ナタリー PowerPush - モーニング娘。
9~11期メンバー&つんく♂が語る 2013年の「モーニング娘。」
自分がやってる以上のことを練習しないとダメ
──譜久村さんはどうですか?
譜久村 私は(2010年12月発売の11thアルバム「Fantasy! 拾壱」収録曲)「ブラボー!」かもしれない。この曲は振り付けが複雑すぎてわからなくて。9期が入って最初のツアーでやったんですけど、そのときは本当に何十曲も覚えなきゃいけなかったんですよ。9期はダンス経験がない子も多いのに一気に20曲くらい覚えて、本当につらかった。複雑な振り付けを何度も練習していて、疲れてだんだん眠くなってくると頭が働かないんですよ。それで集中できなくなって「もうリハーサル室から出てけ!」ってすごく怒られた覚えがあります。それで9期全員で謝って……本当、びっくりするくらいに過酷でした。
──でもダンス未経験でいきなり20数曲を覚えなきゃいけないのは、さすがに大変ですね。
譜久村 最初、モーニング娘。のオーディションに合格したときに「先に覚えておこう!」と思って何曲か練習したんです。その中にはツアーでやる曲もやらない曲も入ってたんですけど、覚えることがありすぎて。ちょっと軽く思ってたところはあったと思います。
──石田さんはどの曲が大変でしたか?
石田 私は(2008年4月発売の36thシングル)「リゾナントブルー」で苦戦しました。振り付けが1番と2番ですごく似ていて、頭の中でちゃんと考えてから踊らないと本当に間違っちゃうんです。この曲は前回のツアー(「モーニング娘。誕生15周年記念コンサートツアー2012秋~カラフルキャラクター~」)でやってたんですけど、思い切って激しく踊ると間違えちゃうし、ちゃんと集中してやらないと完璧に踊れない曲だなって。オリジナルの振り付けは激しくてカッコいいってイメージがあったので、それに近付けるようにがんばらなきゃって思ってたんですけど、どうしても近付けない部分があったり、どんなに激しく踊っても観た感じがちょっと物足りなかったりして。当時の先輩たちは本当にすごかったんだなって改めて思わされました。
──なるほど。では小田さんは?
小田 (2009年2月発売の38thシングル)「泣いちゃうかも」を今年のひな祭りフェスティバル(3月3日開催の「Hello! Project 春の大感謝祭 ひな祭りフェスティバル 2013 ~Berryz工房10年目突入スッペシャル!~」)でやったんですけど、事前に家で映像を観て覚えていったんです。でもライブ映像だと歌ってる人のアップが多くて、ダンスを細かいところまで確認できなくて。それでもできる限り覚えていこうと思って練習したんですけど、いざ踊ろうとしたら全然ダメで。しかもその日は「泣いちゃうかも」だけじゃなくて何曲も踊ったんですけど、「あ、これなら覚えてきたから大丈夫」と思ってやってみてもやっぱりダメで。そういうことの連続でした。モーニング娘。をファンとして観てた時代は「モーニング娘。になったら、こんなに踊れるようになるんだ」と思ってたけど、いざ入ってみるとみんなものすごい努力をしてることに気付かされて。自分がやってる以上のことを練習しないとダメなんだなと実感しました。
レッスン時間がどのシングルよりも一番短い
──では改めて「ブレインストーミング」の振り付けについて聞きたいと思います。この曲で特に大変だったのはどういったところでしょう?
佐藤 「か弱き 乙女を 泣かしちゃ ならない♪」って歌うパートで、両足のつま先をくっつけて、次にかかとをくっつけてと、ペタペタペタペタくっつけるのを繰り返しながら踊るんですね。でも最初の振り付けビデオでは足下まで映ってなくて、普通に歩いて移動してると思ってたんですよ。
──Bメロの、すり足でゆっくり移動するようなパートですよね。
佐藤 そうです。で、亜佑美はその足の動きをちゃんと理解していて、亜佑美だけがちゃんとできてたんですよ。そういう細かい動きがたくさん入ってるんです、この曲は。だから「難しすぎて絶対にまとめられないよね」って話してた。しかも今回は両A面シングルだから2曲分ビデオを撮影するし、どっちもちゃんとしたものを見せなくちゃっていう思いがメンバーの中で強くて。最初は緊張して冷や汗がたくさん出たけど、ちゃんとできたときは本当に楽しかったです。
──この難易度のダンスがきっちり揃ったときの達成感は、本当にすごいんでしょうね。
譜久村 しかも今回、レッスン時間がどのシングルよりも一番短かったんです。そのぶん自主練をいつも以上に必死にがんばって、ビデオ撮影のときにはバッチリでしたね。
佐藤 本当に笑みが出ますよ。ニヤッて(笑)。
譜久村 あと、撮影直前に変更点もたくさんできたんですよ。撮影の前日に亜佑美ちゃんと(鞘師)里保ちゃんが2人で踊るパートができたりとか。
──あ、間奏で2人が前に出てきてダンスバトルをするシーンですね。
石田 そうです。撮影の前日に最後のダンスレッスンがあったんですけど、そこで鞘師さんとのダンスバトル的な振り付けがまず決まって。「よし、これはチャンスだ。こういう場をいただけたんだから、がんばって踊らなきゃ!」と思って気合い入れて次の日の撮影に臨んだら、そこの振り付けがちょっとだけ変更になったんです。もう緊張しまくりで……撮影が始まって変更になった部分を意識し過ぎたら、今度は別の部分を間違っちゃったりとかして。でも完成したビデオを観たら、改めてこんなに踊るパートをいただけて本当によかったなと思って。それだけ自分を観てもらえる場が増えたので、ありがたいなって思いました。
今までは「ブレインストーミング」への試練だったのかな
──あれだけ自分のポジションがどんどん変わっていくのを、皆さんはどうやって覚えているんですか? それこそ何度も踊って体に覚え込ませてるんでしょうか?
