「Calc.」で本当のナノを表現できたんじゃないか

──「メランコリック (feat. neko)」と「第一次ジブン戦争 feat. ＿（アンダーバー）」ではそれぞれゲストボーカルを迎えていて、またほかの曲とは違った印象があります。

nekoさんも＿（アンダーバー）さんも以前一緒にコラボしたことがあったんですけど、リスナーさんからの反応が良くて。自分は基本的に1人で歌うのが好きなんですけど、たまにこうやって違う色を取り入れることで、新しい自分を出せるのはすごく新鮮に感じます。

──そしてアルバムのラストには、松永貴志さん（Piano）をフィーチャーした「Calc. ～Piano Live Version～」が収録されています。これまでのバンド路線からすると、このラストナンバーは異色だし、ある意味チャレンジだと思いますが、レコーディングはどうでしたか？

生のピアノと一緒に歌うレコーディングは「Calc. ～Piano Live Version～」が初めてだったので、独特の緊張感があって。多分その緊張感が声にも出てると思うんですけど、いつもとはちょっと違う自分が表現されてると思います。

──アルバム全体をチルアウトさせるような役割もありつつ、そのまま聴き逃せない緊張感も強く伝わってくる。そのバランスが絶妙ですね。

ありがとうございます。完成したアルバムを通して聴いてみたんですけど、それぞれの曲にそれぞれの役割があるなと感じて。カッコいい曲ではちょっとカッコつけた自分が表現されてるけど、最後にはカッコつけだけじゃ歌えない、そんな余裕すらなくて精一杯歌うだけの曲もある。いろんなナノの色があるけど、最終的にラストの「Calc. ～Piano Live Version～」で本当のナノを表現できたんじゃないかと。完璧ではないんだけど、それが逆に生々しくて良かったのかなと思います。

──アルバムの楽曲が虹色っていうだけじゃなくて、声や感情表現を使い分けることでよりカラフルさが増したんじゃないでしょうか。

そう言っていただけると本当にうれしいです。早くいろんな人に聴いてほしいですね。ちょっと怖い気もするんだけど、今一番リリースを楽しみにしてるのは自分なので。

新作を投稿するときはいまだに震えます

──このアルバム「nanoir」のリリースによって、アーティストとして新たなスタートを切ることになります。ナノさんはこれから、どういうアーティストになっていきたいですか？

いろんなことをやってみたいし、せっかく「英語で歌ってみた」とかもしてるので、海外のリスナーさんに自分の曲をもっと聴いてもらいたい。それと、ライブはぜひやりたいですね。

──「nanoir」の曲はライブで歌ったら楽しそうですね。

ロック調の曲が多いので、すごく盛り上がるんじゃないかな。「Calc. ～Piano Live Version～」はライブで歌ったらすごそうですけど（笑）。あの雰囲気をそのままライブでも表現したいですね。

──ニコ動での活動はどう考えてますか？

ナノはニコ動から始まったし、ニコ動でナノの音楽を聴いてくれたリスナーさんがたくさんいるので、可能な限り続けていきたい。音楽はネットを通じてどんどん広がっていくので、ネットでの音楽活動を中心にするくらいにやっていきたいです。

──ロックバンドがライブハウスでガンガンライブをやるような感じで、ネットから生まれたアーティストがネットを使っていろんな表現を続けていくのは、ある意味正しい姿なのかもしれないですね。でも、ダイレクトに反響が返ってくる分、怖くないですか？

怖いですよ。新作を公開した瞬間に、良いか悪いかっていう反応がその場でわかるわけだし、正直な反応なので気を遣ってないし（笑）。だから、新作を投稿するときはいまだに震えます。

──それを重ねることで、強くなっていくんでしょうか。

強くなったのかな？ でも、あのハラハラドキドキ感は癖になりますね（笑）。