音楽ナタリー Power Push - ニコナタ(音楽)YOSHIKI
ファンと自然体でつながれる場所を求めて 「YOSHIKI CHANNEL」リニューアル
hideが話しかけてくる気がした
──今日はニコニコ生放送の1日密着取材が入っていて大変だったと思いますが、振り返ってみていかがでしたか?
まだよくわかってないですね。昨晩、香港から日本に来たばかりなので、まだ夢を見ているみたいな。先ほどのチャリティイベント(「ミス・インターナショナル×YOSHIKI チャリティガラ2015」)では72カ国から集まったミスインターナショナルの女性の方々に囲まれていたので、特に。
──今日は横浜にオープンしたDMM VR THEATERでhideさんのホログラフィックライブをご覧になっていましたが、実際にホログラフィック化されたhideさんの姿を観た感想を聞かせてください。
やはりまだショックのほうが大きかったです。客席から観ていて、1曲終わったあとにhideが「YOSHIKI、なんでそんなところから観てんの?」って話かけてくるような気がしちゃいまして。僕はこの公演を応援したいという気持ちでいるんですが、ちょっとまだしっかり観られないくらい……。
──本物のhideさんがすぐそこにいるような気持ちになられたと。
そうですね。X JAPANのラストライブ(1997年12月31日の「THE LAST LIVE」)のときは開始5分で感極まって涙が出てしまったんですね。今回はそのときみたいにすぐ泣くなんてことはなかったですけど、当時の風景や気持ちが一気に蘇るくらいクオリティがすごかったっていう意味で……大変でした。
──2008年のX JAPAN復活ライブでもホログラムのHIDEさんが登場する場面がありましたね。
今回観たものと2008年のときのホログラムは基本的には同じようなシステムなんです。でも今回の映像は本人の映像を取り込んだものではなく、3DCGで作られたhideのホログラムなんですね。だから当時より格段に表現技術がグレードアップしていましたね。
HIDEと話したインターネットの話
──近年のYOSHIKIさんはかなり積極的にSNSでファンとコミュニケーションを取っていますね。HIDEさんもインターネットにハマっていて、よくファンとメールやBBSでやり取りをしていたそうで。
もともとX JAPANとファンとの間に入るスポークスパーソンのような役割をしていたのは、HIDEだったんです。HIDEが「ファンとのコミュニケーションは僕がやるから、YOSHIKIはリーダーとして勝手に突っ走ってくれ」っていう感じで、メンバーそれぞれに役割があったんですよ。でもHIDEがいなくなってしまって……そうですね、「これからはHIDEの代わりにファンのみんなともっとコミュニケーションをとっていこう」と思うようになって。それもあって僕自身が積極的に情報発信したり、ファンとのコミュニケーションを取ったりするようになりました。
──ちなみにYOSHIKIさんがインターネットを使い始めたのはいつ頃ですか? HIDEさんはネット黎明期からネットにハマってるとよくおっしゃっていましたが。
あの時期から僕もやってたんですけど、やっぱりネット上でもファンとのコミュニケーションはHIDEのほうが得意でした。あとHIDEはたまに来るファンからのネガティブな意見が僕に届くことをとても嫌がっていたから、ネットの話になったときもやっぱり「僕が防波堤になるから、YOSHIKIは(ファンとの交流は考えないで)好き勝手やっていい」って言ってました。だから本当に好き勝手やってましたね(笑)。
──その当時、HIDEさんとはインターネットの未来像についてお話はされましたか?
未来像までは話してなかったですね。でもファンとのコミュニケーションを取るにあたって、インターネットで今後どういう立場、環境を作っていけばいいのかなって話はした記憶があります。そんな話を昔HIDEとしたからこそ、僕が今SNSを積極的に使うようになって、こうやって世界中のファンのみんなとコミュニケーションを取るようになったんだなって思います。
100万人が“NO”を唱えても信念を貫く
──SNSは便利なものですが、いわゆる“炎上”や、批判的、否定的な意見が目立つ性質があると思います、特に著名人の方だと揚げ足を取るようなものもあったり。
その通りだと思います。否定的な意見もあれば、肯定的な意見もある。
──そういった批判的な意見に対して、どのように向き合っていますか?
