nobodyknows+インタビュー|地元・名古屋を拠点にあくまでもマイペースに、18年ぶりの再ブレイクを果たした5人の“今” (2/2)

「メンバーを笑かしてやろう、喜ばせてやろう」

──「ココロオドル」は過去にも何回かリバイバルしていますね。息の長い曲になった理由はなんだと思いますか?

MITSU それはまあ……名曲だからだと思います(笑)。

──その名曲ぶりを少し詳しく教えていただけましたら。

MITSU それはちょっと……(笑)。でもいつでもあれぐらいはヒット打てるよ、っていう気持ちでなんとかやりくりしてます(笑)。

──実際、発表から18年を経た今聴いても、やっぱりいい曲だなと思います。

MITSU ライブでずっとやってる曲なんで、僕らの中ではあんまり昔の曲という感覚がないんですよ。ほかの曲も同じですけど。たまたま今回こういう形で引っかかって、いろんなところで取り上げていただけたというだけでしかなくて。「当時と全然変わってない」とよく言われますけど、自分でもそうだなと思います。

──変わっていないという感覚はMCの皆さんも同じ?

Crystal 変わらない……と思いたいですけど、ジャンプ力がなくなってたりはしますね(笑)。

Crystal Boy

Crystal Boy

ノリ ちょっと失礼な言い方ですけど、ライブのときもお客さんに向けてやってないっていうか(笑)。「メンバーを笑かしてやろう、喜ばせてやろう」みたいなところがちょっとあるんで。そういう雰囲気が今回の「THE FIRST TAKE」にも出ていたんだとしたらしめたもんですよ(笑)。だから間違えても面白いし。

──最高のネタが来たみたいな感じ?

ノリ 「やるな!」というか「やったね!」みたいな(笑)。「また、いい酒飲めるぜ!」って感じでした。

──皆さんとても仲がよさそうですね。一緒に遊びに行ったりは?

MITSU さすがにみんなもういい歳なんでそれはないですけど、会えば楽しくやってますね。

ホクロマン 一緒によく飲んでますよ。

ライフスタイルの延長線上にある音楽活動

──結成23年目というのはそれだけで偉業だと思いますが、ご本人たちとしては自然体でなんとなく長続きしている感覚なんでしょうか。それとも「続けたい」という強い意志が前提にある感じ?

MITSU 無理やり続けようとは誰もしてないと思いますね。特にここ10年ぐらいは、忘れかけてた頃にライブのオファーが来て「じゃあ行きましょうか」みたいな感じでやってるんで。それぞれの仕事と生活のリズムがあるから、そこに配慮しながらの活動ではありますけど、ただ「そこにnobodyknows+があるんだよ」っていう感覚だけはみんなあると思うんですよね。わかんないですけど。

DJ MITSU

DJ MITSU

──ナシさんはどうですか?

ホクロマン その通りです!(笑)

──ノリさんは?

ノリ そんな感じですね、うん。

──ヤスさんどうですか?

ヤス その通りです。

──Crystalさんは?

Crystal その通りです。

──全員一致ですね。

ヤス MITSUさんあってのnobodyknows+なんで(笑)。

nobodyknows+

nobodyknows+

MITSU 単に僕が年上っていうだけですけどね(笑)。あと役割がちょっと違うんです。僕は曲を作って、詞を書いて歌うのは彼ら4人。そういうことでバランスがいいのかもしれないですね。

──昔は「何がなんでも音楽1本で」という人が多かったですけど、最近は別の仕事で生計を立てながら音楽は音楽で時間をかけて質の高いものを、と考える人が増えてきた気がしますが、nobodyknows+の活動スタイルはその先駆けのようにも思えます。

MITSU 2009年にソニーとの契約を解除してもらったとき、メンバーにそういう話はしました。ちゃんと仕事をしながら、地に足の着いた姿勢で音楽と向き合っていくのが正解だと僕はずっと前から思っていたので。

ヤス 名古屋にずっといるんで、わりとゆるいんですよ、最初から。服を作ったり、プロレスをやったりっていう、それぞれのライフスタイルの延長線上で「自分ができることはなんなのかな?」っていう感じで、ずっと音楽を続けてきたんで。

ヤス一番?

ヤス一番?

──自然に活動を続けてきた結果が今ということですね。

ヤス そう思います。

──それぞれ仕事を持ちながら、ライブをやったり作品をリリースして、たまにこうして全国的に話題になったりするというのは、傍目には理想的な活動ペースに見えますが、皆さん自身としてはどんな感じですか?

Crystal コロナでしばらくライブができなかったんで、ライブのときにみんなに会えるのはすごくうれしいし、余計感謝するようになってますね。

ヤス 僕は居酒屋をやってるんですけど、ライブのあとにお客さんがいっぱい来るんで、もうちょっとnobodyknows+をやりたいなと思ってます(笑)。

ノリ 商魂たくましい(笑)。僕は今ぐらいのペースが理想ですけど、もっとゆったりでもいいですね(笑)。普段の生活で、やらなきゃいけないことがいっぱいあるんで。でもまあ月1本ぐらいライブがあってみんなに会えて、一緒に飲んで、っていう感じが楽しいです。

ホクロマン 僕も今ぐらいがちょうどいいのかなって思います。話題になってるからって、あんまりワーッとやっても自分自身、新鮮味がなくなってきちゃうんで。常に楽しくやっていければいいなと思ってます。

nobodyknows+

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プロフィール

nobodyknows+(ノーバディーノウズ)

1999年に名古屋で結成された、4MC+1DJのヒップホップグループ。2003年にミニアルバム「nobody knows 3」でメジャーデビュー。2004年のシングル「ココロオドル」が大ヒットを記録し、同年末、「NHK紅白歌合戦」初出演を果たす。2006年には47都道府県を回る全国ツアーを開催し、大成功を収める。以降コンスタントに作品を発表したのち、2011年に地元・名古屋のSigma Sounds Studioに移籍。中日ドラゴンズとのコラボレーション、「TOKAI SUMMIT」をはじめとする大型フェスに多数出演し、東海地区の音楽文化に注力。2012年に愛知県より「あいち音楽大使」に任命される。2020年、「ヒプノシスマイク」に提供した楽曲「Bad Ass Temple Funky Sounds」がヒット。2022年6月にはYouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」で、「ココロオドル」「Hero's Come Back!!」をパフォーマンスして大きな話題を呼んだ。