曲を聴いたときに息ができないくらい苦しくなった

──ここからは8月22日発売の3rdシングル「理解者」について伺います。表題曲の「理解者」はこれまでのシングル曲と比べ、シリアスな雰囲気を持ったナンバーに仕上がっています。初めてこの曲を聴いたときはどう思いましたか？

帆風　カッコいい曲だなと思いました。今までのシングル曲と雰囲気がガラリと変わってるし、これをどうやってダンスで表現するんだろうと楽しみになりました。

海乃　今までカッコいい系の曲がシングルの表題曲になったことがなかったし、1人ずつのソロパートや、キャラクターのセリフパートもあって、新しい22/7を見せられると思います。

──セリフパートの1つは、西條さん演じる滝川みうさんが担当しています。

西條　「理解者」には共感できる歌詞がすごく多くて、最初に聴いたときに息ができなくなるくらい苦しくなったんです。その気持ちを滝川みうちゃんのセリフに込められたらと思ってレコーディングしました。

──歌詞は“孤独”について歌った暗めの内容になっていますね。

倉岡　この曲を聴いて、私たちにとっての理解者はそっとそばに寄り添ってくれる人のことなんだろうなと感じました。歌詞を読んで納得する部分が多くて、こんな繊細な心の描写を歌詞にする秋元（康）先生ってすごいなって思いました。

──何か心に引っかかったフレーズはありました？

海乃　最後の「いつの日にか気付くだろう 背中向けたのが 唯一の理解者」という歌詞を見ると、切なくて胸が苦しくなります。離れて背中を向けられたあとに、その人が自分の理解者だったと気付くっていう。この曲の主人公はこの先どうやって生きていくんだろうって考えちゃいました。

何をしているのかまったくわからなかった

──「理解者」のダンスはかなり動きが激しいですよね。覚えるのが大変だったのでは？

帆風　そうですね……今回の曲は全体的に動きが激しくて。西條和ちゃんはどんな曲を踊ってもほとんど汗をかかないのに、「理解者」では汗をかいたんですよ。

西條　動きの大きい振り付けが多くて、丁寧に踊ろうとすると体力をすごく消耗するんです。私がぐるぐる回って千春ちゃんに止めてもらう振り付けもあって、体力に加えてバランス感覚が要りますね。

──「理解者」は7月22日に東京・ダイバーシティ東京フェスティバル広場で行われたフリーライブで初披露されましたが、ライブで踊ってみていかがでした？

帆風　レッスンやMVの撮影で踊るのとは全然違いました（笑）。そのときの映像を見返すと自分で想像していたのと全然違う動きをしていて。細かいところにも注意しないと完成しない振り付けなんだなと感じました。

──倉岡さんは前回のインタビューでダンスが得意ではないとおっしゃっていましたが、「理解者」の振り付けの習得にも苦労したのでは？（参照：22/7「シャンプーの匂いがした」インタビュー）

倉岡　最初にダンスの先生が送ってくださったお手本の動画を観たときに、何してるのかまったくわからなくて（笑）。私には無理かもしれないと思ったんですけど、ゆっくり教えていただいて踊れるようになりました。なので、今回のMVの都ちゃんの踊りは誇らしいですね。

アニメーションだからこそ表現できるMV

──その「理解者」のミュージックビデオではキャラクターたちが渋谷のスクランブル交差点で踊るシーンがとても印象的ですが、皆さんが思う注目ポイントはどこでしょう？

帆風　1人ひとりにソロパートがあるので、それぞれのキャラクターの表情に焦点が当たるシーンが多くて。今までになかった切ない表情を見せているので、そこにも注目してほしいです。

海乃　アニメーションだからこそ表現できるMVになっていると思います。人通りの多い中、渋谷のスクランブル交差点の真ん中で踊ることなんてリアルではまずできないですし、キャラクターの表情の映し方もアニメならではの演出だなと感じました。

西條　キャラクター1人ひとりが別々の世界観を持っていて、一緒に映っててもべったりくっついていないと言うか、MV全体を通してそれぞれの個が表現されていると思います。キャラクターたちが何を思っているのかを想像しながら観ていただきたいです。

──モーションキャプチャで動きを録っているときは、完成する映像のことを思い浮かべながら踊るんですか？

海乃　私はダンスが苦手なので踊りながら情景を思い浮かべる余裕はなく、自分のことで手一杯になっちゃいます。でも、カッコいいMVにしようという意識は持っていました。