僕は芸術家・アーティストとして、他人の意見を聞きつつも、自分のポリシーを通さなければいけないところは絶対に通さなければならないという思いがあります。その昔、僕らがヴィジュアル系っていう括りでシーンに出てきたとき、音楽評論家の方々からの総攻撃に遭ったわけですね。「バンドマンがメイクなんかして」とか「そんな格好してないで全員すっぴんでやれ」なんて言われたこともありました。
──辛口な意見が多かったんですね。
でも実際そんな意見はあんまり気にしてなくて、言われれば言われるほど“我が道を行ってやる”って気持ちが強くなっていましたね。最近は音楽性とかにしてもそう。ファンから「昔のXはこうだった」とか「最近のXは昔みたいな速い曲をやらないのか」とかいろんな意見をいただきますけど、決して速い曲をやらないってわけじゃないんですよ。
──そうなんですね。
僕らは常に進化してるんで、ファンのみんなの意見も大事だけど、ただそれだけを聞いて活動していたら僕たちがその殻から飛び出せなくなっちゃう。だから常に他人の意見の先に立って、ファンを先導していく立場にいなければならない。かと言って、お山の大将になっちゃいけないっていう、そのバランスは難しいと思います。
──確かに。
もちろんファンとのコミュニケーションは大好きですよ。でももし自分が何かをやると決めて、それに対して100万人が“NO”と言っても、自分1人だけでもそれをやるべきだっていう信念があれば僕はそれに向かって突き進んで行きたいんです。
──以前「NHK紅白歌合戦」に出場したのは?
あれには理由がありまして、ロックバンドをガンガンやってても、家族にはそのがんばりがなかなか伝わらないんですよね。だから紅白に出ることによって、身内の人たちを喜ばせたいって思いもあっての出場だったんです。とても光栄に思います。
──なるほど。X JAPANのメディア露出に関して、これまでに新聞の1面広告や、雑誌で数ページにわたってぶち抜き広告を打つなど、ファン以外の人の目にも止まるようなド派手な展開をしたことがありましたね。
あーやりましたね! そういうでっかいことするのが好きみたいです(笑)。
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- YOSHIKI CHANNEL
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X JAPANのリーダー・YOSHIKIのニコニコ動画公式チャンネル。数秒でチケットが完売したプレミアムディナーショーの生中継や、YOSHIKIとマックスむらいによるゲーム対決の様子、YOSHIKIへの1日密着企画など、ここでしか閲覧できないスペシャルコンテンツをチャンネル会員限定で配信中。
X JAPAN JAPAN TOUR
- 2015年11月28日(土)
宮城県 石巻 BLUE RESISTANCE(※追加公演) - 2015年12月1日(火)
神奈川県 横浜アリーナ(※追加公演) - 2015年12月2日(水)
神奈川県 横浜アリーナ - 2015年12月3日(木)
神奈川県 横浜アリーナ - 2015年12月4日(金)
神奈川県 横浜アリーナ - 2015年12月7日(月)
大阪府 大阪城ホール - 2015年12月9日(水)
福岡県 マリンメッセ福岡 - 2015年12月11日(金)
広島県 広島グリーンアリーナ - 2015年12月14日(月)
愛知県 日本ガイシホール - 2015年12月15日(火)
愛知県 日本ガイシホール(※追加公演)
X Japan World Tour 2016 #XDAY
2016年3月12日(土)
イギリス The SSE Arena, Wembley
※現地時間
YOSHIKI(ヨシキ)
X JAPANでドラムとピアノを担当し、リーダー、プロデューサーも務める音楽家。1989年にXとしてアルバム「BLUE BLOOD」を発表し、メジャーデビューした。1991年からソロ活動を始め、1999年には「天皇陛下御即位十年をお祝いする国民祭典」の奉祝曲の制作依頼を受けてピアノコンツェルト「Anniversary」を作曲する。2008年1月には映画「SAW IV」の全世界エンディングテーマ曲「I.V.」などをはじめとする数々のハリウッド映画音楽を手がけ、2012年、2013年と2年連続して「ゴールデングローブ賞のテーマ曲」を作曲するなど世界が注目するプロジェクトに多数携わる。2013年9月、約8年半ぶりのソロアルバム「YOSHIKI CLASSICAL」を発表し、2014年にはソロ初のワールドツアー「YOSHIKI CLASSICAL WORLD TOUR 2014」を開催した。また自身の着物ブランド「YOSHIKIMONO」でデザイナーデビューを果たしたほか、近年ではニコニコチャンネル「YOSHIKI CHANNEL」でディナーショーの模様や記者会見、ゲーム対決といった幅広いコンテンツを配信しているほか、SNSを駆使した積極的な情報発信でも注目を集めている。またX JAPANとしては2015年に約20年ぶりとなる日本ツアーを開催し、大みそかには実に18年ぶりの「NHK紅白歌合戦」出場が決定。2016年3月には20年ぶりとなるアルバム(タイトル未定)をリリースし、イギリスのThe SSE Arena, Wembleyにてコンサートを行う。