キャラクターとライブを作り上げている
──オーディションに合格し、デジタル声優アイドルとして約半年間活動してきた皆さんが今思う、22/7のほかのアイドルや声優ユニットとの違いはなんですか?
天城 モーションキャプチャを使ったライブのときのキャラクターの動きも私たち自身が演じていて。よりキャラクターと密接に活動できていると感じています。
──なるほど。活動内容としては定期的に朗読劇イベントが行われていますが、これはどういったものなんでしょう?
帆風 秋元康さんが描いてくださった6つのお話を、メンバーが2人か3人で朗読するというものです。第1回と第2回のときは私たちはまだ顔見せをしていなかったので、お客さんの前に立つのではなく、声と光の演出のみでお話をお届けしました。第3回は配役が決定したあとに行われたので、11人のうち演じるキャラクターが決まった私たち8人は姿をお見せして朗読しました。
天城 1回目と2回目の公演ではお客さんのリアクションを見れなくて、「今の伝え方でよかったのかなあ」と反省することもありました。でも、3回目ではお客さんの表情を直接見ることができたので、とてもうれしかったです。
──7月22日には朗読劇イベントとは別に初のライブイベントが開催されましたね。
白沢 はい。デビューシングル表題曲の「僕は存在していなかった」とカップリング曲の「地下鉄抵抗主義」の2曲を披露しました。「僕は存在していなかった」ではスクリーンに投影されたキャラクターのパフォーマンスのあとに、実際に私たちが歌って踊るリアルライブも披露して。キャラクターと一緒にライブを作り上げている感覚がありました。
帆風 キャラクターと私たちがすごくリンクしていて、どちらもやっていて楽しかったです。
キャラクターと一緒に生きていく
──初のライブイベントではデビューシングルのリリースが発表されました。表題曲の「僕は存在していなかった」では内向きな思いが希望に変わっていく様子が描かれていますね。
倉岡 はい。私はこの曲の「傷つくくらいなら夢なんか見たくない」という歌詞が好きで。声優を目指すことを親に反対されて「夢を捨ててしまおうかな」と思ったこともあったんですが、この曲では自分を肯定して前に進む思いが歌われていて、とても共感できます。
天城 私もその歌詞が好きです。アメリカから日本に来て絶対に声優になれるという保証はなかったし、それまでは家族と離れたこともなくて。「挫折するくらいなら家族のもとにいたほうがいいのかな」と何回も夢を諦めようと思ったことがありました。
──シングルにはこの曲のほかに「地下鉄抵抗主義」とメンバー11人全員での歌唱曲「11人が集まった理由」が収録されますが、どの曲もメンバーのリアルな思いを重ね合わせた歌詞になっていますね。
天城 この3曲はストーリーがつながっていると私たちは思っているんです。過去形のタイトルの「僕は存在していなかった」ではメンバーの今までのことが歌われていて、「地下鉄抵抗主義」では「キャラクターをもらえた8人だけじゃなく、絶対に11人全員でデビューしようね」という私たちの思いが表されていて。そして「11人が集まった理由」では私たちの「11人ならなんでもできる気がする」という未来への希望が描かれています。
──なるほど。タツノコプロ制作による「僕は存在していなかった」のミュージックビデオは全編3DCGで構成されていますが、映像に登場するそれぞれのキャラクターの動きは皆さんがモーションキャプチャを使って演じたんですよね?
帆風 ダンスシーンはもちろん、走ったり寝転んだりする細かい動きも私たちがモーションキャプチャ用のスーツを着て演じて。この収録を通して「私たちはこれからキャラクターと一緒に生きていくんだな」とうれしい気持ちになりました。
天城 収録中にふとため息をついたとき、キャラクターが映っているモニタを観たら、藤間桜ちゃんがすごい猫背で映っていて(笑)。こんな細かいところまで私とキャラクターはリンクしているんだと感激しました。
帆風 いつか私たちの姿を一切見せない、全編キャラクターだけのライブもやってみたいですね!
倉岡 中途半端なことをしているとアイドルファンの方にも声優ファンの方にも興味を持っていただけないと思うので、どちらの方からも応援してもらえるようなグループになれるようにがんばります。
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海乃るり、花川芽衣、宮瀬玲奈、西條和 インタビュー
- 22/7「僕は存在していなかった」
- 2017年9月20日発売 / Sony Music Records
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完全生産限定盤Type-A [CD+DVD]
1800円 / SRCL-9520~1 -
完全生産限定盤Type-B [CD]
1300円 / SRCL-9522
- CD収録曲
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- 僕は存在していなかった
- 地下鉄抵抗主義
- 11人が集まった理由
- 僕は存在していなかった -off vocal ver.-
- 地下鉄抵抗主義 -off vocal ver.-
- 11人が集まった理由 -off vocal ver.-
- 完全生産限定盤Type-A付属DVD収録内容
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- 「僕は存在していなかった」music video
- 22/7(ナナブンノニジュウニ)
- ©22/7 PROJECT
- 秋元康、ソニー・ミュージック、アニプレックスがタッグを組んで誕生させた“デジタル声優アイドル”。2016年12月に発表されたオーディションの合格者11人によって構成され、そのうち8人は堀口悠紀子をはじめとするクリエイターがデザインしたキャラクターを演じている。2017年4月に朗読劇イベントの第1回公演を開催。同年5月に行った第2回公演で、8体のキャラクターの声優を担当するメンバーをお披露目した。7月22日には初のライブイベントが行われ、22/7がアニメ化すること、9月にメジャーデビューシングル「僕は存在していなかった」をリリースすることが発表された。