豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL「突破」メンバーによる全曲解説 (3/3)

11. Bye Bye
[作詞:Sayaka Inoue / 作曲:Tasuku、Ryota Fukuoka、Sayaka Inoue、Tommy / 編曲:Tommy]

「どう?お洒落でしょ?」
by アイカ・ザ・スパイ

アイカ 今年8月に初めてロンドン公演をすることが決まったときに作っていただいた曲です。歌詞に英語が多いのもそういう理由があったからだと思います。切ないメロディだけど、おしゃれな雰囲気があって、歌ってて「どう? 私たちイケてない?」って気分になれる曲です。でも、英語の発音ができないうちからするとすごく難しい曲でした。

──英語がこれだけ多いと歌詞の意味がすぐ理解できないということも?

アイカ そうです。うちはひと言も頼んでないのにモモチが「これが意味だよ」って和訳を画像で送ってきてくれて(笑)。

ナオ 優しい!

アイカ ありがたかったんですけど、全然その内容を覚えてなくて(笑)。

モモチ 本当にひどいんですよ! レコーディングの参考になるだろうと思って送っておいたのに、当日になって「これってどういう意味?」とか聞いてきて(笑)。

アイカ 記憶の片隅にはあったよ(笑)。理解するのも歌うのも確かに最初は難しかったけど、今では「私たちは英語でも歌えるんだよ」という気持ちで、堂々と歌ってます。

アイカ・ザ・スパイ

アイカ・ザ・スパイ

──英語と言えば、モンアイは8月と11月にロンドンでライブを行いましたが、反応はどうでしたか?

ナオ 日本のお客さんは振りコピとかコールがあるけど、海外のお客さんはもっと自由に楽しんでますね。最初のロンドン公演でファンになったという方が、11月に私たちのTシャツを着て会いに来てくれたのがうれしかったです。

モモチ 印象としては、海外の方々はライブというもの自体にビビってない感じがあります。声を出すこと、手を挙げること、リズムに乗ることとかに。私もそうだけど、日本人はやっぱり恥ずかしさが先にくるのかなって。

ナオ でも日本からロンドンに来てくださっている方たちもいたので、途中から海外のお客さんも日本流のコールを真似してくれて、面白かったですね。あと海外の方はライブ中に目が合うとめっちゃ笑ってくれるんですよね。8月のロンドン公演はアルバムの制作期間中で大変だったんですが、11月は自分たちのツアーが終わって少し落ち着いたタイミングで挑むことができたので、周りを見ながらライブができたと思います。

──ところでレオナさんは英語が得意なんですよね?

レオナ 小学生以下の子に英語を教えられる資格を持ってます。でも……それだけです(笑)。なので“流暢な単語”で乗り切っていて。しゃべるのは日本語でも英語でも苦手ですね。

レオナエンパイア

レオナエンパイア

アイカ うちはもともと英語がまったくできないんですよ。単語もわからないから「Thank you」くらいしか本当に言えないし。

モモチ 渡辺(淳之介。元WACK代表で現在ロンドンに留学中)さんにオススメしてもらった英語の本を私は買ったんですけど、アイカが読んだら「2度と英語は勉強しない」とか言い出しそうな難易度でした。

アイカ ははは。でもいろんな人と話せるようになるから、がんばろうって。

12. Starry Carnival
[作詞:豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL / 作曲:Coke Dyson、Hirano Taichi / 編曲:Coke Dyson]

「モンアイと一緒に冒険をしながらカーニバルを楽しもう!」
by ナオ・オブ・ナオ

──今作で唯一のメンバー作詞の楽曲ですね。

ナオ 仮歌をもらったときに「メンバーのみんなで作詞をしてほしい」とスタッフさんから言っていただいた曲です。これまでのメンバー作詞は1人ひとりが歌詞を提出して、コンペ形式でスタッフさんが選んでいたんです。でも今回はどの歌詞を採用するかも含めて、自分たちでやるスタイルだったので、メンバーそれぞれが歌詞を書き上げてからみんなで見せ合ったんです。

──日記を読まれるような恥ずかしさもありそうです。

ナオ これまで目隠し方式だったから、採用された部分は「ここは私の歌詞!」って言いやすかったんですけど、まだ採用されるかもわからない段階だと“誰にも見せないポエム”を読まれている感覚で。それぞれのノートを回して読んだんですけど、音読すると恥ずかしいから脳内再生してました。

モモチ 感想も言わず、無言でニヤニヤしながら「はい、次」って感じで。

ナオ 読み終わってから、みんなで「この部分がよかった」と意見を交換して。けっこう時間がかかりましたけど、ギリギリのタイミングでできあがりました。

ナオ・オブ・ナオ

ナオ・オブ・ナオ

──作詞するにあたってのテーマは?

