音楽ナタリー Power Push - 中田裕二

男気香り立つ“日本版ネオビンテージソウル”の神髄

ベテラン長田進の参加でサウンドに“人生観”を

──あと今作には、初めてDr.StrangeLoveの長田進さんがギターで参加してます。長田さんに声をかけたのはなぜですか?

中田裕二

やっぱり、こういう人間臭い曲になればなるほど、人間の力、他人の力が欲しくなるんですよね。自分の範疇だけで終わらせると、どうも軽くなりそうで。自分でも音作りに関しては研究してるし、やろうと思えばやれちゃうんですけど、歌の内容が人生を歌うようなものなので、そうなるとサウンドにも人生観が欲しくなっちゃうんですよ。これはもうベテランのカラーが必要だなって。長田さんはすごく先輩だし、音作りに関する造詣がハンパじゃない。前々から長田さんには参加していただきたいなと思ってたんですけど、今回は楽曲がこういう感じだし、ぜひにと。

──で、狙い通りの音になった。

そうですねえ。音にも男気が出ましたね。アンプに直でギターをつないで、それでなきゃ出せない音になってるから、すごくいい音で録れた。長田さんが出す音はね、マジでデカかったですよ(笑)。やっぱりここまでボリュームを上げないといい音で録れないんだっていう。

──さらに、今回もマスタリングは海外のエンジニアにお願いして。

ジョー・ラポルタ、前から狙ってたんですよね(笑)。今一番イケてる人だと思うんですよ。この間のデヴィッド・ボウイのアルバム(2016年1月発売のアルバム「★」)も彼がマスタリングをやっていて。けっこうナチュラル系で、ビンテージ感のある音源をすごくよくまとめられる人で、Vampire Weekendやリオン・ブリッジズなんかも彼がやってるんですよね。

──こちらも狙い通りに?

むちゃくちゃよかった。「LIBERTY」でやってもらったトニー・カズンズもめちゃくちゃよかったんだけど、今回も一発でOK。日本でやるとね、いつもマスタリングに時間がかかるんですよ。あれこれ注文を出したり、エンジニアにはかなり苦労をかけてたんですけど、海外の人に頼むと「こういう感じにしてほしかった」っていうイメージ通り。それはびっくりですね。狙いどころによると思うんですけど、日本のエンジニアは音をパツンパツンに入れてブライトに仕上げる傾向にあって、そっちのほうがいい音って思ってる人も多い。イヤフォンで聴くと音がバンバン耳に飛び込んでくるみたいな。そういう音だったら日本のエンジニアのほうがいいんですけど。

──いわゆる今どきの音ですね。

そう。向こうのエンジニアは歌をちゃんと主役にしつつも、すべての演奏を殺さずにいちばん聴きやすい状態にしてくれる。あとはボトムの感じがぜんぜん違う。キックとかベースとか。

次のアルバムは……?

中田裕二

──こうやって満足のいく盤ができあがって、ツアーもファイナルを迎えて。このあとは、先ほどちょっと匂わせていた“次のアルバム”もすでに見えているのでしょうか。

曲は8割ぐらいそろってるんですよ。あとは明るい曲が入れば。

──先に暗い曲ができる?

そう、そっちはすぐできる(笑)。簡単……っていうわけではないけど。

──今回のシングルで示した方向性からすれば、すごく面白いアルバムができそうですね。

かなりブラック寄りになると思います。俺なりのネオビテージソウルの日本版、みたいなことがやれたらなあって。

ニューシングル「ただひとつの太陽」 / 2016年4月13日発売 / IMPERIAL RECORDS
初回限定盤 [CD] 1944円 / TECI-501
通常盤 [CD] 1080円 / TECI-502
初回限定盤 収録曲
  1. ただひとつの太陽
  2. 夜をこえろ
  3. ひかりのまち
  4. BUG
  5. イニシアチブ
  6. モーション
  7. Steady
  8. ROUNDABOUT

※これまで配信限定でリリースされた未CD化音源6曲をボーナストラックとして収録。

通常盤 収録曲
  1. ただひとつの太陽
  2. 夜をこえろ
  3. ただひとつの太陽(カラオケ)
  4. 夜をこえろ(カラオケ)
中田裕二 TOUR 16 "LIBERTY" 最終公演

4月17日(日)東京都 中野サンプラザホール
OPEN 16:00 START 17:00
料金:全席指定 6300円
発売中

中田裕二(ナカダユウジ)
中田裕二

1981年生まれ。熊本県出身。2000年に宮城県仙台にて椿屋四重奏を結成する。2003年にインディーズデビューを果たし、2007年にはメジャーシーンへ進出。歌謡曲をベースにした新たなロックサウンドで多くの音楽ファンを獲得したが、2011年1月に突然の解散を発表した。同年3月に新曲「ひかりのまち」を中田裕二名義で配信リリースし、本格的にソロ活動を開始する。以降は精力的に新作リリースとライブを重ね、2015年11月には5作目のオリジナルアルバム「LIBERTY」を発表した。2016年4月にはソロ初のCDシングル「ただひとつの太陽」をリリース。