ナタリー PowerPush - NAMBA69

難波章浩、新バンドで目指す最強

「俺らのバンドだ!」って気持ちにどんどんなってる

──ソロ名義でのサポートを経て晴れてバンドメンバーになりましたが、心境の変化みたいなものはありました?

左からSAMBU(Dr)、K5(G)。

K5 自然な流れと言えば自然ですね。

SAMBU うん。今までもサポートメンバーやったけど、それ以上のものを出さないといけないっていう気持ちではあったんです。普通のサポートメンバーじゃないっていうか、CDのジャケットとかに俺らも出させてもらってたから。

K5 そう。“難波バンド”を一緒にやってるつもりでしたね。でも周りからは「難波章浩のソロでしょ?」って感じで見られて、そこに自分がズレを感じるときもあって。だから正式に3人のバンドになってやりやすくなった。「俺はこうしたい」「俺はこう思う」ってやり合いながらみんなで作れるようになって。難波さんが「コイツら大丈夫だ」って思ってくれたかわからないけど、ずっと俺とかサンちゃんの成長を見てきくれた。

──正式なバンドになったからには、よりブッ込まないといけないというか、求められるものも多いのでは?

K5 そうなんですけど、方向性がすごいシンプルになったから。

SAMBU うん。以前より楽になった部分もあるよね。

──遠慮する必要がないというところで?

SAMBU はい。ツアーとか他のバンドと回ると、すごいいいなあって思ったりしたこともあって。うちらも形はバンドやけど、ソロだとちょっと違う部分があった。

K5(G)

K5 わかる。みんなで「バンドやろうぜ!」って組んだバンドじゃないからね。俺らにとって難波さんはリスペクトする存在だし、さらに言ったら年上だし。だからコミュニケーションをとるのに時間はかかりました。でも慣れ合いの関係じゃないからそれがよかったし、しかもそういうところからバンドになったので、目的がハッキリしててすごくクリエイティブなんですよ。「俺らのバンドだ!」って気持ちにどんどんなってる。

──難波さん自身はこの2人のバンドに対する熱意に背中を押された部分もあるって言ってましたよ。

K5 おお何それ! うれしいー(笑)。もっと言ってほしい!

SAMBU はははは(笑)。うれしいね。

K5 今までやってきたことは無駄じゃなかった。全部がつながってて、やっと形になったというか……ちゃんと根を張ったからもっと上にアガってこうぜって感じですね。

──必要な準備期間を終えて、物語の本編が始まった感じというか。

K5 ホントにそうですね。曲も一緒に作るようになったし。ジャムりながら作っていくのが俺も一番好きなやり方で。

SAMBU 完全にゼロから作っていくからね。

K5 うん。1曲目の「TRUE ROMANCE」とかは最初に俺がリフを持ってきて、サンちゃんと組み立てて、難波さんと合わせてって感じで。すごい柔軟だし、流れに逆らってない感じがするね。

──メタリックな曲調の3曲目「GHOST」もセッションで作っていったんですか?

SAMBU 最初にイントロができたんやったっけ?

K5 そう。あれはほかのハードな音楽に影響されて「こういうのに素敵なメロディ乗せてるのいないよね?」って話になって、それでセッションしていったらできた。

──ライアン・グリーンとの作業はいかがでした?

K5 とにかくヤバかった!

SAMBU 俺は最初は完全にミーハーな感じで「出た! ハイスタのビデオに出てた人や……思ったよりデカいな」って(笑)。

K5 どういう音を作るのかなって思ってたら「お前の音はお前しか作れないんだから自分の音を出せばいい」って。プレイヤーを大事にして録ってくれるんですよ。音にはすごく厳しかったけどね。何回も「アゲイン」って言われたし、妥協しない。それで曲の完成度が相当上がったし、それからライブの音も変わった。バンドのレベルごと上げてくれた感じ。

難波さんの乗せるメロディが、もう極上なんです

──これまで一緒にバンドをやってきて、改めて思う難波さんの魅力って、どういうところに感じますか?

K5 やっぱりいつまでも少年の心っていうか、ピュアな人間性? そこはすごくリスペクトしてます。音楽を一緒に作り出して感じるのは、ジャムって作ったところに難波さんがポンッて乗せるメロディがね、もう極上なんですよ(笑)。「うわー、それそれ!」ってなる。

SAMBU(Dr)

──メロディメーカーとしての才覚がずば抜けていると。

K5 すごいです。俺もギターだしメロディを奏でるほうだから、作りながらすごいなあって思って。

SAMBU なかなかうまいこと言えないんですけど、ピュアな人っていうのは僕も一緒ですね。取り繕ったりしなくて、それはステージから降りても同じ。想像してた以上にフランクな人でしたけど。

──では最後に、NAMBA69で今後「こうしていきたい」というようなイメージがあれば教えてください。

K5 国内に留まらず世界のいろんなとこでやっていきたいですね。俺が影響を受けてる音楽は海外のものが多いし、世界にはヤバいヤツがいっぱいいる。ハイスタが世界に行ってるのを俺らは映像で観てるわけじゃないですか。俺もやりたいなって思います。

SAMBU そうですね。今の時代、音だけじゃなくてライブを求められると思うんですよね。だからフィールド問わずどんどんライブしていきたいですね。このCDのよさを伝えたいし、ライブが一番いいプロモーション方法かなって思うので。難波さんのバンドっていうことで「呼んでいいの?」って言われるけど、どんどん誘ってもらいたい。

K5 そうそう(笑)。

SAMBU やっぱそれくらいの人なんで。いろんな人とリンクしていきたいですね。難波さん自身そういう気持ちをすごい持ってる人なので。

Contents Index
難波章浩インタビュー
K5&SAMBUインタビュー
1stシングル「MELODIC PUNKS NOT DEAD!!!」 / 2014年6月9日発売 / ONECIRCLE
CD+DVD / 2700円 / CTCD-20002/B
CD / 1080円 / CTCD-20003
CD収録曲
  1. TRUE ROMANCE
  2. TAKE ME TO THE STREETS
  3. GHOST
CD+DVD「STUDIO LIVE」DVD収録曲
  1. INTRO
  2. TRUE ROMANCE
  3. MY WAY
  4. ETERNAL GOLD
  5. WILD AT HEART
  6. WAKE UP
  7. FIGHT IT OUT
  8. ALL MY BUDDIES
  9. 未来へ ~It's your future~
NAMBA69(ナンバシックスティーナイン)

2010年3月からソロ名義で活動を行ってきた難波章浩(Vo, B / Hi-STANDARD)が2013年3月にK5(G)、SAMBU(Dr)と結成した3ピースバンド。「PUNKSPRING」「FUJI ROCK FESTIVAL」「京都大作戦」などの大型イベントへ出演し、軽快なメロディックパンクサウンドでファンを増やしてきた。2014年6月9日にはデビューシングル「MELODIC PUNKS NOT DEAD!!!」をリリース。本作のプロデュース/エンジニアリングはHi-STANDARD「MAKING THE ROAD」を手がけたライアン・グリーンが担当している。