中島愛|デビュー10周年の第一歩

1つひとつの仕事がつながってビンゴに

──復帰後何度かお話を聞かせていただきましたが、初めの頃にあったちょっとだけ不安そうな表情がなくなって、今はすごく晴れやかな表情に見えます。ご自身の実感としてはどうですか?

地に足つけて一歩一歩進んでる感覚はすごくあります。「今、私ノッてるな!」みたいな実感はないんですけど、踏み外してはいないと言うか。やるべきことを1日1日飛ばさずにやっている感じはずっとありますね。ビンゴカードがいい並びで開いているような感じ。1個1個のお仕事はしっかりやれていても、それらがうまくつながらないこともあると思うんです。でも、ちゃんとつながって今ここにいるという実感があるので、この時間を大切にしないとなって思います。

──「ビンゴカードがいい並びで開いてる」というのはすごくいい表現ですね。

中島愛

「思わぬところが開いちゃったけど、よく見たら斜めでつながってる!」みたいな(笑)。ここからビンゴになるかどうかは、私が結果を出せるかどうか。運だけでは押し切れないだろうなと思いつつ、今の状況を楽しんでいます。

──具体的に「出すべき結果」ってなんなんでしょう?

すごく生意気なこと言いますけど、新しいことに重きを置くのは一旦区切りかなあと思います。10周年で過去の作品を振り返って感想を伝えてくれる方に最近よくお会いしますし、「中島愛って今何してるんだろう」と思い返してくれた人もいらっしゃるタイミングだろうから、今までやってきたことをどれだけ濃く出せるかだと思うんですよね。そのためには、いきなり大きい会場を目標にするとかじゃなくて、リリースを途切れさせないとか、どれだけ続けていけるかにかかってるかなと。

──「『星間飛行』から10周年」というフレーズに思わず「あれから10年か……」と時間の経過を感じてしまう人も多いかと思います。

本当に三点リーダーをたくさん見ました。「10年……?」「えっ……?」「おめでとう、でも10年……?」みたいな(笑)。2008年のアニメファンの人にとって「マクロスF」という作品がいかに衝撃的で心に残るものだったかを、10周年記念日のTwitterでのツイートの伸びとか皆さんのつぶやきで感じました。リツイートが止まらなくて、「バズる」っていうのはこういうことかと。それくらい思い入れを持ってもらえることってなかなかないですよね。すごい作品に出会えたんだなと震えてしまいました。

──誰もが知ってるヒット曲を持ってデビューしたというのはすごいですよね。

松本隆さん、菅野よう子さんのタッグからスタートして……本当にデビューがすごすぎたんです。それは自分が一番わかっているし、そのことを考えていると押しつぶされてしまいそうだから考えないようにしているときも実はあったんです。でも一度活動を休止して、10周年を迎えて、今となっては「星間飛行」に対してそういうプレッシャーはないですね。過去もちゃんと引き受けられる。オリジナルアーティストとして「星間飛行」を歌えるのは私しかいないと気付いて、「歌い続ける」と腹をくくれました。

──確かに、デビュー間もなくヒット曲に恵まれたことにより、その重圧に押しつぶされてしまう人もいます。そこを乗り越えたうえで、中島さんが今スッキリと「星間飛行」の大きな存在感をも受け入れられてるのはすごくいいことですよね。

中島愛

「星間飛行」10周年のツイートがすごい反響で、前だったら「うわー、どうしよう。怖い」と思っただろうけど、どこか冷静に見ている自分もいて。今は「うれしい。ありがとう」って噛みしめるような感じで、「歌うときは観に来てよねっ!」と厚かましく思えるくらいの余裕がある(笑)。去年の今頃は「星間飛行」に対してまだそんなふうに思えてなかったように思うし、この1年でそこまで持っていけたのかもしれないですね。

私はずっとチャンジャ食べてますよ

──この先の予定としては、8月末の「アニサマ」(アニメソングイベント「Animelo Summer Live 2018 "OK!"」)への出演が決定しています。

中島愛

はい、「アニサマ」に2年連続で出演するのは初めてなのでうれしいです。9月はインドネシアやフィリピンにも行くし(参照:中島愛が本日デビュー10周年、9月にフィリピン初ライブ決定)。海外ライブと言えば、今年の5月にドイツやタイでライブしたとき、復帰後の楽曲「サタデー・ナイト・クエスチョン」を披露したら、イントロで歓声が上がったんですよ。それも自信につながりましたね。10周年イヤーは始まったばかりなので、これからいろいろ企画しようと考えています。