佐藤 確かに何度も踊ってると、自然と体に入ってくるんですよね。10期メンバーが最初に参加した「ピョコピョコ ウルトラ」のときは、さすがに全然入ってこなくて怒られっぱなしだったんですけど、たまにダンスの先生に褒められるとうれしくて(笑)。
譜久村 わかるわかるわかる(笑)。
佐藤 「恋愛ハンター」あたりからはどんどんダンスパフォーマンスが難しくなって、進化してる気がします。「ワクテカ~」では1列のラインを作ってキレイにダンスを揃えたり、「Help me!!」では輪っかを作って踊ったりとか。キレイに揃えて踊らなきゃ絶対にダメで……もしかしたら「ワクテカ~」と「Help me!!」は「ブレインストーミング」にたどり着くための試練だったのかなって気がしてます。
──ああ、なるほど。段階を踏んで、どんどん難易度が高くなっていったと。
佐藤 そうです。いろんなダンスやポジションが次々に変わる動きの練習を。あの2曲でめっちゃ鍛えられたなっていう気がしてます。特に「ワクテカ~」は最初、覚えるのが本当に大変だったんですけど、次に「Help me!!」を覚えるときに「ああ! これは『ワクテカ~』のときの!」って気付いたり。「あ、こうやって動けば(ほかのメンバーと)ぶつからないんだ」とかどんどんわかって、最終的に「ブレインストーミング」までたどり着いたのかな。
石田 うん。そんな感じです。大変だったけど、やってるうちに「……できた!」みたいな。
- ニューシングル「ブレインストーミング / 君さえ居れば何も要らない」 / 201年4月17日発売 / ZETIMA
- 初回限定盤A [CD+DVD] / 1680円 / EPCE-5948~9
- 初回限定盤B [CD+DVD] / 1680円 / EPCE-5950~51
- 初回限定盤C [CD+DVD] / 1680円 / EPCE-5952~3
- 初回限定盤D [CD] / 1050円 / EPCE-5954
- 初回限定盤E [CD] / 1050円 / EPCE-5955
- 通常盤A [CD] / 1050円 / EPCE-5956
- 通常盤B [CD] / 1050円 / EPCE-5957
初回生産限定盤A~C / 通常盤B CD収録曲
- ブレインストーミング
- 君さえ居れば何も要らない
- A B C D E-cha E-cha したい
- ブレインストーミング(Instrumental)
- 君さえ居れば何も要らない(Instrumental)
初回生産限定盤D 収録曲
- ブレインストーミング
- トキメクトキメケ / 道重さゆみ・譜久村聖・生田衣梨奈・飯窪春菜・石田亜佑美
- ブレインストーミング(Instrumental)
- 君さえ居れば何も要らない(Instrumental)
初回生産限定盤E 収録曲
- ブレインストーミング
- 君さえ居れば何も要らない
- いつもとおんなじ制服で / 鞘師里保・鈴木香音・佐藤優樹・工藤遥・小田さくら
- ブレインストーミング(Instrumental)
- 君さえ居れば何も要らない(Instrumental)
通常盤A 収録曲
- ブレインストーミング
- 君さえ居れば何も要らない
- Rock の定義/田中れいな
- ブレインストーミング(Instrumental)
- 君さえ居れば何も要らない(Instrumental)
初回生産限定盤A DVD収録内容
- ブレインストーミング(Music Video)
- ブレインストーミング(Dance Shot Ver.)
初回生産限定盤B DVD収録内容
- 君さえ居れば何も要らない(Music Video)
- 君さえ居れば何も要らない(Close-up Ver.)
初回生産限定盤C DVD収録内容
- Rock の定義/田中れいな(Music Video)
- 「ブレインストーミング/君さえ居れば何も要らない」メイキング映像
モーニング娘。12期オーディション受付中
モーニング娘。(もーにんぐむすめ)
テレビ番組「ASAYAN」でのオーディション企画「シャ乱Qロックヴォーカリストオーディション」に落選した女性5人により、1997年秋に結成されたアイドルグループ。1998年1月、シングル「モーニングコーヒー」でメジャーデビューし、2ndシングル「サマーナイトタウン」以降はメンバーの増減を繰り返していく。同年9月発売の3rdシングル「抱いてHOLD ON ME!」は初のオリコン週間ランキング1位を獲得。同年末にはNHK紅白歌合戦に初出場を果たす。1999年9月発売の7thシングル「LOVEマシーン」では初のミリオンヒットを記録。今日まで、女性グループが持つ数々の記録を更新し続けている。2013年4月現在のメンバーはリーダーの道重さゆみ(6期)、田中れいな(6期)、譜久村聖(9期)、生田衣梨奈(9期)、鞘師里保(9期)、鈴木香音(9期)、飯窪春菜(10期)、石田亜佑美(10期)、佐藤優樹(10期)、工藤遥(10期)、小田さくら(11期)の11名。4月17日に通算53枚目のシングル「ブレインストーミング / 君さえ居れば何も要らない」を発表する。5月21日に東京・日本武道館で行われる単独コンサートをもって、田中がグループを卒業予定。