ナタリー PowerPush - 新山詩織

「ひとりごと」に込めた願いごと+私の好きな4作品

私の好きな1枚:BUMP OF CHICKEN「jupiter」

──今回詩織さんには好きなCD作品を4枚選んできてもらいましたので、1枚ずつ詳しくお話を聞いていきたいと思います。まずはBUMP OF CHICKEN「jupiter」ですね。BUMP OF CHICKENを好きになったきっかけは?

中1のときに文化部発表会っていうのがあって、そこで軽音の先輩が「ラフ・メイカー」っていう曲をやるって言ってて。そのタイトルがすごい引っかかってたのかあとで検索してライブ映像を観てみたら、バンド演奏が始まって藤原(基央)さんが歌い出した瞬間にピンとアンテナが反応して、そこで一気にファンになりました。自分の中で中学時代は一番どうしようもなくモヤモヤしていたときだったから、歌詞がすごく心に刺さって。中1の夏からずっと自分の隣にいるような存在のバンドです。

──「jupiter」を選んだのはなぜですか?

単純に好きな曲がたくさん入ってる。特に「Title of mine」は寝る前とかによく聴いていて、今でも嫌なことがあったときは絶対聴いてから寝ています。歌詞がそのまんま全部自分に当てはまるし、一番思い入れがあって、今でも一番好きな曲。

──BUMPのどこに惹かれるんだと思いますか?

どんなに激しい曲でもバラード調の曲でも言葉がスーッと奥まで入ってくるから、それで自分の気持ちが前向きになったり、もっとこうしてみようかなって考え直したりできるというか。そういうところが惹かれた理由なのかなと思います。

私の好きな1枚:ART-SCHOOL「PARADISE LOST」

──2枚目はART-SCHOOL「PARADISE LOST」です。

高1のときに「COUNTDOWN JAPAN」に行ったんですけど、前の日に出演アーティスト一覧を見てたらART-SCHOOLっていうバンド名がすごい気になって。

──バンド名にまず引っかかったんですね。

そこから調べて聴いてみたら、メロディとか曲の感じが不安そうだったり切なかったり、時々ほほえんでるようだったり色気があったりして。それまであんまり聴いたことのないような雰囲気で、吸い込まれていくような感覚がありました。1回聴き出したらずっと聴いていたくなるし、同じ曲でもずっとリピートしたくなる中毒性もあって。それで「COUNTDOWN JAPAN」でライブを観たらイメージそのままだったのでさらに好きになって、それからはけっこうライブに行ってます。今じゃもうかなり好きなバンドです。

──「PARADISE LOST」で好きな曲は?

「ダニー・ボーイ」と「BLACK SUNSHINE」。「BLACK SUNSHINE」から「ダニー・ボーイ」に続いていく流れがもうたまらなく好きで、いつも聴いています。あと「PERFECT KISS」もちょっとおしゃれな雰囲気があってかなり好きです。

私の好きな1枚:THE GOLDEN WET FINGERS「KILL AFTER KISS」

──3枚目はわりと最近の作品ですね。THE GOLDEN WET FINGERS「KILL AFTER KISS」。

高1のときにお父さんがROSSOの「シャロン」の動画を見せてくれて、そこでチバさんを知って。今まで聴いてきた曲とは路線がグイッと変わる、初めてガンガンにロックな曲を聴いたんですけど、正直最初はちょっとした抵抗というか「おお……」って構える感じがあって。

──カルチャーショックのようなものですね。

でもそのあともずっと引っかかってたので、自分から調べて聴いてるうちにだんだん耳になじんできて。「なんだこのカッコいい音楽は」と思うようになったっていうのがチバさんにハマったきっかけなんですけど。ROSSOから入ってミッシェルにいって、The Birthdayにいきました。

──ROSSOやミッシェル、The Birthday ではなくTHE GOLDEN WET FINGERSを選んだのはなぜですか?

いい意味ですごく泥臭いし、勝手に自分で思ってるだけなんですけどチバさんが一番楽しそうだなって。すごく自由で、思いのままにやっている感じがして……それを聴いて自分も触発されたというか。

──「こういう音楽をやりたい」と?

やったらどうなるんだろう(笑)。でも本当に、気持ちが縮こまったときとか嫌なことがあったときにこのアルバムを聴くと、自分を引っ張りだしてくれる感じがする。「立てよ」って言ってくれるようなアルバムなので、大好きです。

私の好きな1枚:ポール・ウェラー「As Is Now」

──最後はポール・ウェラー「As Is Now」、4枚目で初の洋楽です。ポール・ウェラーは何がきっかけで?

ポール・ウェラーはチバさんのルーツを探っていたときに知りました。「THE ROCK STORIES」(フジテレビ系)っていう番組にチバさん本人が出てトークしていたんですけど、そこで話に出ていたアーティストの1人がポール・ウェラーで。それがきっかけで「As Is Now」を買ってのめり込みました。

──ポール・ウェラーのどこが魅力的だったんですか?

もうとにかく最初に好きになったのが声です。自分はちょっと声フェチなんですけど、ちょっとハスキーだけどどこか透き通るような声がどストライクで。曲もこの年代ならではの渋い雰囲気があって、エレキギターの音もすごい好きです。優しい感じだけど突き刺してくるようなカッティングとか。このアルバムの1曲目「Blink and You'll Miss It」はライブのSEでいつもかけてます。

──ああ、そうなんですね。じゃあ目指すはポール・ウェラーのようなカッティングができるアーティストですね。

あんな音出せたらな……。それにポール・ウェラーを知ってから、ちゃんと洋楽を聴くようにもなりました。ライブを観たことがないので来日してくれないかな(笑)。前来てたときは情報不足で行けなかったんで、次に来日したときは絶対行きたいです。

ライブスケジュール
第13回青少年のためのコンサート
2013年12月14日(土)
新潟県 三条市中央公民館大ホール
OPEN 14:30 / START 15:00
新山詩織(にいやましおり)

1996年生まれのシンガーソングライター。幼少期より父親の影響でブルース、パンク、ロックを聴いて育つ。2012年、ビーイング主催の新人発掘オーディション「Treasure Hunt ~ビーイングオーディション2012~」に「詩織」名義で出場。オリジナル曲「だからさ」と椎名林檎「丸の内サディスティック」を弾き語りで披露してグランプリを獲得する。同年12月、新山詩織としてアーティストデビュー。2013年4月に笹路正徳をサウンドプロデューサーに迎えたメジャー1stシングル「ゆれるユレル」をリリースし、7月には映画「絶叫学級」の主題歌として書き下ろした「Don't Cry」を2ndシングルとして発表した。11月13日、3rdシングル「ひとりごと」をリリース。タイトル曲はTBS系「CDTV」の11月度エンディングテーマに採用されている。