中島愛がニューシングル「知らない気持ち / Bitter Sweet Harmony」(かくりよ盤)「Bitter Sweet Harmony / 知らない気持ち」(すのはら盤)を8月1日にリリースした。表題曲のうち「知らない気持ち」はテレビアニメ「かくりよの宿飯」第2クールのエンディングテーマで、作詞作曲をシンリズム、編曲は彼と高野勲が担当。一方、「Bitter Sweet Harmony」は現在放送中のテレビアニメ「すのはら荘の管理人さん」のオープニングテーマで、作詞作曲および編曲はkz(livetune)が手がけている。
2016年12月に音楽活動を再開し、今年3月末から4月にかけて復帰後初アルバム「Curiosity」を携えたライブツアーを実施した中島。今回のインタビューでは新作の制作過程を中心に聞きつつ、「星間飛行」でのデビューから今年で10周年を迎えた今、彼女がどういう思いで活動を行っているのか語ってもらった。
取材 / 臼杵成晃 文 / 三浦良純 撮影 / 堀内彩香
歌詞の提供は愛が大前提
──2月にアルバム「Curiosity」を発売して(参照:中島愛「Curiosity」インタビュー)、ライブツアー「Megumi Nakajima Live Tour 2018 "Curiosity of Love"」も終えたことで、“復帰おめでとう期間”がいい形で収まったような感じがあります。復帰ムードから離れた今は、すごく生き生きと活動を楽しんでいるように見えますが、いかがでしょう。
実際「生き生きしてるね」とか「充実してますね」とよく言われます。そういうふうに映っているのはいいことだなと思います。復帰ムードはツアーで区切りがついたんですけど、大事なのはその次だっていう意識があったので、テンションは高いまま持続しているんですよね。
──以前より活動の幅も広がりましたね。クラムボンのミトさんが作編曲したNegiccoの新曲「硝子色の夏」で作詞を担当するという作家業も経験されました(参照:Negicco新作「MY COLOR」に中島愛、ミト、冨田恵一、上田知華ら楽曲提供)。
そんなお仕事をいただけるなんて思いもよらなかったので、本当にびっくりしました。実はオファーをいただいたときは「やります」と即答はできませんでした。自分の作品で歌詞を書いたことはありますけど、自分以外のアーティストさんに提供させていただく未来があるとは思っていなかったんです。そもそも依頼されたテーマが“歌謡曲の名バラード”だったんですよ。ミト(クラムボン)さんのメロディもアレンジも素晴らしいから、それだけで名バラードなんですけど、その歌詞を私が?って。でも私自身がNegiccoの大ファンだからこそ書ける歌詞もあるかもしれないし、信頼して任せてくださったんだったら、怖いけど思い切って飛び込んでみようと思いました。ファンとして言ってほしいこと、歌ってほしいことを歌詞として昇華するのはすごく楽しかったし、メンバーの皆さんからもスタッフの皆さんからもすごくいい感想をいただいたので、結果的に挑戦してよかったなと思っています。
──自分で歌うという前提があって書く歌詞とはまた別の感覚だったんですね。
はい。その人のことだけを考えて書くというのは、自分の曲の歌詞を書くこととは全然違いましたね。歌割りまでは決めていないんですけど、要望があればできる限り反映するとNegiccoさんサイドから言ってもらえたので、何カ所かはそれぞれこのメンバーに歌ってほしいという要望を伝えました。誰かに曲や歌詞を提供するのは愛が大前提に来るんだなと感じましたし、これまで自分は提供してもらっていた側なので改めて感謝の気持ちも出てきました。
──ご自身にとっても収穫のあった仕事だったと。
本当に。とは言っても「これからどんどん作詞をやっていくぞ」みたいな気持ちになるほど自信は持っていないですけどね。すごく実りのある仕事でしたし、これがきっかけで続いていくものがあればいいなと思っています。
──出演するイベントや番組の幅も広がりましたよね。先日DOMMUNEへの2回目の出演がありましたが(参照:中島愛がDOMMUNEに2度目の登場、船山基紀と編曲トーク)、「中島さんの歌謡曲への愛と造詣は本物だ」という視聴者の反応が多かったように思います。こういった活動にも柔軟に取り組むことで得るものも多々あるのではないでしょうか。
いろんな方向に枝が伸びたことで、広がりを今すごく実感しています。そのぶん、期待にはしっかり答えなきゃいけないし、自分が試されている感じはありますけど、それもまた楽しいです。
シンリズムとタッグを組んだ「かくりよ」盤
──今回のニューシングルにはアニメのタイアップが2本付いていますが、これはタイミングが偶然重なった結果なんですか?
