麒麟と獅子が見つめる光の森
──常に進化していく姿勢。それはアルバムのオープニングを飾る「Tokyo lights」からも伝わってきますよね。エレクトロニックでダンサブルなサウンドと、日本の悠久の歴史観みたいなものがミックスされた楽曲です。
TAX 僕らは普段宮城県で暮らしているので、上京するといつも刺激を受けているんです。24時間輝いていると言うか、エネルギーに満ちあふれていて、人は放たれる街の光に吸い寄せられて集まってくるんだなって。そこで、この楽曲では東京を「光の森」に例えて制作してみました。日本橋には麒麟と獅子の像があるんですけど、そこを軸にいろんな人々の物語が交錯していて、2匹が空から見ているようなイメージで。サウンドに関しては、メロウな部分とダンサブルな要素を織り交ぜて、ファンタジックな印象にしたいと思いました。
Blaise 東京って、無数の光が点滅しながらものすごいスピードで移り変わっていくイメージ。それをどう表現しようかと試行錯誤しながら完成させた楽曲です。
──ライブで盛り上がりそうな1曲ですよね。
DICK 今行っているファンクラブ限定ツアー「FAN CLUB LIVE 2018~VIP NIGHT with MONKEY MAJIK vol.4~」でも披露し始めたんですけど、僕ら自身とても楽しんで演奏しています。
──この楽曲の世界は映像にしても面白そうです。
Maynard 楽曲の世界観とすごく合う作品になりましたので、ぜひ見てほしいです。
大好きな女性の名前を付けた楽曲を
──続く「40 days」は、最初「失恋ソングかな?」と思ったんですけど。
Maynard 確かに最初はそう聴こえるかもしれない。でも裏テーマが隠されているんです。「どん底からいかに這い上がれるか?」というテーマがあるんだけど、詳しい内容は聴いた方の想像に任せます。またこの「40 days」というタイトルにも深い意味があるんです。いろんな宗教で、40日というのは節目の大切な数字として取り扱われているもので。そこからも、スピリチュアルな部分を感じ取っていただけるのかなと。
──その次の「Seiko」は、女性に向けたラブソングだと思ったんですけど、タイトルからして日本の有名なシンガーの方に向けられたものですか?
Maynard その通りです(笑)。日本を代表するミュージシャンだと思っているくらい彼女のことが大好きなので、松田聖子さんをオマージュしたラブソングになっています。また、1970~80年代って女性の固有名詞をタイトルにした楽曲が多くあったけど、最近あんまりないじゃないですか。それが寂しくて「だったら僕らが大好きな女性の名前を付けた楽曲を作ろう」と思いました。
──サウンドも1980年代風のシンセポップですよね。
Maynard YAMAHAのシンセを駆使して、エニグマティックな音を出せたと言うか。1980年代に公開された映画「ブレードランナー」のような世界観を表現したいなと思ったんです。
TAX 1980年代の音楽って、いいですよね。歌詞に関しても「そんなこと歌っていいの?」と思うくらい過激なことをさらりと表現していたりとか。自由があるのが刺激的。宇宙にでも行ったような気分になれる。また、僕自身そういう音楽を聴いて育ってきた世代なので聴いていて気分も落ち着くし。
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自分のルーツを表現できた
- MONKEY MAJIK「enigma」
- 2018年3月21日発売 / エイベックス・エンタテインメント
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[CD+Blu-ray]
5400円 / AVCH-78109/B -
[CD+DVD]
5076円 / AVCH-78108/B -
[CD]
3240円 / AVCH-78110 -
mu-mo Shop限定盤
[CD+Blu-ray+グッズ]
14040円 / AVZ1-78111/B
- CD収録曲
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- Tokyo lights
- 40 days
- A.I. am Human
- Seiko
- Is this love?
- Venom
- Fall Apart
- Ordinary Man
- Fight This Storm
- ray of light
- のぞみ
- Blu-ray/DVD 収録内容
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「MONKEY MAJIK "原点回帰" LIVE FILM」
昨年実施された47都道府県ライブハウスツアー千秋楽・沖縄公演のLIVE模様とインタビューやオフショットを交えたドキュメンタリー映像。- 虹色の魚
- Fall Back
- rise
- Save the last dance
- turn
- Wonderland
- wait
- Frozen
- ray of light
- A.I. am Human
- MONKEY MAJIK(モンキーマジック)
- カナダ人の兄弟Maynard(Vo, G)、Blaise(Vo, G)と日本人のTAX(Dr)、DICK(B)からなる仙台在住のロックバンド。 2000年に結成され、2006年1月にbinyl recordsより1stシングル 「fly」 をリリース。ネイティブな英語と日本語が交互に飛び出す歌詞と、洋楽と邦楽の双方の魅力を取り入れたメロディで好評を博す。2ndシングルの 「Around The World」 はフジテレビ系ドラマ 「西遊記」 の主題歌としてヒットを記録する。2011年1月には 「東北観光親善大使」 に任命され、同年から東日本大震災復興支援プロジェクト 「SEND愛」 を主催。その後も東北復興支援に向けた活動を継続している。結成15周年のアニバーサリーイヤーとなる2015年には2月にオリジナルアルバム「Colour by Number」を発表し、東京・日本武道館公演を開催。10月にベストアルバム「MONKEY MAJIK BEST -A.RI.GA.TO-」を発売した。2016年3月には通算10枚目のオリジナルアルバム「southview」を、2018年3月にアルバム「enigma」をリリース。