無意識のうちにある壁を壊せたらいいな

──12月14日には、結成6周年を記念した「MUSHIFEST 2013」もあります。どんなイベントになりそうですか？

蟻　「暗闇の中の光」というバンドのコンセプトに沿って、「闇STAGE」と「光STAGE」の2会場で開催する予定です。

蟲P　昔から一緒にやっているバンドにも出演してもらうし、まだあまり知られていないけどすごく魅力的なアーティストにもたくさん集まってもらいます。そういった新しい音楽と出会える場になるとうれしいですね。

蟻　変な先入観やプライドが邪魔をして、ちゃんと音楽を楽しめない人って多い気がするんです。そういう無意識のうちにある壁を壊せたらいいなって。私はBiSを観たときに、お客さんが沸く気持ちがすごくわかったんですけど、それってジャンルや見た目は関係なく、いい音楽はいいっていうシンプルなことだと思ったから。

慎乃介　いいこと言うね！

蟻　音楽のジャンルなんて関係なくて、ロックでもダンスミュージックでも中二病でも、人を明るい気持ちにさせたり希望を届けることが、歌うってことだと思うんですよ。だから自分たちにしか出せない音で、ちょっとでも元気になってほしいなと思います。

蟲P　松隈さんのレーベルにいるカッコいい人たちも参加してもらいますしね。

蟻　変な人たちばっかりですけどね、紙袋被ったバンド（THE INTEGRAL POULTRY）とか。

松隈　君たちも同じように思われてるだろうけどね！

蟻　（笑）

松隈　普通のバンドのプロデュースはやらないんですか？って言われるんだけど、別に変なのを探してるわけじゃないんですよ。本当は正統派をやりたいんだよ俺は！

蟻　でもみんなから慕われてるからいいじゃないですか。

松隈　まあ若い人ばっかりだからね。あとは自分もバンドやっていたから、気持ちもわかってあげられることが多いんだと思う。だからBiSに最初に教えたのは、「楽屋に入ったら一番奥の鏡の前に座れ！」ってことなのよ。そこは戦場だから、行儀よくしてる場合じゃないと。そういうヤツに限って帰ってから愚痴ったりするけど、それじゃ負けちゃうんですよ。嫌われてナンボじゃ！ってね。

春輝　本当そうですよね。勉強になります。

松隈　僕の言ってることが正しいかはわからないけど、今までの経験で感じたことはなんとか伝えたいなと思ってやってますね。

これからが脂が乗る時期

──結成からの6周年、振り返ってみていかがですか？

蟻　足踏みしてる時間が長かったですね。

慎乃介　長過ぎたよ。腿上げばっかりしてた。

郁己　足周りの筋肉パンパンですよ。

──じゃあ走り出したら速いですね。

蟻　だといいんですけどね（笑）。

──では最後に、7年目を迎えるメンバーに松隈さんからアドバイスをお願いします。

松隈　バンドって10年経ってやっと形になると思うんです。だから、これからが脂が乗る時期なんじゃないかな。

蟻　やっぱり続けるのが大変ですからね。

慎乃介　そう？ 大変かなあ？

蟻　蟲（ふるう夜に）はそうでもないけど、周りがみんな辞めていっちゃう。

松隈　仲がいいから、音楽的にも素直にケンカできるんだよね。6年やって疲れた感覚もないでしょ？

蟻　そうですね、発見ばっかり。

慎乃介　ここにホクロあったんだ？みたいな。

松隈　家族みたいだね（笑）。

郁己　スタジオで険悪になっても、外出たらみんなでキャッチボールしたり。険悪なムードはその場限りで終わるよね。

松隈　すごくバランスがいいバンドだし、世の中にもこの世界観がジワジワ伝わっていると思うんです。今後は、野外のでっかいステージとかで観たいですね。そこで抑えていたボリュームをギューンとあげてフルテンで演奏してよ！

蟻　わー。気持ちよさそう（笑）。