そうなんです。思わぬ巡り合わせで同時期にタイアップをいただいたので、シングルは両A面で、しかも2形態にしようということになりました。
──テレビアニメ「かくりよの宿飯」第2クールのエンディングテーマ「知らない気持ち」と、“かくりよ盤”のみ収録のカップリング曲「ポラリス」はシンリズムさんの書き下ろしです。中島さんがシンリズムさんと組むのは今回が初めてですが、これはどういう経緯だったんでしょう?
「知らない気持ち」は、アニメの展開に合わせてバラードにしたいというアニメ監督からの依頼が最初にあったんです。それで誰に曲をお願いしようかと考えたとき、今までは大御所の方とかベテランのクリエイターさんに提供していただくことが多かったので、今回はフレッシュな方にお願いしようという話になりました。そんなときスタッフから「シンリズムくんなんてどう?」と聞かれて、私も興味があったのでアタックしてみたら、二つ返事で快く引き受けていただけました。
次のページ »
歳下のアーティスト・シンリズムとのレコーディング
- 中島愛「知らない気持ち / Bitter Sweet Harmony」
- 2018年8月1日発売 / FlyingDog
-
かくりよ盤 [CD]
1404円 / VTCL-35284 -
すのはら盤 [CD]
1404円 / VTCL-35285
- かくりよ盤収録曲
-
- 知らない気持ち[作詞・作曲:シンリズム / 編曲:シンリズム、高野勲]
- Bitter Sweet Harmony[作詞・作曲・編曲:kz(livetune)]
- ポラリス[作詞・作曲:シンリズム / 編曲:シンリズム、高野勲]
- 知らない気持ち -Instrumental-
- Bitter Sweet Harmony -Instrumental-
- ポラリス -Instrumental-
- すのはら盤収録曲
-
- Bitter Sweet Harmony[作詞・作曲・編曲:kz(livetune)]
- 知らない気持ち[作詞・作曲:シンリズム / 編曲:シンリズム、高野勲]
- 悲しみと共に[作詞:岩里祐穂 / 作曲:H ZETT M / 編曲:H ZETTRIO]
- Bitter Sweet Harmony -Instrumental-
- 知らない気持ち -Instrumental-
- 悲しみと共に -Instrumental-
- 中島愛(ナカジマメグミ)
- 6月5日生まれ、ふたご座のA型。アニメ「マクロスF(フロンティア)」のヒロインのランカ・リー役に抜擢され、2008年6月に「ランカ・リー=中島 愛」名義によるシングル「星間飛行」で歌手デビューを果たす。2014年3月より音楽活動を休止していたが、2016年12月に活動再開し、2017年2月には復帰第1弾となるシングル「ワタシノセカイ」、10月には復帰第2弾シングル「サタデー・ナイト・クエスチョン」をリリース。2018年2月には通算4枚目となるオリジナルアルバム「Curiosity」を発表し、3月末から4月にかけて東名阪3都市を回るライブツアー「Megumi Nakajima Live Tour 2018 "Curiosity of Love"」を実施した。2018年8月1日にニューシングル「知らない気持ち / Bitter Sweet Harmony(かくりよ盤)」「Bitter Sweet Harmony / 知らない気持ち(すのはら盤)」をリリースした。