ナオ テーマは「カーニバル」。でもカーニバルの定義やイメージは人それぞれだから、歌詞の内容も幅広くて。

モモチ 私は冒険ファンタジーの世界観。4人が冒険をしている中、森で遭遇したカーニバルをイメージしました。

ナオ アイカ、レオナ、私はカーニバルをライブと捉えて、「“ライブという名の冒険”に繰り出そうよ」っていうイメージでした。メンバーそれぞれのカーニバル観がミックスされて、ファンタジー感がありつつ、お客さんに「“ライブ=冒険”を一緒に楽しもう」と伝えるような、モンアイなりのカーニバルになったと思います。曲調も今までになかったEDM系で、だんだんボルテージが上がっていく感じが気持ちよくて。

──壮大かつアンセミックなエレクトロサウンドですよね。

ナオ サウンドに身を委ねて自由に踊りたくなるような曲ですね。曲中に笛の音が入っていて、ライブだとアイカがホイッスルを吹くんですよ。

アイカ ライブだと笛の音がトラックなのはもったいないから、実際に吹きたいとお願いしました。ライブで新しいことができてうれしいです。

13. Go Away
[作詞・作曲・編曲:Hi-yunk(BACK-ON)]

「人生って儚くて美しい!」
by モモチ・ンゲール

モモチ 人生には別れがつきもので、どうしてもお別れしなきゃいけないシーンがあります。そんな切なさやもどかしさ、別れの複雑さとかいろんな感情をこの曲が昇華してくれます! 個人的には「君のこと好きじゃないよ 投げたコインみたいだね」という歌詞が好きで、投げたコインは裏表の意味だと捉えています。だからこの一文は「好きじゃないって言ってるけど好き」という意味なんじゃないかなって。深い歌詞なので、みんなにもいろいろ考察しながら聴いてもらいたいです。

──モモチさんもいろいろ思いを巡らせたんですね。

モモチ 本質的な悲しさや儚さを歌っているから、アルバムの中だと特にしんみりする曲ですね。別れと言っても、卒業もあれば、友達と絶好しちゃうことも別れの1つだし、破局とかもそう。落ちサビの「キミの事好きじゃないよ 投げたコインみたいだね いびつな愛だったけど 後悔したくないはず」のところはアイカと2人で見つめ合いながら歌うんでドキドキします。「君のこと好きじゃない」って言われたら、本当は好きなんだろうなーなんて思いながら。

アイカ ずいぶんとまたポジティブな(笑)。

モモチ この歌詞の世界に入り込んでいるから(笑)。ファンの皆さんにはぜひ特典会とかで歌詞の考察を私に伝えてほしいです!

モモチ・ンゲール

モモチ・ンゲール

14. Walk
[作詞:八味、TAKE-PEE / 作曲・編曲:Hi-yunk(BACK-ON)]

「"MUST GO"のつづきへ、もう譲らないストーリー」
by ナオ・オブ・ナオ

ナオ 「MUST CHANGE」「MUST GO」という豆柴の大群の楽曲の続編にあたる曲ですね、3部作と捉えてもいいかもしれません。「MUST GO」は当時の豆柴の大群が6人で歌っていた曲、「Walk」はモンアイとしてこの4人で未来に向かって進んでいくという曲。グループが変わり、メンバーが6人から4人になり、いなくなったメンバーやテイマー、豆粒(豆柴の大群ファンの呼称)もいるし、過ぎ去った過去は変えられない。それでも4人で一歩ずつ歩みを進めていくという決意が込められています。今までを振り返りながら歩いているイメージもあって、ここまで感情をさらけ出すような曲、これまでのモンアイにはなかった。かわいくてキュートでラブリーなイメージのアイカが、湧き上がる感情をぶつけるように「クソッタレまだ出来るよ」と荒々しいフレーズを歌っていて。

アイカ 実は1回目に歌入れした音源を聴き直したら、なんかその部分がダサかったんですよ。だから後日あった「それ ちょーだい♡」のレコーディングのときに録り直させていただいて。そしたらずっと強く歌えたので、やり直してよかったです。

ナオ 歌い直しができたのは、アルバムの楽曲制作とレコーディングが同時進行だったからこそですね。制作期間が長かったから、自分の納得できる形で楽曲と向き合うことができた。それと、この曲は残っているメンバーと辞めたメンバーの両方の視点に立てる歌詞になっているというのを、さっきスタッフさんから聞きました(笑)。

──皆さんのお話からも感じられましたが、モンアイは「突破」という強力な武器を手にしましたね。

ナオ モンアイとして1年くらい活動してきて、いろいろなことがありました。メンバーの脱退、ツアーの開催、新曲がたくさん増えたこと。そんな中で活動してきた今のモンアイの集大成をぎゅっと閉じ込めた作品ができたので、みんなに届けたいと思います。ライブや楽曲を通して「もっと成長して大きくなるんだ」という私たちの思いを伝えられるようにしていきたいです。

豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL

豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL

プロフィール

豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL(マメシバノタイグントナイボウショエーケーエーモンスターアイドル)

TBS系バラエティ「水曜日のダウンタウン」発のアイドルグループである豆柴の大群と都内某所が合併してできたグループ。アドバイザーはクロちゃん(安田大サーカス)が務めている。2023年12月に合併が発表され、2024年1月に東名阪ツアー「MONSTERIDOL TOUR」を開催した。4月には1stシングル「わんダーらんど」をリリース。元豆柴の大群のアイカ・ザ・スパイ、ナオ・オブ・ナオ、レオナエンパイア、モモチ・ンゲールに元都内某所のミクを加えた5人で始動したが、3月にミクが脱退し、4人になった。5月から9月にかけて全国ツアー「MONSTER VENOM TOUR」を開催した。12月に1stアルバム「突破」をリリース。2025年1月からは所属事務所WACKによるツアーに出演する。