悩みを打ち消してくれた「スターランド」
──充実した夏を経て、1stシングル「イダテンドリーマー」がリリースされます。表題曲の「イダテンドリーマー」はみやかわくんが作詞をしたナンバーですが、どんな思いを込めて歌詞をつづったんですか?
デモを聴いたときに、さわやかさと疾走感を感じて。それでこの曲は夢に向かって走り出して駆け抜けていく感じの曲にするべきなのかなって思ったんです。僕がメジャーデビューをつかみ取るまでの道のりに自分なりの思いを乗せて、今がんばって夢を追いかけている方の背中を押せるようなメッセージを込めたいと思いました。
──みやかわくんからネガティブな思いを聞いたことがあまりなかったので、「いつからか 自分が見えなくなって 逃げたい辞めたい消えたいって居場所探した」という歌詞に驚きました。メジャーデビューするまでの間にそういうつらい思いもあったんですか?
メジャーデビュー前後くらいにいろいろ思い悩んでいた時期があったんですよ。今までペン回しとか、ネタ動画とか、音楽以外のこともいろいろやってきたので、メジャーデビューすることについて「音楽で? やっていけないでしょ。動画投稿者は動画投稿者だよ」「無理でしょ(笑)」みたいな声が少なからずあって。そういう声が自分のやる気に火を点けた一方で、応援してくれる方たちの期待に果たして僕の音楽は応えられるのかという不安もあったんです。動画と違って音楽については本当に未知数だったので、その恐怖とプレッシャーと、これから始まる新しいことへのワクワク感とがごちゃまぜになって全部を放棄したくなってしまって。
──そこから持ち直したきっかけはあったんでしょうか。
悩んでいた時期が「スターランド」を作る前だったんです。今までは言ってしまえばほかの方の曲をカバーして歌うだけで、オリジナリティがあまりなかった。でも自分で歌詞と曲を書いた「スターランド」が評価されて、それが糧になって「よし、がんばろう!」と前向きになれたんですよね。この一連の感情を歌詞に落とし込んだのが「イダテンドリーマー」なんです。僕がこういう経験をして、つらいこともあったけれど、自分自身と周りの方たちと夢を信じてやり続ければ夢は叶うんだよっていうのをこの歌を通して伝えたかった。この曲でなら、自信を持ってリスナーさんの背中を押せると思いました。
“歌う”よりも“踊る”自分をイメージ
──「イダテン」という言葉は最近あまり聞かないですが、なぜこの言葉をピックアップしたんですか?
猛スピードで夢をつかみに行こうぜっていう思いを込めてこのタイトルにしたのと、小学生の頃に学芸会でやった「ガンバの冒険」という劇に登場するキャラクターが“イダテン”という名前で僕にとってはなじみのある言葉だったんですよね。サビの頭にキャッチーさが欲しいと思っていて、「イダテンドリーマー」という言葉をハメたらしっくり来て。「遠い未来」と「トロイメライ」みたいな韻もたくさん踏んでるんですけど、「いつだって」と「イダテン」で踏めたのもよかったです。
──「イダテンドリーマー」はダンサブルなポップチューンですね。デビュー前のツアー「secret blue 2018」ではエレキギターの演奏も披露していたので、なんとなく次はロックで来るのかなと思っていたんです(参照:【ライブレポート】みやかわくん、メジャーデビュー直前全国ツアー終幕「幸せな時間をありがとう」)。
僕は最近曲を選ぶときに、“歌っている自分”よりも“踊っている自分”を想像するんです。この曲だったらどういう振り付けだろうなとか考えながらデモを聴くようになってしまって。
──それはなぜですか?
ライブでダンスを踊るようになってから、ダンスに力を入れたくなってきて。今はずっとダンスの練習をしていて、楽曲をすべて“ダンスミュージック”として捉えるようになってきました。「イダテンドリーマー」もすでにリリイベで披露しているんですけど、ガンガン踊っています。でも踊ると歌詞が飛び、歌うと今度は振りが飛び……かなり苦戦しています(笑)。
次のページ »
今後の方向性を伝えられる1枚になった