「Music & Me ~クリエイターが語る音楽と私~」第6回|柴田ひかりがアナログレコードを手に取る理由 (2/2)

柴田ひかりはなぜレコードで音楽を聴くのか?

──柴田さんはご自身のInstagramのアカウントに購入したレコードの写真をアップしていますよね。ここ数年でアナログレコードの人気が再熱してきてはいるとはいえ、サブスクで音楽を気軽に楽しめるこの時代に、あえてレコードを買うのはなぜなんでしょう?

私も普段はスマートフォンで音楽を聴くんですけど、その中でも「ちゃんと手元に置いておきたい」と思った作品に関してはレコードを買うようにしているんです。レコードだと買ったときの自分の気持ちだったり、そのときにあったことを思い出せたりするんですよね。それがレコードの魅力かなと思います。私は旅行先でレコード屋に立ち寄ることが多くて。例えば韓国に行ったら現地でしか買えないようなレコードを探してみたり、そういうレコードとの偶発的な出会いも楽しみの1つかなと思います。

柴田ひかり
柴田ひかり
柴田ひかり

柴田ひかり

──いいですね。レコード屋に行くときは、お目当てのレコードを目がけて探しにいくパターンと、目的もなしに棚の端から掘っていくパターンがありますが、柴田さんがレコードを探す際のポイントは?

どちらかと言うと棚をバーッと見ていくタイプですね。ジャケットが気になったものを買うこともあるし、ずっとサブスクで聴いていて「レコードで持っておきたいな」と思うものを買ったりしていて。なのでお目当てのレコードを探すというよりは、たまたまいいのを見つけたら買うという感じです。

──ジャケ買いもするんですね。

ジャケ買いは本当にたまにする程度ですけど、買ってみて大成功だったことは今のところないかも(笑)。

柴田ひかりがSL-1200MK7で聴きたいアナログ3タイトル

──では、ここからは柴田さんにご持参いただいたお気に入りのレコード3枚を「SL-1200MK7」で聴いてみましょう。

h hunt「playing piano for dad」

h hunt「playing piano for dad」

h hunt「playing piano for dad」

私は誕生日に友達からレコードをプレゼントしてもらうことが多くて、これもそのうちの1枚ですね。まったく知らないアーティストだったんですけど、私がジャズを聴き始めたという話をしたらこのレコードをプレゼントしてくれたんです。「playing piano for dad」は作業をしているときによく流しているレコード。ピアノのみのアルバムで主張が強くないといいますか、これを聴きながら作業すると集中できるんです。あとこのアルバムはh huntがご自身のお父さんのために作った作品らしくて、そのコンセプトも含めて素敵なアルバムだなと思って。いやあ、Technicsのターンテーブルを触るのは緊張しますね(笑)。

クレオ・ソル「Mother」

クレオ・ソル「Mother」

クレオ・ソル「Mother」

「Mother」はアルバムを通しての流れがすごく好きで、普段からめちゃくちゃ聴いてる1枚です。曲と曲のつなぎ目がほとんどなくて、それが聴いていて心地いいんですよ。あとはなんだろう……シンプルに好き(笑)。これはたぶん今後の人生においても聴き続けていくんだろうなっていう1枚ですね。そうそう、「Mother」はクレオ・ソルがお母さんになったときに作ったアルバムらしいんですけど、さっき紹介したh huntの「playing piano for dad」がお父さんに向けたアルバムだから、全然意識してなかったんだけどなんとなくつながりましたね(笑)。

빛과 소금(光と塩)「VOL.1」

빛과 소금(光と塩)「VOL.1」

빛과 소금(光と塩)「VOL.1」

光と塩は韓国で1990年代にヒットしたバンドらしくて、向こうのおじさん世代ならみんなが知っているような存在だそうです。私の中で韓国の音楽と言えばK-POPアイドルのイメージが強かったんですけど、光と塩の音楽と出会ったことで韓国音楽の幅広さに気付かされましたし、日本同様に韓国の昔の音楽にも素敵なものがたくさんあるんだなと知りました。昔の日本みたいに、シティポップっぽいムードも感じますよね。私が持っているのはクリアヴァイナル仕様で盤面もおしゃれなんですよ。この作品自体、日本だとなかなか見つからないんですけど、もし気になった方がいたら探してみてください。

Technicsは今も昔も憧れの存在

──「SL-1200MK7」でレコードを楽しんでいただきましたが、ターンテーブルのデザイン面はいかがですか?

ずっと変わらない、流行り廃りのないデザインで、長く付き合っていける部分に惹かれますよね。Technicsのターンテーブルを持っている友達のお家に行くと、どんな部屋や空間にも溶け込んでるなと感じます。私はもっと安価なターンテーブルを使っているんですけど、Technicsのターンテーブルは高級感がある。だから、たまたま入ったお店にTechnicsのターンテーブルが置いてあると「ここはいいお店なんだろうな」とか思っちゃいます(笑)。

──では最後に、柴田さんにとってTechnicsというブランドがどういう存在なのか聞かせてください。

Technicsは今も昔も憧れのブランドです。私の中で1つ夢があるんですけど、ターンテーブルをオーダーメイドで机に埋め込んでいる人いるじゃないですか。いつか自分のお家を建てることができたら、私もTechnicsのターンテーブルを机に埋め込みたいんです(笑)。それに、音楽をやっている人はみんなTechnicsのターンテーブルを使っているというイメージがあるから、いつか自分でも使いこなしてみたい。なので私の中では常に憧れの存在です。

柴田ひかり

柴田ひかり

Technics「SL-1200MK7」

Technics「SL-1200MK7」

世界中のDJがプレイする現場で使われ続ける「SL-1200」シリーズの最新機種。ダイレクトドライブモーターやプラッター、シャーシなどすべてを一新しながら、トーンアームや各種操作スイッチなどの配置は「SL-1200」シリーズのレイアウトをそのまま踏襲し、これまでと変わらない操作性を実現している。ボディはブラックおよびシルバーの2色展開。

プロフィール

柴田ひかり(シバタヒカリ)

1997年生まれ、神奈川県出身のモデル。独自のファッションセンスとライフスタイルを、InstagramやYouTubeをはじめとするSNSで発信して注目を浴びている。フォトグラファーとしての一面も併せ持ち、都内外含め写真展も開催。最近では自身でアパレル制作を行うなど幅広いフィールドで活躍している。