nobodyknows+インタビュー|地元・名古屋を拠点にあくまでもマイペースに、18年ぶりの再ブレイクを果たした5人の“今”

YouTubeチャンネル「THE FIRST TAKE」でのパフォーマンスがきっかけとなり、nobodyknows+が国内外の音楽ファンから注目を浴びている。

6月10日に「THE FIRST TAKE」にて「ココロオドル」(2004年リリース)のパフォーマンス動画が公開され、現時点で1692万再生という大ヒットを記録。続いて22日に公開された「Hero's Come Back!!」(2007年リリース)も281万再生を超え、それぞれのミュージックビデオもめきめきと再生数を伸ばしている。「THE FIRST TAKE」での「ココロオドル」は2007年に脱退したg-tonを加えた6人でのパフォーマンス。途中でミスが生じるも、むしろそこからどんどんノリが出てくるうえに、とにかく全員が楽しそう。一発録りならではの奇跡を味わわせてくれるのがハネまくった理由といえる。続けて収録された「Hero's Come Back!!」は盤石のパフォーマンスで、海外のファンのコメントが多いのも印象的だ。7月20日にはこの2曲をカップリングしたアナログ7inchシングルもリリースされた。

音楽ナタリーではnobodyknows+にインタビューを実施。「THE FIRST TAKE」の舞台裏はもちろんのこと、結成以来、地元の名古屋に拠点を置いて全員が生業を持ち、マイペースで音楽活動を続けるスタンスについても話してもらった。

取材・文 / 高岡洋詞撮影 / 沼田学

「THE FIRST TAKE」登場後の反響

──ここに来る前に別のアーティストの取材をしていたんですが、「これからnobodyknows+の取材で」と言ったらその場にいた何人もの人が「『THE FIRST TAKE』観ました。あれ最高ですよね!」と盛り上がっていました。皆さんは反響を実感されていますか?

ホクロマン半ライス!!! いろんな方に「観ました!」と言ってもらえますけど、反響といってもそれぐらいで、生活はほぼ変わりませんね(笑)。あとは、こういう取材が増えてきたりテレビに出られるようになったりだとか、そういうことを通して話題になっているような気がしてきました。

DJ MITSU メンバー全員、あまりYouTubeを観ることがなくて、何回再生とか言われても、それがどうすごいのかわからないんですよ(笑)。

nobodyknows+

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ノリ・ダ・ファンキーシビレサス 僕は普段、周りに若い子があまりいないんで、「観てます」という話自体聞かないんですよね。

ヤス一番? 俺、今日言われたよ。いつも仕事関係の仕入れで魚を買いに行くんですけど、何度も会ってるはずなのに1回もしゃべったことのない人から話しかけられました。

Crystal Boy 「観たよ」って?

ヤス うん。俺が音楽やってることは前から知ってたみたいで。

ノリ そのことを知るきっかけになったんだ。

ヤス そうそう。俺は知らんもんだと思って接して……まあ接してもないんだけど、ずっと俺を「あの人だ」と思って見てたんだろうね(笑)。

──「THE FIRST TAKE」での「ココロオドル」は、ミスが出てからむしろ全員が笑顔になって、どんどんノリがよくなっていったのが観ていてとても楽しかったんですが、現場では皆さんどんなことを考えていらっしゃいましたか?

ヤス 特に何も考えてなかったですね。「やっちまったな」って感じでしたけど、「しょうがないな、もう1回やるのかな?」みたいな(笑)。「ほかのメンバーもみんなやり続けてるし、まあやろうか。楽しくやり切っちゃうのがいいな」と思った。

ホクロマン ブースに入ったときはすごく緊張感が漂っていて、みんなしゃべり方もぎこちなくて、「ちょっとおかしいな」って思いながらスタートしたんですけど、途中からニヤニヤしていつものライブ感が出てきたので、どんどん素になっていった感じですね。普段のライブもけっこうああいう感じでやるんで。

──ミスを魅力に転化させたのは、さすがライブ経験豊富な皆さんですね。

ヤス コロナ前は絶対に間違えなかったんですけどね。ライブやらんくなってたから。

Crystal そうやね。

──事前に練習はされましたか?

ホクロマン g-tonさんが入るので、そのへんの確認ぐらいですね。

MITSU すぐ終わったよな。

ホクロマン 普段からライブに向けて練習とかしないし、当日のリハで全体の流れを確認するだけなんで。

──全然練習しないんですか?

ヤス 隠れて家でやってる可能性はありますけどね。「ライバルに負けたくない!」ってやつがいるかもしれないんで(笑)。

ノリ 言わないだけで、ものっすごい意識してるとか(笑)。

ノリ・ダ・ファンキーシビレサス

ノリ・ダ・ファンキーシビレサス

YouTubeのコメント欄に届く海外からの声

──「Hero's Come Back!!」のほうは、もっとリラックスした感じに見えました。

ホクロマン こっちは収録があとだったからですかね。

ヤス 僕は「もう1回間違えたらどうしよう」と思ってました。間違えたのにカッコつけてサングラス着けてていいのかも迷いましたし(笑)。

──YouTubeのコメント欄に外国語のコメントが多いのは、この曲がアニメ「NARUTO -ナルト- 疾風伝」のオープニングテーマだった影響でしょうね。

ヤス ナシ(ホクロマン半ライス!!!の愛称)のサビの発音がいいっていうのもあるんじゃない?

ホクロマン そんなこと初めて聞いたわ(笑)。

ヤス 「Everybody Stand Up!」の発音がスーッと入ってきたとか。

ノリ 外国の人にね。

──nobodyknows+の年下世代のアーティストへの影響はすごいものがありますね。Creepy NutsのR-指定さんが「全員ラップがうまくて個性的だ」と言ってモノマネをしたり、kiki vivi lily、スカイピース、hy4_4yhなど楽曲をカバーする人もたくさんいたり。

ホクロマン ありがたいですね。

ホクロマン半ライス!!!

ホクロマン半ライス!!!

ヤス こないだR-指定とイベントで一緒になったとき、僕らのライブで盛り上がってくれとったよね。

ホクロマン リアルタイム世代じゃない、もっと年下の層に聴かれているのがありがたいし、うれしいです。今回の「THE FIRST TAKE」もそういう若い人たちに観てもらえた感じがしたんで。ウチのバイトの大学生とかが言ってくれたりするから。