OCTPATHインタビュー|「PRODUCE 101 JAPAN SEASON2」で出会った8人がともに手を取り、目指す場所とは (2/3)

僕たちのストーリーの始まりを表現した曲

──デビューシングルには3曲が収録されていますが、それぞれ全然カラーが違いますよね。まずはタイトル曲「IT'S A BOP」から詳しく聞かせてください。メンバー発表の際のティザービジュアルが白衣装でさわやかな感じだったので、どんなデビュー曲になるのだろうと思っていたら、ゴリゴリのヒップホップ&ロック調で。いい意味で意表を突かれました。

四谷 デビュー曲をどんな楽曲にするかは、みんなですごく話し合いました。いろんな選択肢があったと思いますが、それぞれのメンバーの個性が生きる楽曲にしたいという方向で意見が合って。最初のティザーは「これから何色にでも染まれる僕たちを見てほしい」という思いから真っ白にしたんですけど、そこからの「IT'S A BOP」でギャップを見せられたかなと。

──まんまとギャップにやられました。ラップから始まる楽曲で、「プデュ」のポジションバトルのラップ部門で1位を取った海帆さんの巻き舌が序盤から冴え渡っているのが印象的でした。

海帆 ありがとうございます。ラップ色は強いし、そこももちろん聴かせたいポイントなんですが、ボーカルの面でもそれぞれの役割があって。僕たちのスキルを高めないとボーカルが曲に負けてしまうので、すごく話し合って練習しましたね。時間をかけて完成させた作品です。

海帆

海帆

──ボーカルに高いスキルが要求される、難易度の高い楽曲なんですね。

太田 最後のほうの冬馬くんのフェイクがすごくカッコいいんですよ。歌唱力が発揮されているので、僕は特にそこを聴いてほしいですね。

冬馬 ラップが多い曲だったので、「ボーカルラインをどういうふうに出せるか」と苦戦しました。歌で何かを表現できないかなと試行錯誤して、オリジナルで作ったのがそのフェイクなんです。言葉はないけど、メンバーやファン、家族への気持ちを表現しているので、伝わったらいいなと思います。

古瀬 あそこはマジでカッコいい。イントロからインパクトがある曲で、英語の掛け合いから始まって、サビもパワフルなんですけど、それを超えるような最後の冬馬のフェイクがすごいアクセントになって。最初から最後まで飽きることなく楽しめる1曲になっていると思います。僕たちも冬馬のフェイク、すごく好きです。

冬馬 ……泣きそうです。ありがと。歌詞カードを見るとわかると思うんですけど、英語の量が多いんですよ。だからラップや歌はもちろんなんですけど、発音もみんなすごく練習しました。そこも聴いてほしいですね。

──冬馬さん、海帆さんという英語が堪能な方がいるので、メンバーに教えたりもしたんでしょうか?

高橋 2人には本当にたくさん教えてもらいましたね。

栗田 英語の部分だけゆっくりしゃべったり歌ったりした音声をデータで送ってくれて、それを真似して練習しました。すごく助かりました。

冬馬 でも直輝も英語がすごく上手なんですよ。

古瀬 柊もじゃない? みんなでがんばりましたね。

──歌詞からは、「俺たちについてきな」とファンの方を引っ張っていくような力強いメッセージを感じました。

海帆 どストレートに「これから突き進んでいくぞ」という内容ですね。サウンドももちろんですけど、歌詞も同じくらいパワフルで。僕たちの気持ちを1ラインごとに乗せて歌っているし、それがダンスにも表現されていると思います。

太田 「IT'S A BOP」というタイトルの通り、これを聴いている方が「自分が一番カッコいい」と思ってくれたらいいなって。聴きながら歩いていたらついカッコつけてしまうくらい、僕たちの曲から元気をもらっていただけたらいいなと。自分たちも数年後に聴いたらきっと勇気をもらうと思います。

冬馬 僕たちの過去や今まで乗り越えてきた道、そしてファンへの感謝や愛も歌詞で表現しているというか。とてもいい形で僕たちのストーリーの始まりを表現した曲だなと思っています。ただの「カッコいい曲」だけでは終わってほしくないですね。感謝の気持ちや熱い気持ちが伝わってほしいです。

──ミュージックビデオは皆さんが2人ずついるようなストーリー仕立てで、とてもミステリアスでしたね。

四谷 考察しがいのある内容だと思うので、あまり詳しくはお話しできないんですが……ちょっとだけ説明すると?

