入って「FUN HOME ファン・ホーム ある家族の悲喜劇」というミュージカルに出演したんですが、その本番前にはみんなで集まって「今日もがんばりましょう、エンジョイ!」って言ったりしていたんですよ。さらに友達との会話でも「今日仕事なの? エンジョイ!」みたいなやり取りをよくしていたし。そういう意味ではここ最近の私の気持ちを表しているのが“Enjoy”って言葉なのかなと思ったので、今回のアルバムタイトルにしたんです。
今まで以上に自由な感覚で向き合えた
──改めて聞きますが、今回収録される全14曲。そのすべてのレコーディングを“Enjoy”できました?
できました! 時間がない中でのレコ―ディングだったから大変でしたけどね(笑)。
──3月までミュージカルに出演していましたものね。
そうなんです。3月は「あの日のオルガン」という映画の撮影で丸々京都に行っていたりもしたので。さらに4月に入ってから1週間ほどお休みをいただいたんですけど、その段階でまだ1曲もレコーディングしていませんでしたから。6月にリリースすることは決まっていたので、作業が始まってからは「ワー!!」って感じで(笑)。体調を崩さずに済んで本当によかったなって思います。
──大変な状況に置かれても、あまりあたふたしないタイプですか?
「大変だー!」って思いながらやっていると、それこそ本当に大変な状況になっていってしまうと思うので、「私はできる! 大丈夫!」って思い込みながらやっていくタイプですね(笑)。歌に関して、今まではレコーディングまでに完璧にしていく感じだったんですよ。でも今回はレコーディングもモノ作りの場として、現場でみんなと話し合いながら進めていく流れを取ったのもよかったとは思うんですけどね。
──なるほど。じゃあ当初のイメージが現場で大きく変わるものもあったり?
ありましたね。ある程度のイメージを持った状態でレコーディングには臨みますけど、歌の空気感が現場でガラッと変わることもけっこうあって。それを改めて聴くと、「へえ、こんな仕上がりになるんだ!」という発見が自分にもあったりして。今まで以上に自由な感覚で向き合えたレコーディングはすごく面白かったです。
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新鮮な気持ちで歌った新曲たち