──復帰祭りが収まったと思ったら、すぐに10周年祭りが。

そうなんです! 新たな祭りが開催されています。ただ、10周年を意識しちゃうと、そのあとに区切らなくていいところで気持ちが区切られちゃう気がするので、自分はクールでいようと思いつつ。でもみんなに祝ってもらえるのはやっぱりすごくうれしいし、「マクロスF」のリアルタイム世代じゃない若い人もライブに来てくれたり、曲を聴いてくれたりしているタイミングでもあるので、さらにいろんな方に知ってもらうきっかけとして、このお祭りを意識的に盛り上げていきたいですね。

──プライベートでは最近また新しい音楽にハマったり、古い音楽を発掘したりという出会いはありますか?

中島愛

5月くらいまではNegiccoさんの作詞のことで頭がいっぱいだったんですけど、無事書き終えてからはレコード探しを楽しんでます。探しているものが絶対にありそうなところに行くんじゃなくて、ネットなどは使わず、とりあえず出かけて行って、なんとなく入ったレコード屋さんですべての棚と箱を見るっていう(笑)。以前となんの代わり映えもない毎日なんですけど楽しいですね。

──では音楽以外のところで何か新しくハマっているものは?

最近何にハマっているんだろう私……仕事で新しいことをするのはすごく好きなんですけど、普段はルーチンの中で過ごしていたいタイプなんですよ。毎日同じことをするとか、同じものを食べるとか、同じ場所に行くのが幸せなんですよね。新しいものにはなかなか手を出さない人間です。私はずっとチャンジャ食べてますよホント(笑)。「チャンジャっておいしいな、でも食べすぎるとダメだぞ」って、ずっとそんな感じですからね。でも最近はお酒を飲むのも楽しくなりました。夜は家でお酒を飲みながらアイドルの動画を観て過ごしています(笑)。私、いろんなことを同時にするのが幸せなんです。3個くらい同時にこなしてるのが楽しいので、アイドルの動画を流しながら、お酒を飲んで、ゲームをするみたいなのが最高ですね。本当に幸せ。

中島愛
中島愛「知らない気持ち / Bitter Sweet Harmony」
2018年8月1日発売 / FlyingDog
中島愛「知らない気持ち / Bitter Sweet Harmony」かくりよ盤

かくりよ盤 [CD]
1404円 / VTCL-35284

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中島愛「知らない気持ち / Bitter Sweet Harmony」すのはら盤

すのはら盤 [CD]
1404円 / VTCL-35285

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かくりよ盤収録曲
  1. 知らない気持ち[作詞・作曲:シンリズム / 編曲:シンリズム、高野勲]
  2. Bitter Sweet Harmony[作詞・作曲・編曲:kz(livetune)]
  3. ポラリス[作詞・作曲:シンリズム / 編曲:シンリズム、高野勲]
  4. 知らない気持ち -Instrumental-
  5. Bitter Sweet Harmony -Instrumental-
  6. ポラリス -Instrumental-
すのはら盤収録曲
  1. Bitter Sweet Harmony[作詞・作曲・編曲:kz(livetune)]
  2. 知らない気持ち[作詞・作曲:シンリズム / 編曲:シンリズム、高野勲]
  3. 悲しみと共に[作詞:岩里祐穂 / 作曲:H ZETT M / 編曲:H ZETTRIO]
  4. Bitter Sweet Harmony -Instrumental-
  5. 知らない気持ち -Instrumental-
  6. 悲しみと共に -Instrumental-
中島愛(ナカジマメグミ)
中島愛
6月5日生まれ、ふたご座のA型。アニメ「マクロスF(フロンティア)」のヒロインのランカ・リー役に抜擢され、2008年6月に「ランカ・リー=中島 愛」名義によるシングル「星間飛行」で歌手デビューを果たす。2014年3月より音楽活動を休止していたが、2016年12月に活動再開し、2017年2月には復帰第1弾となるシングル「ワタシノセカイ」、10月には復帰第2弾シングル「サタデー・ナイト・クエスチョン」をリリース。2018年2月には通算4枚目となるオリジナルアルバム「Curiosity」を発表し、3月末から4月にかけて東名阪3都市を回るライブツアー「Megumi Nakajima Live Tour 2018 "Curiosity of Love"」を実施した。2018年8月1日にニューシングル「知らない気持ち / Bitter Sweet Harmony(かくりよ盤)」「Bitter Sweet Harmony / 知らない気持ち(すのはら盤)」をリリースした。