高橋 自分たちの二面性ですよね。やんちゃな僕たちと、美術品のように身動きしない僕たちがいて……。

──高橋さんは「カリスマ彫刻担当」を謳っていらっしゃいますもんね。

高橋 ありがとうございます(笑)。そんな2つの自分たちが、最終的にどうなるかに注目してほしいです!

栗田 最初に監督の方に、僕たちの過去をすべて話したんですよ。「こういうストーリー性で、ファンの方が考察して楽しめるような内容にしたいです」とMVのイメージをお話ししたら、すごく深く理解してくださって、意見を反映したものに仕上げてくださいました。

古瀬 解釈に正解はないです!

栗田 感じたままに楽しんでほしいですね。

栗田航兵

栗田航兵

──海での撮影シーンなどもありましたが、初のMV撮影はいかがでしたか?

四谷 朝がめっちゃ早くて! すごく寒かったです……。

古瀬 最後のシーンを朝イチで撮ったんですけど、ちょっと雨もパラついてて大変でした。

栗田 でも、最後に虹がかかったんですよ。オレンジがかったような色は加工なしの天然の色です。「ご来光!」って感じで、初日の出よりきれいでした。

冬馬 「天気次第ではこのシーン使えないかも」と話していたんですが、運よく天気が回復して光が差してうれしかったですね。あとは気球に乗るシーンは、朝の寒い中で扇風機の風をバーッと浴び続けて、みんなでがんばりました。完成したMVを観たらみんなすごくいい表情をしていましたね。

高橋 内心は「さみーさみー」と悲鳴を上げていたとは思えないよね(笑)。

僕だから知っているメンバーの魅力がある

──2曲目の「Playboy」は打って変わって、ポップな恋愛ソングですね。

四谷 「IT'S A BOP」と比べるとさわやかで疾走感があるというか。四谷真佑イチオシの楽曲なんですが……なんとこの曲! 振り付けは直輝さんです。

一同 (拍手)

古瀬 この楽曲の解釈は、みんなで話し合って決めたんです。カッコいい男の子に気になる女の子ができて、彼は「この子はそのうち僕の虜になるだろう」って自信たっぷりで。でもその子のことを知れば知るほど、その子の魅力にハマっていって、自分のほうが虜になってしまうという。外見と内面で二面性を持っているというストーリーですが、僕たちはこれを、ファンの皆さんにも向けられる歌詞だと解釈したんです。ファンの皆さんは僕たちを好きになって応援してくれるけど、僕たちはファンの皆さんがいるから活動できるし、応援してもらってパフォーマンスに力が入るので、ずっとそばにいてほしい。それってこの男の子と同じ心情だよね、と。みんなで認識をそろえてレコーディングに臨みました。

古瀬直輝

古瀬直輝

──なるほど。そうした解釈を古瀬さんはどう振り付けに落とし込んでいったんでしょう?

古瀬 「IT'S A BOP」は「ワーッ」というバイブスを出すことで映える振り付けなんですけど、「Playboy」はシルエット重視というか。アッパーチューンなので、ポップなバックの音を取ったり、歌詞に音ハメをしたり、そのあたりを意識しましたね。あとは僕だから知っているメンバーの魅力があるので、それぞれのパーソナリティを生かせるように構成を考えてみました。

冬馬 「この人はこういうバックグラウンドなんだよ」ということを踏まえて振りを作ってくれているので、場面ごとに楽しめます。フォーメーションもすごくこだわっていて、誰が歌っているかがすぐわかる振りになっていますね。8人って、意外とフォーメーションを作るのが難しいんですけど、それをうまく生かしているのですごいなと思いました。あと、この曲の歌詞も実は英語が多くて。「IT'S A BOP」と全然違う曲調ですけど、これこそ僕たちが掲げている「変幻自在」というコンセプトに合っているんじゃないかなと思っています。

栗田 初めて振り入れをしたとき、ダミーの方が踊るのを見せてもらったら、すごくタイプな振りで、「おー!」って上がりました。直輝が作ってくれたこの振りは、何回踊ってもずっと楽しい気持ちで踊れますね。

古瀬 本当? やったあ。

栗田 疲れを感じないくらい、踊ってて楽しい。ありがとうございます!